(1)仮想マシンの名前：ここでは「HVSCentOS7」としました。
(2)仮想マシンの世代：第2世代(UEFI v1.0を試したかったため第2世代にしてみました)
(3)起動メモリ：4096MB
(4)新規の仮想ハードディスク：HVSCentOS7-xrdpbuild.vhdx(容量可変の127GB仮想ディスク)
(5)仮想マシンのネットワークアダプタ：デフォルトのネットワークアダプタ(レガシーネットワークアダプタではありません)
※ネットワークの構成での接続：仮想スイッチ1(外部接続用スイッチ)
(6)インストールオプションの[後でオペレーティングシステムをインストールする]：on
(7)仮想マシン(HVSCentOS7)の設定；
・SCSIコントローラにDVDドライブを追加(ブート順序の変更は不要)
・DVDドライブのイメージファイル：CentOS-7.0-1406-x86_64-DVD.iso
・ファームウェアの[セキュアブートを有効にする]オプション：offに変更します。
※第2世代のCentOS 7用仮想マシンで[セキュアブートを有効にする]オプション：onではOS起動ができません。
※第2世代の仮想マシンにはCentOS 6.5はインストールできませんでした([セキュアブートを有効にする]オプションがoffでも「No Operating System was Loaded.」エラーが発生)。
インストール手順の詳細説明は不要かと思いますのでここではポイントだけ説明します。
(1)「WELCOME TO CENTOS 7」画面では日本語(Japanese)を選択します。
※第1世代では最初にCentOS 7メニューが表示されますが第2世代の場合はCentOS 7メニューが表示されずにいきなり「WELCOME TO CENTOS 7」画面が表示されます。
(2)「インストールの概要」画面での各項目の設定は以下のようにしました。
- 「ソフトウェアの選択」項目
(a)ベース環境：GNOME Desktop
(b)選択した環境のアドオンについては以下のすべてを選択しました。
・バックアップクライアント
・GNOMEアプリケーション
・インターネットオプション
・レガシーなXウィンドウシステム互換性
・オフィススィートと生産性
・リモートデスクトップ接続クライアント
・スマートガードサポート
・互換性ライブラリ
・開発ツール
- 「ネットワークとホスト名」項目
(a)eth0に対して固定IPを割り当てます。
(b)ホスト名としてHVSCentOS7を指定。
- 「インストール先」項目
(a)130.04GBのMsft Virtual Diskに対して[自動構成のパーティション構成]になっているのを[パーティション構成を行いたい]に変更します。
(b)「手動パーティション設定」画面でパーティション構成を手動で設定します。
(c)第2世代の仮想マシンではファームウェアがBIOSではなくEFIになっているため手動パーティション設定で/boot/efi専用パーティションを省くことはできません。
※/boot/efi専用パーティションが無い場合、「ストレージ設定のチェック中にエラー」となります。
(4)＜インストールの開始＞ボタンを押した直後の「設定」画面でrootパスワードの設定と一般ユーザ(今回はフルネーム：Amber, ユーザ名：amber)を定義しました。
・一般ユーザのamberについての[このユーザを管理者にする]オプションはデフォルトのoffのままとしました。
※[このユーザを管理者にする]オプションをonにするとamberユーザはwheelグループにも所属することになりそのままsudoが使用可能となります。
・ここで定義した一般ユーザがsudoを使用できるようにしてその一般ユーザでxrdpをビルドします(詳細は後述)。
・このインストールの時点でamberについての[このユーザを管理者にする]オプションを有効にするとamberユーザがwheelグループにも自動的に登録されてsudoがそのまま使用可能となりますが、今回はインストール後に手動でsudoを可能とする設定を行います。
(5)「設定」画面の左上の＜完了＞ボタンを押すとパッケージがインストールされて「完了しました！」メッセージが表示されます。
※xrdpで使用するtightvnc-serverもインストールされます。
(6)「完了しました！」メッセージ画面の右下の＜再起動＞ボタンを押すと「初期セットアップ」に移ります。
(7)「初期セットアップ」ではラインセンス契約に同意します。
(8)kdumpを有効にするかの設定を行って完了です(今回はkdumpは無効にしました)。
(9)ログイン画面が表示されます。
(10)第2世代では/boot/efi/EFI/centos/shim.efiがインストールされます。
ログイン画面は以下のように表示されます。
(1)表示されているユーザはインストール時に設定した一般ユーザです。
