VMware for WindowsによるLinux Samba

VMware Workstation 3.2 for Windowsを使ってホストOSとして「Windows XP Professional」、ゲストOSとして「Red Hat Linux 7.3」という組み合わせで動作確認してみました。
本組み合わせの主たる使用目的はWindows環境で使用する大事なファイルを同一マシン上のLinuxファイルサーバ(Sambaサーバ)に集中管理させることです。


1.マシン環境

尚、LANカードの種別はここでは特に問いません。
またLANカードを交換した場合その交換後のLANカードに対するネットワーク接続のプロパティで「VMware Bridge Protocol」を有効にしておくと、VMware側の設定を変えることなくゲストOSでネットワーク機能がそのまま利用できます。


2.VMware for Windowsのインストール

Windows XPにVMware for Windowsをインストール&環境設定する概略手順は次の通りです。

(1)VMware for Windows本体のインストール


(2)ゲストOS(Red Hat 7.3)用仮想マシン定義


3.ゲストOS(Red Hat 7.3)のインストールと環境設定

(1)ゲストOS(Red Hat 7.3)のインストール


(2)VMware Toolsのインストール

VMware ToolsをインストールするとVMware SVGAサーバが組み込まれるだけではなくWindowsとLinux間でのコピー&ペーストやゲストOSからホストOSへの操作のマウス切り替えがスムーズに行えるメリットがあります。


(3)X設定ファイルの変更

VMware Tools導入後、startxでGNOME画面が表示されます。
しかしキーボードは日本語106キーボードではなくなるし、マウスの3ボタンエミュレーションも無効になっています。
そこで/etc/X11/XF86Config-4の中身を変更します。
XF86Config-4はXF86Config-4.vmへのシンボリックリンクになっていますのでXF86Config-4.vmを次のように変更します。


(4)グラフィカルログインの設定

/etc/inittabを次のように変更します。
変更前:id:3:initdefault:
変更後:id:5:initdefault:


(5)ログイン時のVMware Toolsの自動起動設定


(6)蛇足:Mozillaの日本語化(これはVMwareと関係ありません...)

Mozillaの[View]-[Languages and Webcontent]を起動し、<Download More>をクリックします。
Mozillaのバージョンに合ったJapanese Language packとJapanese Content Packをインストールします。
Mozillaを再起動し再度[View]-[Languages and Webcontent]でJP RegionとJapaneseを選択します。
再度Mozillaを起動するとメニュー等が日本語表示されます。


4.Sambaの利用

(1)Sambaの設定

Mozillaでhttp://localhost:901を開くとSWATのログイン画面が出ますのでrootでログインします。
SWATの画面でSambaユーザ/パスワードや共有情報を設定します。
/etc/xinetd.d/swatの設定を変えれば別マシンのWebブラウザからのSWAT画面表示も可能となります。

尚、Webブラウザ組み込みのRealOne PlayerからもSWAT操作ができるようです。


(2)WindowsからのSambaサーバアクセス

WindowsからSambaサーバ経由でLinux側のファイルを読み書きできるわけですが、Windowsのローカルディスクのように(WindowsエクスプローラからLinuxファイルシステムを操作)できます。


(3)LinuxからWindows NTFSへの書き込み

Windows NTFS上に共有ディレクトリを設定すればLinux側からその共有ディレクトリへの書き込みができます。



5.ブータブルCDやブート用仮想FDの作成

VMware環境で起動ディスク(FD)からゲストOS(Red Hat 7.3)を起動するとブート時間が長くなります。
そこで起動ディスクからブータブルCDを作成してそのCDからブートするとゲストOS(Red Hat 7.3)のブート時間が短縮されます。

起動ディスク(FD)からのブータブルCD作成手順は次の通りです。
しかし毎回ブータブルCDをCD-ROMドライブにセットするのはちょっと面倒です。
そこでブート用の仮想FDを作成し実際のCDやFDを使わずにブートする方法を次に紹介します。



6.その他

(1)Windows上でのLinuxアプリ利用

VMware環境下で動作しているLinuxにインストールされているXアプリケーションは、Windows用Xサーバを介してあたかもWindowsアプリのように操作することができます。

下の画面はWindows上でLinuxのNautilus(ファイルマネジャ)を単独利用している様子で、エクスプローラと同じファイルをプレビューしているところです(ここでのXサーバはASTEC-X 3.21を使用)。



実寸画像はこちらです。


(2)マルチゲストOS

VMwareの[ファイル]-[新規]-[新しいウィンドウ]で別のVMwareウィンドウを表示し、別のゲストOSを起動できます。
LinuxとPlan9を同時に使った例はこちらです。