Hyper-V Server 2012 R2環境でのFedora 21 Alpha Live版へのxrdpの導入

Hyper-V Server 2012 R2はWindows Server 2012 R2付属のHyper-Vサーバ機能に特化した無償の仮想化ソフトウェアです。
(Hyper-V Server 2012 R2の導入・活用手順については「無償のHyper-V Server 2012 R2利用」をご参照下さい)

2014年9月23日にFedora 21 Alphaがリリースされました。
このFedora 21 AlphaにはFedora 20同様にHyper-V Server(2012 R2)環境で動作するようにHyper-VのLIS(Linux Integration Services) ver 3.5のコンポーネントがビルトインされています。
(Hyper-VのLIS ver 3.5の正式リリースは2013年12月19日です)

Fedora 21 Alphaでは「yum install xrdp」でxrdp 0.6.1を簡単にインストールできますがxrdp(RDPサーバ)デーモンやxrdpセッションマネジャの自動起動はできないようです。

ここではHyper-V Server 2012 R2環境での64ビット版Fedora 21 Alpha Live版へのxrdpの導入・検証手順について紹介致します。

今回使用したPCのハードウェア/ソフトウェア構成は以下の通りです。


  1. 仮想マシンの定義
    (1)仮想マシンの名前:ここでは「HVSWork」としました。
    (2)仮想マシンの世代:第1世代
    (3)起動メモリ:2048MB(1024GBではLive版でのyumコマンドがよくフリーズしました)
    (4)新規の仮想ハードディスク:HVSWork-G1.vhdx(容量可変の127GB仮想ディスクですが実際には使用しません)
    (5)仮想マシンのネットワークアダプタ:デフォルトのネットワークアダプタ(レガシーネットワークアダプタではありません)
    ※ネットワークの構成での接続:仮想スイッチ1(外部接続用スイッチ)
    (6)インストールオプションの[後でオペレーティングシステムをインストールする]:on
    (7)仮想マシン(HVSCentOS7)の設定;
    ・DVDドライブのイメージファイル:Fedora-Live-Workstation-x86_64-21_Alpha-1.iso
    ※Live版のイメージファイルとしては他に以下のものもありますが今回は上記のFedora-Live-Workstation-x86_64-21_Alpha-1.iso(1.3GBファイル)を使用しました。
    Fedora-Live-KDE-x86_64-21_Alpha-1.iso (1.0GBファイル)
    Fedora-Live-LXDE-x86_64-21_Alpha-1.iso(821MBファイル)
    Fedora-Live-SoaS-x86_64-21_Alpha-1.iso(865MBファイル)
    Fedora-Live-Xfce-x86_64-21_Alpha-1.iso(759MBファイル)

  2. 仮想マシンの起動

  3. xrdpの導入準備
    liveuserによるxrdpの導入準備は以下のように実施します。

  4. xrdpのインストール
    xrdpパッケージのインストールは以下のコマンドで行います。
    $ sudo yum install xrdp
    [補足]
    (1)上記のコマンドでxrdp-0.6.1-5.fc21.x86_64がインストールされます。
    (2)xrdpパッケージのインストールを行うとxrdpサービス関連ファイルは以下に格納されます。
    /usr/lib/systemd/system/xrdp.service
    /usr/lib/systemd/system/xrdp-sesman.service
    /etc/xrdp/xrdp.ini

  5. xrdpインストール後の設定
    xrdpのインストール後は以下の設定を実施します。

  6. xrdpの起動
    今回インストールしたxrdpについてはサービスとしての起動はできません。
    本来なら以下のコマンドでxrdpをサービスとして自動起動させる設定をします。
    $ sudo systemctl enable xrdp.service
    $ sudo systemctl enable xrdp-sesman.service
    $ sudo systemctl start xrdp.service
    この時点で「ps aux|grep xrdp」を実行しても「xrdp」と「xrdp-sesman」のプロセスは存在しません。
    そこで「systemctl status xrdp.service」でステータスを確認すると以下のように表示されます。
    $ sudo systemctl status xrdp.service
     xrdp.service - xrdp daemon
    Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/xrdp.service; enabled)
    Active: failed (Result: exit-code) since ... ago
    Process: プロセス番号 ExecStart=/usr/sbin/xrdp $XRDP_OPTIONS --nodaemon (code=exited, status=203/EXEC)
    Main PID: プロセス番号 (code=exited, status=203/EXEC)
    <<以下省略>>

    上記のようにxrdpをサービスとして起動できないため以下のようにxrdpとxrdp-sesmanというバイナリ実行ファイルを直接起動します。
    $ sudo xrdp
    $ sudo xrdp-sesman

  7. RDP接続の検証

  8. RDP接続時のウィンドウマネジャをXfce4にする手順

  9. おまけ:Vinagre(リモートデスクトップビューア)の利用
    Fedora 21 Alpha Live版にはRDP接続クライアントとしてFreeRDP(ver 1.2.0-beta1)が付属していてxfreerdpコマンドでRDP接続ができます。
    更にFedora 21 Alpha Live版にはVinagre(リモートデスクトップビューア)というアプリケーションも含まれています。
    そのVinagreを使用してHyper-V上のCentOS 7(仮想マシン:HVSCentOS7)のxrdp(RDPサーバ)に接続してみました。
    Hyper-V上のCentOS 7のxrdpの詳細は「Hyper-V Server 2012 R2環境でのCentOS 7へのxrdpの導入(X11RDP-RH-Matic編)」をご参照下さい。