(2)表示されているユーザ以外(例えばroot)でログインする場合は[アカウントが見つかりませんか?]をクリックします。
(3)一般ユーザとrootでのログイン例；
- 一般ユーザでのログイン
(a)ログイン画面に表示されている[Amber]をクリックします。
(b)その一般ユーザのパスワードを入力して＜サインイン＞ボタンを押します。
(c)最初のログイン時には「ようこそ」ダイアログ(Gnome-inititial-setup)が表示されます。
(d)入力ソースの選択では[日本語 (Kana Kanji)]のままでＯＫです。
(e)「クラウド上のあなたの既存データに接続」画面では今回はアカウントの追加はスキップさせました。
(f)「ありがとう」画面で＜Start using CentOS Linux＞をクリックします。
(g)デフォルトのGNOMEクラシックと呼ばれるデスクトップ画面が表示されます。
- rootでのログイン
(a)ログイン画面の[アカウントが見つかりませんか?]をクリックします。
(b)ユーザ名の入力欄にrootを指定して＜次へ＞ボタンを押します。
(c)パスワード入力画面の＜サインイン＞ボタンの前には歯車のセッション選択アイコンが表示されます(一般ユーザの場合も同じです)。
・セッション：GNOMEのデスクトップ
・セッション：GNOMEクラシックのデスクトップ
このパスワード入力画面でrootパスワードを指定して＜サインイン＞ボタンを押します。
(d)最初のログイン時には「ようこそ」ダイアログが表示されるのでそこからは一般ユーザの場合と同じ操作をします。
- 補足
(1)第1世代では仮想マシンブート時にGRUB2メニューリストが出てカーネルパラメータの編集も行えますが第2世代では標準でGRUB2メニューリストの表示はスキップされます。
(2)第2世代では仮想マシンをハードドライブからブートした時点で仮想マシンの「設定」でのブート順に[ファイル shim.efi]エントリが自動追加されます。
仮想マシンを停止させてブート順を例えば[ファイル shim.efi]→[ネットワークアダプタ]→[DVDドライブ]→[ハードドライブ]にしても通常通りブートできます。
rootユーザでログインしてxrdpビルド・活用の下準備として以下の操作を行います。
- 一般ユーザ(ここではamber)のsudo使用可能化設定
X11RDP-RH-Maticに含まれるX11RDP-RH-Matic.shの実行はsudoが使える一般ユーザで行う必要があります。
そこで以下の操作で/etc/sudoersにsudoが使える一般ユーザ(amber)を追加登録します。
# visudo
「root ALL=(ALL) ALL」という行の下に「amber ALL=(ALL) ALL」という行を追加して「:wq!」で保存します。
- ftpパッケージのインストール
ftpコマンドはいろいろな場面で使用しますのでftpパッケージをインストールしておきます。
# yum install ftp
- ファイアウォール設定
HVSCentOS7にRDP接続できるように以下のコマンドでファイアウォール設定(3389ポートの開放)を行います。
# firewall-cmd --permanent --zone=public --add-service=ms-wbt
# systemctl restart firewalld.service
- 仮想マシン(HVSCentOS7)のシャットダウン
rootユーザのデスクトップの一番上のパネルの右にある[root]から[電源オフ]を選択して一旦シャットダウンします。
上記で使用したHVSCentOS7-xrdpbuild.vhdxという仮想ディスクはxrdp 0.9.0パッケージをビルドするためのものです。
X11RDP-RH-Matic.shはxrdpパッケージを生成すると共にそのインストールも自動で行ってしまいます。
そこでX11RDP-RH-Matic.shで作成されたxrdpパッケージをxrdpをビルドした仮想ディスクとは違う仮想ディスクを使用した仮想マシンでも利用できることを検証するためにxrdpテスト用の仮想ディスクを用意します。
具体的にはHVSCentOS7-xrdpbuild.vhdxをHVSCentOS7-xrdptest.vhdxという名称のファイルにコピーします。
- 一般ユーザでのログイン
ここではsudoを利用可能にしたamberユーザでログインします。
- xrdpパッケージのビルド実行
$ cd ※/home/amberがカレントディレクトリになります
$ sudo git clone --depth 1 -b master https://github.com/metalefty/X11RDP-RH-Matic.git ※masterブランチの取得
[sudo] password for amber: ここでamberユーザのパスワードを入力
Cloning into 'X11RDP-RH-Matic'...
