StarSuite 6.0に付属のAdabas D
2002年6月にリリースされたStarSuite 6.0パッケージには「Adabas D 11.0」(Personal Edition)というデータベースソフトが付いています。
ここではAdabas Dの簡単な利用法について紹介致します。
尚、StarSuite 6.0のリテール版パッケージのCD-ROMにはWindows/Solaris/Linux用のStarSuite 6.0が含まれていますが今回はTurbolinux 8 Workstationに付属のLinux用StarSuite 6.0を使用しています。
1.Turbolinux 8 Workstation
2002年5月31日にリリースされた「Turbolinux 8 Workstation」のカーネルはKernel 2.4.18です。
StarSuite 6.0を組み込むとGNOMEメニューにStarSuiteのプログラムが登録されます。
StarSuite Writer(ワープロソフト)はWebブラウザとしても使用できます(Webアクセス例)。
2.StarSuite Base
StarSuite Baseはデータソース管理ツールでありStarSuite Calc(表計算ソフト)やStarSuite Writer(ワープロソフト)から呼び出して使用します。
その使用方法はMicrosoftのAccessやQueryに類似しています。
このStarSuite BaseはAdabas接続をサポートしておりStarSuite BaseツールでAdabasのデータベース作成やテーブル作成・検索等を行うことができます。
もちろんStarSuite BaseはAdabas以外もサポートしていますのでStarSuite 6.0の導入においてAdabas Dの同時導入は必須ではありません。
3.Adabas Dに関するヘルプ
Adabas Dの使用方法や制限事項等についてはStarSuiteのヘルプで参照できます。
4.Adabas Dのデータベース作成例
Adabas Dの利用を簡単にするため「adabas」というユーザを作成しそのユ−ザのホームディレクトリを/usr/local/adabasとして、そこへAdabas Dをインストールしてあります。
- StarSuite Calc(表計算ソフト)を起動します。
- [表示]−[データソース]でデータソースエクスプローラを表示し、右クリックメニューから「データソースの管理」を選択してデータソース管理ツールを呼び出します。
尚、データソース管理ツールの呼び出しは[ツール]−[データソース]でも行えます。
- <新しいデータソース>ボタンを押します。
新しいデータソースの名称を例えば「testds」とし、データベースの種類として「Adabas」を選択します。
次に<新しいデータベース>ボタンを押して「新しいAdabasデータベースの作成」ダイアログを表示します。
- 「新しいAdabasデータベースの作成」ダイアログでデータベース名、アドミニストレータのユーザ名やパスワード等を指定します。
「データソースの管理」画面に戻って<適用>ボタンを押すと「testds」が表示されます。
5.テーブル作成
- データソースエクスプローラに表示されているデータソース「testds」をダブルクリックします。
- データソースエクスプローラの右クリックメニューの中から「新しいテーブルデザイン」を選択します。
- 「テーブルデザイン」画面でフィールド名、フィールドの種類、プライマリキーフィールド等を指定します。
フィールドの種類はコンボボックスから選択できます。
- 「テーブルデザイン」の[ファイル]−[名前を付けて保存]でテーブル名(例えば「areacost」)を指定して保存します。
「テーブルデザイン」画面を閉じます。
- データソースエクスプローラ中の「areacost」を選択し、フィールド(カラム)の値を入力してます。
これでテーブル定義/作成は完了です。
6.テーブルの活用
データソースエクスプローラに表示されたテーブルの内容を表計算ソフトやワープロソフトに貼り付ける方法は次の通りです。
- データソースエクスプローラ中のAdabasデータベース用のデータソースをダブルクリックします。
- Adabasデータベースに接続するためのログイン画面が出ますのでログイン情報を指定します。
- テーブルを選択して「テーブルのコピー」を選択します。
- 表計算ソフトのシートに「貼り付け」た結果はこんな感じです。
尚、日本語データを含むテーブルを表計算ソフト(StarSuite Calc)に貼り付けると日本語が文字化けします。
ワープロソフト(StarSuite Writer)への貼り付けでは文字化けしません。
7.クエリー登録
クエリー(定型的な検索用)の定義・登録例を紹介します。
- 「データソースの管理」画面の「クエリー」タブを表示します。
- <新しいクエリーデザイン>ボタンを押します。
- 「テーブルの追加」ダイアログでテーブルを選択します。
- クエリーのデザインを行います(条件検索指定例)。
- <実行>ボタンを押すと検索結果を確認できます(クエリー実行例)。
- デザインしたクエリーに名前を付けて保存します。
これにより「データソースの管理」の「クエリー」タブにクエリー名が表示されます。
8.クエリーの活用
テーブルの活用と同じくデータソースエクスプローラに表示されたクリーの内容を表計算ソフトやワープロソフトに貼り付けることができます(こんな感じ)。
(クエリーの実行結果欄の各値をシート(表)内にドラッグすることもできます)
9.テーブルからのフォーム生成
- [ファイル]−[オートパイロット]−[フォーム]でデータソースを選択します
- Adabasにログインします。
- テーブル(又はクエリー)を選択します。
- フォームに表示するフィードを選択します。
- フォームのレイアウトを指定します(指定例)。
- フォームを保存します。
- 実行モードでフォームが表示されます。
- フォームをデザインモードにしてコントロールオブジェクトを必要に応じて追加していきます(マクロの割り当てを含む)。
10.その他
- x_clearコマンドについて
Adabasデータベースとの接続ができない場合は「x_clear xxxxx」(xxxxx:MYDB1等のDB名)を実行します。
- 「Adabas D 11.0」(Personal Edition)には「シングルユーザ」「同時接続3セッション」という制限があります。
次のエラーメッセージが表示された場合にはAdabasに接続している他のソフトを終了させて下さい。
(「TOO MANY USERS」エラーも同様)
- OpenOffice.org 1.0について
StarSuite6.0の無償版に相当する「OpenOffice.org 1.0」にもデータベース連携機能はあります。
しかし、「OpenOffice.org 1.0」そのものには「Adabas D」は付属していません。
(但し、「OpenOffice.org 1.0」でもそのデータソース定義の対象として「Adabas」を選択できるようにはなっています)
ちなみにKDEメニューに登録される「OpenOffice.org 1.0」のプログラムメニューはこちらです。