BrandZの環境

Solarisの仮想OS環境構築のフレームワークであるBrandZ(旧Janus)が2005年12月13日にリリースされました。
BrandZの初期バージョンで仮想OSとしてサポートされているLinuxは以下の通りです(カーネル2.4系に限定)。
・Red Hat Enterprise Linux 3 AS/ES/WS Update 5,6,7,8
・CentOS 3 Update 5,6,7,8
※BrandZではWindowsを仮想OSとしてインストール・実行することはできません(QEMUではそれが可能です)。

Solarisコンテナを応用したBrandZは以下の特徴を持ちます。


ここではOpenSolaris(Solaris Express Developer Edition Nevada Build 64a - 64bit) 上のBrandZ環境でのCentOS 3 Update 5(CentOS 3.5)利用手順について紹介します。
更にVine Linux 3.1をBrandZ環境へ移行させる手順についても紹介します。


(1)OpenSolarisでのCentOS 3.5用BrandZ環境の作成

OpenSolarisには最初からBrandZ利用に必要なファイルが揃っています。
このため、いきなりゾーン(仮想OS環境)のディレクトリ作成から始められます。
# mkdir -p /export/zone/centos35

以下はCentOS 3.5用ゾーン(centos35)の作成手順です。
# zonecfg -z centos35
centos35: そのような構成済みゾーンはありません
'create' を使用して、新しいゾーンの構成を開始してください。
zonecfg:centos35> create -t SUNWlx
zonecfg:centos35> set zonepath=/export/zone/centos35
zonecfg:centos35> set autoboot=true
zonecfg:centos35> add net
zonecfg:centos35:net> set address=仮想OSのIPアドレス/24
zonecfg:centos35:net> set physical=iprb0 ※ここではホスト側ネットワークインタフェースを指定します。
zonecfg:centos35:net> end
zonecfg:centos35> verify
zonecfg:centos35> commit
zonecfg:centos35> exit
#



(2)CentOS 3.5のインストール

仮想OSのインストールは極めてシンプルです(仮想OS自体のインストーラは使用しません)。
※仮想OS別インストールのされ方は/usr/lib/brand/lx/distros/centos3x.distroに記載されています。
インストールCDをセットしてzoneadm用仮想OSインストーラを起動するだけです。



(3)CentOS 3.5の起動とコンソール利用




(4)CentOS 3.5のGUI操作

zoneadmによる仮想OSインストーラを起動してインストールされるパッケージの一覧はこちらです。

日本語関連のパッケージが少ないため追加インストールします。
# yum install fonts-ja ttfonts-ja kinput2-canna-wnn6

vnc-serverパッケージがインストールされていることを確認し、かつ一般ユーザに切り替えて以下のコマンドを指定します。

$ vncserver :1

ホスト側にVNCクライアントを導入してVNC接続します。
デフォルトではtwmというディスプレイマネジャが起動されます。
そのディスプレイマネジャの代りに別のディスプレイマネジャ(例えばGNOME用)を使用すれば通常の統合デスクトップ環境が利用できるようになります。
※Mozillaの動作が不安定になって2回目からの起動ができなくなったためlynxというテキストブラウザを使用してみました。



[補足事項]
(a)今回のOpenSolars(64bitモード)のBrandZ環境CentOS 3.5ではxinetdの起動ができず、VNC経由でXDMCP接続する確認はできませんでした。
(b)OpenSolars(64bitモード)のBrandZ環境CentOS 3.8でもxinetdの起動ができませんでした。尚、Mozillaは安定していました。




(4)BrandZでのVine Linux 3.1の実行

BrandZはVine Linux 3.1を正式サポートしていません。
しかし既存のVine Linux 3.1をBrandZ環境にマイグレーションして実行することができます。
ここではその手順を紹介します。