remote: Counting objects: 19, done.
remote: Compressing objects: 100% (19/19), done.
remote: Total 19 (delta 0), reused 13 (delta 0)
Unpacking objects: 100% (19/19), done.
$ cd X11RDP-RH-Matic/
$ ./X11RDP-RH-Matic.sh
./X11RDP-RH-Matic.sh: 行 395: .PID: 許可がありません
Allow X11RDP-RH-Matic to gain root privileges.
Type your password if required.
First of all, checking for necessary programs to run this script...
Checking for yum-utils... yes
Checking for dialog... no
Installing dialog...
Following command will be executed via sudo:
yum -y install dialog
done
Checking for rpm-build... yes
<<途中省略>>
Do the following command to see build progress.
$ tail -f /tmp/tmp.msC8hIBLU8.X11RDP-RH-Matic/build.log
Building xrdp... done
Building x11rdp...
Following command will be executed via sudo:
find /opt/X11rdp -delete
[sudo] password for amber: ここでamberユーザのパスワードを入力
done
Built RPMs are located in /home/amber/rpmbuild/RPMS/x86_64.
Removing installed xrdp... done
Removing installed x11rdp... done
Installing built xrdp...
Following command will be executed via sudo:
yum -y localinstall /home/amber/rpmbuild/RPMS/x86_64/xrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm
done Installing built x11rdp... Following command will be executed via sudo: yum -y localinstall /home/amber/rpmbuild/RPMS/x86_64/x11rdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm
done
これでビルドとインストールの完了です。
ちなみに/tmp/tmp.msC8hIBLU8.X11RDP-RH-Matic/build.logの内容は以下のようになっています(抜粋版)。
実行中(%prep): /bin/sh -e /var/tmp/rpm-tmp.GTsjkV
+ umask 022
+ cd /home/amber/rpmbuild/BUILD
+ cd /home/amber/rpmbuild/BUILD
+ rm -rf neutrinolabs-xrdp-5b6b745
+ /usr/bin/tar -xf -
+ /usr/bin/gzip -dc /home/amber/rpmbuild/SOURCES/neutrinolabs-xrdp-5b6b745.tar.gz
<<途中省略>>
書き込み完了: /home/amber/rpmbuild/SRPMS/xrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.src.rpm
書き込み完了: /home/amber/rpmbuild/RPMS/x86_64/xrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm
書き込み完了: /home/amber/rpmbuild/RPMS/x86_64/xrdp-debuginfo-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm
実行中(%clean): /bin/sh -e /var/tmp/rpm-tmp.mXbsa7
+ umask 022
+ cd /home/amber/rpmbuild/BUILD
+ cd neutrinolabs-xrdp-5b6b745
+ rm -rf /home/amber/rpmbuild/BUILDROOT/xrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64
+ exit 0
patching file buildx.sh
Hunk #1 succeeded at 151 (offset -99 lines).
