QEMUゲスト間のユーザモードネットワークでのNETBEUI通信

Windows 3.1の長期保存に適したエミュレータ/仮想化ソフト(VMware, Bochs, QEMU, Virtual PC等)を見極めるために多くのエミュレータ/仮想化ソフトを試してみました(「エミュレータ環境でのWindows 3.1」をご参考下さい)。
Windows 3.1だけの長期保存という観点で見ればQEMU用Windows 3.1環境用仮想ディスクを構築するのがポータビリティも高くて最も手軽な方法だと思います。
しかしそのWindows 3.1にOracleクライアントを導入してOracleサーバとペアで長期保存する場合でもQEMUが最適かどうかを検証する必要があります。
QEMUではユーザモードネットワークとTAP型ネットワークが主流でユーザモードネットワークが最も手軽なネットワーク利用方法です。
ユーザモードネットワークでTCP/IPプロトコルを使用してOracleクライアント/サーバ環境を構築するのは簡単なのですが古いものを長期保存するという観点から見るとTCP/IPプロトコルは面白みに欠けます。
1994年8月にリリースされたOracle7(Oracle Workgroup Server 7.0 for Windows NT)ではNETBEUIベースのNamed Pipeを使用してOracleクライアントとOracleサーバの通信ができます。
そこでOracleクライアントとなるWindows 3.1にはOracle7 Workgroup Serverのクライアントソフトを導入します。
またそのOracleサーバとしてはWindows NT Server 4.0を使用します(Windows NT Server 3.51はHAL.DLLの問題でVirtual PC 2007で起動ができません)。
尚、Oracle8のクライアントはWindows95/98/NTに限定されますので今回のWindows 3.1にはOracle7クライアントを導入します。
(Oracle8のクライアント情報は1999年11月発行のOracle8 Client for Windows NT and Windows 95/98 スタート・ガイド(PDFファイル)をご参照下さい)

今回は以下のQEMUゲストの構築検証手順を紹介致します。

今回のQEMUゲスト構築の流れは構築作業の確実性を重視して以下の通りとしました。
(1)Oracleサーバ用QEMUゲストの元になる仮想ディスクを一旦Vista(32ビット版)上のVirtual PC 2007(VPC2007)環境で構築。
(2)Oracleクライアント用QEMUゲストの元になる仮想ディスクも一旦Vista(32ビット版)上のVirtual PC 2007(VPC2007)環境で構築。
(3)Virtual PC 2007環境で構築した仮想ディスクをHyper-V Server 2012 R2環境のゲストOSとして動作しているFedora 20側に転送。
(4)QEMU用に仮想ディスクを変換。
(5)QEMU環境でOracleサーバ用ゲストOSを起動してゲストOS環境を整備。
(6)QEMU環境でOracleクライアント用ゲストOSを起動してゲストOS環境を整備。
(7)QEMU環境のユーザモードネットワークでのOracleクライアント/サーバ連携動作を検証。
[QEMU環境でのOracleクライアント/サーバ連携の出来上がりイメージ]



  1. 今回使用するPCのハードウェア/ソフトウェア構成

  2. Virtual PC 2007(VPC2007)環境でのOracleサーバ用ゲストの構築



  3. Virtual PC 2007環境でのOracleクライアント用ゲストの構築



  4. Virtual PC 2007環境で構築した仮想ディスクのQEMU環境への転送

    以下のVirtual PC用仮想ディスク及びCDイメージファイルをHyper-V Server環境のゲスト(Fedora 20)側に転送します。


  5. Virtual PC 2007用仮想ディスクのQEMU用仮想ディスクへの変換

    Hyper-V Server環境のゲスト(Fedora 20)側でqemu-imgコマンドを使用してVirtual PC 2007用仮想ディスクをQEMU用仮想ディスクに変換します。

  6. QEMU環境でのOracleサーバ用ゲストOSの整備



  7. QEMU環境でのOracleクライアント用ゲストOSの整備


  8. QEMU環境のユーザモードネットワークでのOracleクライアント/サーバ連携動作検証



  9. Virtual PC 2007仮想マシンのHyper-V Server 2012 R2での実行実験