Turbolinux 10 Desktop

2003年10月24日にリリースされたTurbolinux 10 Desktop(略称:TL10D)は、2002年5月31日にリリースされたTurbolinux Workstation 8の後継版です。
当初はTurbolinuxのバージョン9という扱い予定のようでしたが結局「Turbolinux 10 Desktop」(開発コード名:Suzuka)という製品名になりました。
TurboLinux 10 DesktopにはオフィスツールであるStarSuite 7が同梱されています。

ここではTurbolinux 10 Desktopについて簡単に紹介します。
TurboLinux 10 Desktopのカーネルは2.6.0-test5です。


(1)Turbolinux 10 Desktopの特徴

Turbolinux 10 Desktopのキャッチフレーズは「Windowsとの高い互換性を備え、既存Windowsとの共存を実現したブロードバンド時代の新しいデスクトップパソコン/ノートパソコン用OS」とのことです。
(出典:Turbolinux 10 Desktopのパッケージ記載事項による)


日本語環境については既にTurboLinux 日本語版3.0の頃から他のディストリビューションの先を行っていました(2003年の今も残るTurboLinux 日本語版3.0のパッケージ紹介ページ)。


(2)インストーラについて

Turbolinux 10 DesktopのインストーラはTurbolinux 7からサポートされたMongooseが利用されています。

ここではインストーラの特記事項等を述べます。



(3)統合デスクトップ環境

TurboLinux 10 DesktopにはKDE 3.1.3とGNOME 2.4の二つの統合デスクトップ環境がありログイン時に選択できるようになっています。
TurboLinux 10 DesktopでのデフォルトはKDEです(Kandalfの便利な一言による「KDEの初期リリース情報」と「KDEのKの意味」)。



(4)Turboアップデート

TurboLinux 10 Desktopで初期インストールされるソフトウェアの中にはセキュリティ問題を抱えたものやまともに動作しないものも含まれている可能性があります。
そこでTurboアップデートでそれらの情報を確認し、必要なアップデートを実行します。


(5)Java環境の導入とWebブラウザ(Mozilla及びKonqueror)のJava設定

TurboLinux 10 DesktopでのJava実行環境はStarSuite 7に含まれています。
またCompanion CDのunified/sun/j2sdkにはj2sdk-1_4_2-linux-i586-rpm.binもありますがTurboLinux 10 Desktopのインストーラではインストールされません。
TurboLinux 10 Desktop付属のMozillaは1.4であり、Java環境としては1.4.2以降のものが必要です。


(6)プリンタの設定

デスクトップにある「印刷ステータス」アイコンはプリンタの状況を確認するものでありプリンタの設定を行うものではありません。
プリンタの設定はKDEのプリンタ設定で行います。

プリンタ設定を選択すると「印刷マネジャ」が起動されますので[追加]−[プリンタ/クラスを追加]を選択します。
あとは「プリンタ追加ウィザード」に沿って設定を進めるだけで済みます。
テスト印刷が済んだらプリンタに名前を付けて終了です。

これでMozilla, Acrobat Reader, StarSuite 7のアプリケーション等からこのプリンタへの印刷ができるようになります。


(7)Windowsネットワーク

TurboLinux 10 DesktopからWindowsネットワークの共有リソースにアクセスしてみましょう。


(8)Webサーバの利用

TurboLinux 10 DesktopにはTurbolinux Workstation 8と同様にWebサーバ(Apache)と連動できる「htdig(Web全文検索システム)」が含まれています。


(9)クイックイン(Cuick In)について

クイックインとはウィザード形式のパッケージインストーラで、Webブラウザ/ファイルマネジャ(Mozilla/Konqueror)との連携が可能です。
Webページにおけるrpmパッケージファイルへのリンクをクリックするとクイックインが自動起動され、依存関係チェック・ダウンロード・インストールといった一連の作業を簡単に行うことができます。
単に、KDEメニューの「CuickIn」を起動すると「Cuickinインストールウィザード」が出てきてrpmパッケージファイルを指定しなければなりません。



(10)ログイン画面(ようこそ画面)からのXDMCPホスト接続

Turbolinux 10 Desktopではログイン画面(ようこそ画面)からXDMCPホスト接続ができるようになっています。
XDMCPホストとはXDMCP接続を許可しているホストのことです。

以下にRed Hat Linux 7.3にXDMCP接続してみた手順例を紹介します。




(11)Adabas D 12の利用

Starsuite 7に付属のAdabas D 12はStarSuite 6に付属のAdabas D 11の使用手順とほとんど同様な操作で使用できます。
(尚、StarSuite 7でのデータソース定義におけるデータベース種別としてMySQLが追加になっています)。

StarSuite 7とAdabas D 12との組み合わせでは日本語の文字化け現象も解消されているようです。




(12)その他