patching file x11_file_list.txt
Following command will be executed via sudo:
./buildx.sh /opt/X11rdp
dir does not exist, creating [/opt/X11rdp]
using /opt/X11rdp
*** processing module Python-2.7 (1 of 102) ***
downloading file http://www.club.kyutech.ac.jp/~meta/distfiles/xrdp/X11R7.6/Python-2.7.tar.bz2
executing ./configure --prefix=/opt/X11rdp
<<途中省略>>
*** processing module xorg-server-1.9.3 (62 of 102) ***
downloading file http://www.club.kyutech.ac.jp/~meta/distfiles/xrdp/X11R7.6/xorg-server-1.9.3.tar.bz2
executing ./configure --prefix=/opt/X11rdp --with-sha1=libcrypto --disable-dmx --without-dtrace
<<途中省略>>
書き込み完了: /home/amber/rpmbuild/SRPMS/x11rdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.src.rpm
書き込み完了: /home/amber/rpmbuild/RPMS/x86_64/x11rdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm
実行中(%clean): /bin/sh -e /var/tmp/rpm-tmp.bOupnl
+ umask 022
+ cd /home/amber/rpmbuild/BUILD
+ /usr/bin/rm -rf /home/amber/rpmbuild/BUILDROOT/x11rdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64
+ exit 0
[補足]
(1)/home/amber/rpmbuild/RPMS/x86_64/には以下の3個のrpmパッケージが生成されます。
・xrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm
・xrdp-debuginfo-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm
・x11rdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm
(2)XvncベースのxrdpによるRDP接続に必要なパッケージはxrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpmだけです。
- xrdpパッケージのftpサーバへの保存
ftpを使用して適当なftpサーバにxrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpmを転送しておきます。
- 仮想マシンのシャットダウン
$ sudo shutdown -h now
上記でビルドして作成した xrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpmをビルドした仮想ディスクとは別の仮想ディスクを使用してRDP接続テストを実施してみます。
- 仮想マシン(HVSCentOS7)の仮想ディスクの切り替え
仮想マシン(HVSCentOS7)の仮想ディスクをHVSCentOS7-xrdpbuild.vhdxを一旦外してHVSCentOS7-xrdptest.vhdxに設定変更します。
- 仮想マシン(HVSCentOS7)の起動
HVSCentOS7-xrdptest.vhdxに切り替えた仮想マシン(HVSCentOS7)を起動します。
- rootでログイン
- xrdpパッケージの取得
ftpサーバに格納したxrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpmを/root直下にftpでgetします。
- xrdpパッケージのインストール
[補足]# rpm -ivh xrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm
(1)xrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpmのインストールが完了するとRDP接続用の3389ポートは開放状態になります。
- RDP接続で母艦と同じGNOMEクラシックセッションを表示する簡易設定とRDP接続
- /etc/xrdp/startwm.shの変更
/etc/xrdp/startwm.shにexport LANG=ja_JP.UTF8を追加指定するだけでRDP接続した時に母艦と同じGNOMEクラシックセッションが表示されます。
