ZETA 1.0
BeOS(MediaOS)はVer 5で凍結しましたがその後継バージョンとも言えるOSがドイツのyellowTAB社にてZETA 1.0として開発され、
日本では2005年7月7日にリリースされました。
ZETA 1.0はBeOS 6.0としての位置付けにあるようです。
正式版としてのZETA 1.0の直前ベータ版はZETA NEOです。
ここではZETA NEOとZETA 1.0の相違点を含めてZETA 1.0の概要を簡単に紹介します。
1.ZETA NEOとZETA 1.0のおおまかな相違点
項目 | ZETA NEO | ZETA 1.0 |
インストール時のパーティション設定 | Drive Setup | ディスクセットアップガイド |
製品アクティベーション | 無 | 有 |
BeOSレベルのバージョン | 5.1 | 6.0 (BeOS Zeta 6.0扱い) |
CannaIM(日本語入力) | 別インストール | 標準装備 |
Sambaクライアント | CifsMounter | WindowsNetworks (実体はCifsMounter) |
Poorman(Webサーバ) | 無 | 有 |
ftpサーバ | 無 | 有 |
telnetサーバ | 無 | 有 |
Firefoxバージョン | 1.0 Preview Release | 1.0.3 |
2.ZETA 1.0のインストール方法
- CD-ROMからのブート
ZETA 1.0インストール用CD-ROMからブートします。
- ZETAブートスクリーン
ZETAブートスクリーンにはZETAのロゴと7個のシンボルマーク(ブートアイコン)が表示されます。
各ブートアイコンの意味は以下の通りです。
※「ZETA クイックインストールガイド」から引用
ブートアイコン | | | | | | | |
アイコン名称 | Atom | Plug-in Card | Lightning (稲妻) | Oscilloscope | Hard Disks | Magnifying Glass | BeBox |
意味 | ZETAカーネルの読み込み | 内部ハードウェア初期化 | 全プロセッサ検出 | 全プロセッサ動作 | ディスクドライバの読み込み | ZETAブートドライブマウント | ブートスクリプト実行 |
- 言語選択
言語選択でのデフォルトは「日本語」になっています。
- エンドユーザ使用許諾契約への同意
- ドライブとディスク領域の自動検出
- ディスクセットアップガイド
ディスクセットアップガイド(パーティション管理ツール)のエンジンはParagon Software Groupのものをベースにしているようです。
- パーティション無しHDDの場合
パーティション無しHDDの場合はそのHDD全体が自動的にZETA用領域になります。
- NTFSパーティション有りのHDDの場合
NTFSパーティション有りのHDDの場合はパーティション設定画面が表示されます。
パーティション設定画面では既存パーティションをリサイズしたりそのHDD全体をZETA用領域に再割り当てしたりできます。
- リサイズ画面
- HDD全体をZETA用領域に再割り当て設定画面
- ディスク領域名の指定
標準名は「ZETA」です。
- 構成選択
構成には「通常インストール」と「カスタムインストール」があります。
カスタムインストールではインストール対象ソフトウェアを選択できます。
「インストール」ボタンを押すとファイルがコピーされます。
- ファイルコピー
- ZETAブートマネージャのインストール
- ZETAブートマネージャのインストール確認
- 古いMBRの保存
- レスキューディスク(FD)の作成
- ブートメニューの構成設定
- 起動待ち時間設定(デフォルト:無期限)
- ブートメニューの書き込み
- ブートマネージャのインストール完了
- インストール完了後の自動リブート
この場合インストールCD-ROMは自動排出されますのでHDDからブートされます。
- ブートメニューでのブートOS選択起動
- 初期設定処理
ファイルタイプの設定、アプリケーションアイコンの作成処理が自動実行されます。
- 製品アクティベーション
インターネットによるZETA製品アクティベーション画面が自動表示されます。
DHCP構成でインターネット接続できる環境であればこの時点で製品アクティベーションを済ませることができます。
製品アクティベーションが済むと完了メッセージが表示されます。
もしこの時点で製品アクティベーションを実行できる環境が整っていない場合は、ここでは製品アクティベーションを中止し、
ZETAをSafe Modeで起動してネットワーク設定を行ってからZETAメニューの[アプリケーション]−[システム]−[activate]で
製品アクティベーションを行うことができます。
製品アクティベーションが未完のままでは製品アクティベーションを促す画面が自動表示されます。
尚、製品アクティベーションが済んでいればZETAメニューの[アプリケーション]−[システム]−[activate]で次のように表示されます。
- ネットワーク設定
必要に応じてZETAメニューの[環境設定]−[ネットワーク]でネットワーク設定を行います(ネットワーク接続プロファイルの設定・変更)。
3.ZETA 1.0デスクトップ環境
- デスクトップ
実寸画像はこちらです(1024x768)。
- デスクトップアイコン
- Deskbar
- ZETAメニュー
- ZETAについて
- 「デモ」メニュー
ZETA 1.0ではMohoというドローソフトを体験できます。
- 「環境設定」メニュー
- 「アプリケーション」/「システム」メニュー
- 「アプリケーション」/「ネットワーク」メニュー
「ネットワーク」メニューにはPoorMan、RHConsole、WindowsNetworksがあります。
PoorManとRHConsoleはWebサーバです。
WindowsNetworksはCifsMounterが名称変更されたもので自動マウント先は/CifsDir0とか/CifsDir1とかになります。
4.ウィンドウスタイル
[環境設定]−[インタフェース]でウィンドウスタイルを変更できます。
ZETA 1.0付属のウィンドウスタイルは以下の通りです。
- デフォルト(Menloを指す)
- Cupertino(青い背景に白い線の入ったタイトルバー)
- Menlo(ZETA標準の光沢のある黄色いタブ)
- R5(BeOS標準の光沢のない黄色いタブ)
- Redmond(WindowsXPスタイル:青いタイトルバー)
- Seattle(WindowsXPスタイル:シルバーのタイトルバー)
- Smoke(灰色タブ)
5.Firefox 1.0.3(Webブラウザ)
Firefoxでは天気予報表示が行えます(Firefox用天気予報エクステンション装備)。
6.ftp,telnetサーバ
ZETA 1.0ではftpサーバ、telnetサーバが復活しています。
- ftpサーバ、telnetサーバの起動設定
[環境設定]−[ネットワーク]のプロファイル編集の「サービス」タブでftp,telnetログインアカウント設定、
及びftpサーバ、telnetサーバのサービス開始・停止を行えます。
- ftpサーバ接続
WindowsからZETA 1.0付属のftpサーバに接続してみました。
- telnetサーバ接続
LinuxからZETA 1.0付属のtelnetサーバに接続してみました。
※端末文字コードとしてUTF-8対応のものがtelnetクライアントとして必要となります。