#!/bin/sh #start the window manager wm_start() { if [ -r /etc/default/locale ]; then . /etc/default/locale export LANG LANGUAGE fi export LANG=ja_JP.UTF8 # debian <<以下省略>>
- RDP接続で日本語キーボードと同じキー入力を可能にする設定
(1)[Xrdp-devel] Keyboard issue and Japanese Keyboard Layoutページで公開されている日本語キーボードレイアウトファイル(km-e0010411.ini)をダウンロードします。
以下のコマンドを実行します。
# cp km-e0010411.ini /etc/xrdp/km-0411.ini
# cd /etc/xrdp
# ln -s km-0411.ini km-e0010411.ini
# ln -s km-0411.ini km-e0200411.ini
# ln -s km-0411.ini km-e0210411.ini
- Windows 8.1のリモートデスクトップ接続クライアントからHVSCentOS7への接続
- RDP接続ログイン(「Login to HVSCentOS7」)での設定
・Session：sesman-Xvncを選択します(sesman-X11rdpがデフォルトになっていますが...)。
・username：amber
・password：amberユーザのパスワード
ここで＜OK＞ボタンを押します。
- 「Connection Log」が表示されます。
「VNC connecting to 127.0.0.1 5910」直後に「VNC error - problem connection」が表示された場合は再度RDP接続ログインを行ってみて下さい。
- 「Connection Log」で「VNC connecting to 127.0.0.1 5910」と表示された場合、「VNC error - problem connection」の発生有無にかかわらず/tmp/.X10-lockファイルが自動生成されます(但し、/var/log/Xorg.10.logは生成されません)。
- RDP接続での日本語版GNOMEクラシックデスクトップ画面表示
最初は画面解像度が1920x1200のデスクトップ画面が表示されます。
- 画面解像度の変更
[アプリケーション]メニューの[システムツール]-[設定]の「ディスプレイ」を開いて画面解像度を変更します(セッションの切断は発生しません)。
今回は1280x720の解像度に変更してみました。
下記画像で奥側が母艦となるHVSCentOS7のデスクトップで手前側がRDP接続した画面(解像度：1280x720)です。
・実寸画像はこちらです。
- RDP接続の切断
RDP接続画面を閉じるだけではamberユーザでのログイン状態が継続されたままになります。
amberユーザでのRDP接続を切断して、かつamberユーザをログアウトされた状態にするにはRDP接続画面で[Amber]-[ログアウト]を実行する必要があります。
- Mac OS XからのRDP接続
Mac OS XのMac App StoreにあるRDP ClientをダウンロードインストールしてHVSCentOS7にRDP接続してみました。
・実寸画像はこちらです。
- /etc/xrdp/startwm.shの変更
(1)仮想マシン(HVSCentOS7)へのCentOS 7のインストールでベース環境(GNOME Desktop)のアドオンがすべてoffの場合でも下記のコマンドでxrdpをインストールできます。
※ベース環境(GNOME Desktop)のアドオンがすべてoffの場合、xrdpで使用するtightvnc-serverはインストールされますがgitパッケージ等はインストールされません。
|
# rpm -ivh xrdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm |
(2)下記画像で奥側が母艦となるHVSCentOS7のデスクトップで手前側がRDP接続した画面です(このRDP接続画面の解像度は実際には1920x1200になっています)。
・実寸画像はこちらです。
(3)RDP接続画面の解像度変更はGUI操作で「設定」画面を開いて行いますがそれができない場合は「gnome-control-center --overview」コマンドで「設定」画面を開いてその中の「ディスプレイ」で解像度変更を行います。
・RDP接続画面の解像度を1280x720に変更した画面例
X11rdpはXvncの代わりとなるxrdp用のXサーバです。
CentOS 7付属のGNOMEはGNOME 3系ですが、現時点でのX11RDP-RH-MaticのX11rdpはX11RDP-o-MaticのX11rdp同様にGNOME 3系との相性は良くなく(参考サイト)、Xfce4との相性が良いようですのでデバッグモードでまずはそれらを検証してみました。
(CentOS 6.5はGNOME 2系)
- x11rdpパッケージの導入
(1)ftpサーバに格納したx11rdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpmを/root直下にftpでgetします。
(2)以下のコマンドでxrdpに対してx11rdpを追加インストールします。
# rpm -ivh x11rdp-0.9.0.git5b6b745+master-1.el7.centos.x86_64.rpm
- シンボリックリンクの設定
x11rdpパッケージに含まれているX11rdpコマンドを起動すると「Could not init font path element」エラーが発生します。
その対策として以下のコマンドで/usr/share/fonts/X11というシンボリックリンクを作成しておきます。
# ln -s /opt/X11rdp/share/fonts/X11 /usr/share/fonts/X11
- X11rdpとGNOME 3系の組み合わせテスト
(1)RDP接続ログイン(「Login to HVSCentOS7」)での設定
・Session：sesman-X11rdpを選択します(sesman-X11rdpがデフォルトになっています)。
・username：amber
・password：amberユーザのパスワード
ここで＜OK＞ボタンを押します。
(2)「Connection Log」には「connected ok」と表示されます。
(3)「connected ok」と表示された直後に「Oh no! Something has gone wrong.」エラーとなります。
(4)「Oh no! Something has gone wrong.」エラー表示の画面で＜Log Out＞ボタンを押すとRDP接続画面はブラックスクリーン状態のままとなります。
ブラックスクリーン
- デバッグモードでのX11rdpとGNOME 3系の組み合わせテスト
(1)/etc/xrdp/xrdp.iniの変更
デバッグモードでX11rdpを動作させるために/etc/xrdp/xrdp.ini中のX11rdp用[xrdp1]セクション中のport=-1をport=/tmp/.xrdp/xrdp_dispaly_10に変更します。
※xrdp.ini中にxrdp_dispaly_xについての注釈が記載されています。
(2)X11rdp接続の手動設定
デバッグモードでX11rdp接続する環境を以下のようにrootユーザで手動設定します。
(3)Windows 8.1のリモートデスクトップ接続クライアントからHVSCentOS7への接続# systemctl stop xrdp.service ※xrdp-sesmanも自動停止されます。
# xrdp -ns &
# su - amber ※RDP接続用ユーザへの切り替え
$ X11rdp -uds :10 ※「-uds :10」は「create and listen on /tmp/.xrdp/xrdp_display_10」を意味します。
ここで更に別端末を起動して以下のコマンドを実行します。
# su - amber
$ export DISPLAY=:10
$ gnome-session(またはgnome-session --session=gnome-classicを指定)
ここでのWindows 8.1のリモートデスクトップ接続クライアントからHVSCentOS7への接続におけるRDP接続ログイン(「Login to HVSCentOS7」)では以下のように指定します。
・Session：sesman-X11rdpを選択します(sesman-X11rdpがデフォルトになっています)。
・username：何も指定しません
・password：何も指定しません
ここで＜OK＞ボタンを押すと「Oh no! Something has gone wrong.」エラーが表示されます。
(4)RDP接続エラー情報の確認
「X11rdp -uds :10」コマンドを投入した端末には「xrdp_process_data_in: xrdp_process_loop failed」や
「An established connection closed to endpoint」等のメッセージが表示されます。
要するに一度確立された接続が予期せぬエラーによって瞬時に「切断」されたことを示すようです。
一度接続が確立された状態ですのでAmberユーザがログインされた状態のままになっています。
- X11rdpとXfce4の組み合わせテスト
X11rdpとの組み合わせで推奨されているXfce4との組み合わせをデバッグモードで検証してみました。
(1)Xfce4の導入
以下のコマンドでEPEL版Xfce4ウィンドウマネジャを導入します。
上記のコマンド実行によってログイン画面でのパスワード入力時に「Xfceセッション」選択ができるようになりますのでamberユーザでXfceセッションを一度は使ってみます。# rpm -ivh http://dl.fedoraproject.org/pub/epel/7/x86_64/e/epel-release-7-1.noarch.rpm
# yum groupinstall xfce
尚、今回はXfceのパネル表示のオプションでは[デフォルト設定にする]は選択せずに[空のパネルにする]を選択したため画面下のパネルにはターミナルエミュレータ, ファイルマネジャ等のアイコンは表示されません。
(2)X11rdp接続の手動設定
一旦仮想マシンを再起動してデバッグモードでX11rdp接続する環境を以下のようにrootユーザで手動設定します。
(3)Windows 8.1のリモートデスクトップ接続クライアントからHVSCentOS7への接続# systemctl stop xrdp.service ※xrdp-sesmanも自動停止されます。
# xrdp -ns &
# su - amber ※RDP接続用ユーザへの切り替え
$ X11rdp -uds :10 ※「-uds :10」は「create and listen on /tmp/.xrdp/xrdp_display_10」を意味します。
ここで更に別端末を起動して以下のコマンドを実行します。
# su - amber
$ export DISPLAY=:10
$ xfce4-session
ここでもWindows 8.1のリモートデスクトップ接続クライアントからHVSCentOS7への接続におけるRDP接続ログイン(「Login to HVSCentOS7」)では以下のように指定します。
・Session：sesman-X11rdpを選択します(sesman-X11rdpがデフォルトになっています)。
・username：何も指定しません
・password：何も指定しません
ここで＜OK＞ボタンを押すとRDP接続画面にXfce4のデスクトップが表示されます。
「X11rdp -uds :10」コマンドを投入した端末の表示内容を確認したところ「xrdp_process_data_in: xrdp_process_loop failed」や
「An established connection closed to endpoint」等のエラーは発生していません。
(4)RDP接続での日本語版Xfce4デスクトップ画面表示
画面解像度が1024x768(X11rdpを使用したxrdpのRDP接続でのデフォルト解像度)の日本語版Xfce4デスクトップ画面が表示されます。
(5)下記画像で奥側が母艦となるHVSCentOS7のデスクトップで手前側がRDP接続した画面です。
・実寸画像はこちらです。
- X11rdp使用のRDP接続でXfce4をウィンドウマネジャとする設定と動作検証
ユーザ指定のsesman-X11rdpセッションではデフォルトでGNOMEクラシックのウィンドウマネジャを表示しようとして内部エラーが発生してRDP接続でのデスクトップが表示されません。
そこで上記で検証したようにX11rdpとの組み合わせで推奨されているXfce4をRDP接続時のウィンドウマネジャとする設定を以下のように行います。
(1)sesman-X11rdpセッションを使用するLinuxユーザ(ここではamber)のホームディレクトリへの.Xclientsファイルの作成
(2)その他の設定・確認事項# su - amber
$ vi .Xclients ※以下の3行から成るファイル(/home/amber/.Xclients)を作成します。
$ chmod 755 .Xclients#!/bin/bash
export LANG=ja_JP.UTF8
exec xfce4-session
・/etc/xrdp/xrdp.ini中のX11rdp用[xrdp1]セクション中のport=/tmp/.xrdp/xrdp_dispaly_10をport=-1に戻します。
・/usr/share/fonts/X11というシンボリックリンクの存在を確認します。
・RDP接続で日本語キーボードと同じキー入力を可能にする設定がされていることを確認します。
(3)仮想マシン(HVSCentOS7)を再起動してrootでログインした状態にします。
(4)X11rdp使用のRDP接続の実施
- RDP接続ログイン
Windows 8.1のリモートデスクトップ接続クライアントからHVSCentOS7への接続におけるRDP接続ログイン(「Login to HVSCentOS7」)では以下のように指定します。
・Session：sesman-X11rdpを選択します(sesman-X11rdpがデフォルトになっています)。
・username：amber
・password：amberのパスワード
ここで＜OK＞ボタンを押すと「Connection Log」には「connected ok」と表示されます。
尚、「Login to HVSCentOS7」で＜OK＞ボタンを押すと/var/log/xrdp-sesman.logには以下のようなログが出力されます(実際には各行の先頭にはタイムスタンプがありますがここでは省略しています)。
この時点で/tmp/.X10-lockファイルが作成されてXfce4デスクトップが表示されます(但し、/var/log/Xorg.10.logは生成されません)。[INFO ] A connection received from: 127.0.0.1 port 48088
[INFO ] scp thread on sck 8 started successfully
[INFO ] ++ created session (access granted): username amber, ip RDP接続要求元のIPアドレス:47362 - socket: 8
[INFO ] starting X11rdp session...
[INFO ] An established connection closed to endpoint: NULL:NULL - socket: 11
[INFO ] An established connection closed to endpoint: NULL:NULL - socket: 11
[INFO ] An established connection closed to endpoint: NULL:NULL - socket: 11
[INFO ] An established connection closed to endpoint: 127.0.0.1:48088 - socket: 8
[INFO ] An established connection closed to endpoint: NULL:NULL - socket: 7
[INFO ] An established connection closed to endpoint: 127.0.0.1:48088 - socket: 8
[INFO ] X11rdp start:X11rdp :10 -geometry 1024x768 -depth 24 -bs -ac -nolisten tcp -uds
[INFO ] starting xrdp-sessvc - xpid=2500 - wmpid=2499
- Xfce4デスクトップ表示
「Connection Log」に「connected ok」と表示された後で日本語版Xfce4デスクトップが表示されます(画面解像度は1024x768)。
- RDP接続の切断
Xfce4デスクトップの上段右側の[Amber]-[ログアウト]でログアウトするとRDP接続の切断とログアウトが同時に行われます。
尚、RDP接続の切断とログアウトを行うと/var/log/xrdp-sesman.logには以下のようなログが出力されます(実際には行の先頭にはタイムスタンプがありますがここでは省略しています)。
更に、/tmp/.X10-lockファイルは自動削除されます。[INFO ] ++ terminated session: username amber, display :10.0, session_pid 2498, ip RDP接続要求元のIPアドレス:47362 - socket: 8
amberユーザがRDP接続の切断とログアウトを行っても「/bin/gpg-agent --sh --daemon --write-env-file /home/amber/.cache/gpg-agent-info」というamberユーザのプロセスだけは残った状態になります。
- 補足
(a).Xclientsファイルでexec xfce4-sessionの指定を行うとsesman-Xvnc選択でのRDP接続でも以下のような日本語版Xfce4デスクトップが表示されます。
sesman-Xvnc選択でのRDP接続の切断はsesman-X11rdp選択の場合と同様にXfce4デスクトップの上段右側の[Amber]-[ログアウト]でログアウトするとRDP接続の切断とログアウトが同時に行われます。
(b).Xclientsファイルでexec xfce4-sessionの指定がされていてもHVSCentOS7へのローカルログインでamberユーザのパスワード入力画面で[Xfceセッション]以外のセッション(例：[GNOMEクラシック])を選択すればその選択したセッション用のウィンドウマネジャが起動します。
(c)RDP接続で日本語キーボードと同じキー入力を可能にする設定がされていてもsesman-X11rdpセッションでは日本語キーボードレイアウトとしての入力はできません(このsesman-X11rdpセッションでの画像は日本語キーボード上の記号を左から順に打ち込んだ様子でusキーボードレイアウトに近いです)。
但し、sesman-Xvncセッションでの日本語版Xfce4デスクトップでは日本語キーボードレイアウトとしての入力は可能です(最上段にある「|/\」キーも使用可能)。
(キーボードの設定での[システムデフォルトを使用する]オプションをoffにするとRDP接続でXfce4のデスクトップ画面を表示できなくなります)
- RDP接続ログイン
- localhostへのRDP接続
HVSCentOS7のroot用デスクトップ上でamberユーザのデスクトップをXnest(XDMCP接続)ではなくRDP接続で表示・操作することができます(localhostへのRDP接続方式)。
具体的にはHVSCentOS7へrootでログインして以下のコマンドを実行します。
「FreeRDP: localhost」画面の「Login to HVSCentOS7」で以下を指定します。# xfreerdp --no-tls localhost
・Session：sesman-Xvnc
・username：amber
・password：amberのパスワード
ここで＜OK＞ボタンを押すと「Connection Log」には「connected ok」と表示されて日本語版Xfce4デスクトップが表示されます。
・実寸画像はこちらです。
尚、RDP接続の切断はlocalhostへのRDP接続であってもXfce4デスクトップの上段右側の[Amber]-[ログアウト]でログアウトするとRDP接続の切断とログアウトが同時に行われます。
(1)CentOS 7対応のEPEL版xrdpパッケージはいずれhttp://dl.fedoraproject.org/pub/epel/7/x86_64/x/で公開されると思います。
(2)CentOS 7対応のEPEL版xrdp/x11rdpパッケージが公開された暁には以下のコマンドでそれらを簡単にインストールできるようになると期待しています。
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# rpm -ivh http://dl.fedoraproject.org/pub/epel/7/x86_64/e/epel-release-7-1.noarch.rpm # yum install xrdp # yum install x11rdp |