Intel MacでのUSB接続デバイスからのマルチブート環境の構築

Macマシン(Intel Mac)でUSB接続デバイス(USBメモリ含む)からWidndowsをブートする代表的な方法としては以下の方法があります。
(ここでのWindowsはWindows 8.1系, Windows 10 Technical Preview系を指します)



■ 今回構築したマルチブート可能USBディスクの構成

今回は500GBのUSBディスクを用意して以下の流れでIntel Mac(MacBook Pro 17インチ版)でマルチブートできる環境を構築しました。
尚、インストールしたOSはすべて64ビット版で、Windows 8.1 Enterpriseについては評価版を使用しました。
[今回のマルチブート対象OS]
・Windows 10 Technical Preview
・Windows 8.1 EnterpriseのWindows To Go ワークスペース
・Windows 8.1 Pro
・Windows 10 Technical Preview for EnterpriseのWindows To Go ワークスペース
・Ubuntu 14.04
・「BOOT革命/USB Ver.5」でエクスターナルインストールしたWindows 8.1 Pro

(1)Hyper-Vの第2世代仮想マシンの仮想ディスクとして割り当てたUSB接続ディスクへのWindows 10 Technical Previewのインストール。
このUSB接続ディスクを以降では「マルチブート母艦USBディスク」と呼ぶことにします。
マルチブート母艦USBディスクに複数のOSのVHD/VHDX形式ファイルを格納することでマルチブートが可能となります。
マルチブート母艦USBディスクはUEFI対応のマザーボードを搭載したDOS/VマシンでUSBデバイスからのブートが可能であればそのマシンでも利用できます。
更にマルチブート母艦USBディスクはHyper-VやVMwareなども含めた様々な実行環境で利用できますので「どこでも利用できるマルチブート母艦USBディスク」と言えます。
尚、マルチブート母艦USBディスクにインストールしたWindows 10 Technical Previewを「マルチブート母艦OS」と呼ぶこともあります。
(2)Windows To Go ワークスペースの格納先として割り当てたUSB接続デバイスにWindows 8.1 EnterpriseをインストールしてそのUSB接続デバイスをVHDファイル化したファイルをマルチブート母艦USBディスクにコピー。
マルチブート母艦USBディスクを使用してVHDブートするVHD/VHDX仮想ディスクの容量(ファイルサイズではありません)はマルチブート母艦USBディスクの容量より大きいとVHDブートができませんのでマルチブート母艦USBディスクの容量より小さい容量のVHD/VHDX仮想ディスクを使用する必要があります。
(3)Hyper-Vの第2世代仮想マシンの仮想ディスクとして割り当てたVHDXファイルにWindows 8.1 ProをインストールしてそのVHDXファイルをマルチブート母艦USBディスクにコピー。
(4)Windows To Go ワークスペースの格納先として割り当てたUSB接続デバイスにWindows 10 Technical Preview for EnterpriseをインストールしてそのUSB接続デバイスをVHDファイル化したファイルをマルチブート母艦USBディスクにコピー。
(5)マルチブート母艦USBディスクへのUbuntu 14.04のインストール。
(6)「BOOT革命/USB Ver.5」のエクスターナルインストール機能でWindows 8.1 ProをインストールしてそのUSBメモリをVHDファイル化したファイルをマルチブート母艦USBディスクにコピー。

マルチブート母艦USBディスクからマルチブート母艦OS(Windows 10 Technical Preview)をブートした際に表示されるOSの選択画面(Choosw an operating system)に表示するOS名含めたマルチブートローダの設定はすべてbcdeditコマンドで実施しました。
下記はマルチブート母艦OS(Windows 10 Technical Preview)をブートした際に表示されるOSの選択画面です(Macの画面を撮影したものです)。




以下に今回構築したマルチブート可能USBディスクの構築の流れをもう少し補足してそれぞれの概略を説明します。

  1. Hyper-Vの第2世代仮想マシンの仮想ディスクとして割り当てたUSB接続ディスクへのWindows 10 Technical Previewのインストール
    (1)Hyper-V Server(Hyper-V Server 2012 R2)マシンに500GBのUSB接続ディスク(これがマルチブート母艦USBディスクとなります)をセットしてオフラインにします(オンライン状態ではHyper-Vで利用できません)。
    (2)Hyper-Vで仮想マシンを次のように定義します。
    ・仮想マシン名:HVSUSBWin10TP-G2
    ・世代:第2世代
    ・起動メモリ:2048MB
    ・ネットワーク接続のスイッチ:仮想スイッチ1 ※ここでの仮想スイッチ1は外部接続用のスイッチです
    ・仮想ハードディスク:[後で仮想ハードディスクを接続する]:offからonに変更
    (3)仮想マシンの「設定」で以下の追加指定を行います。
    ・ファームウェアで[セキュアブートを有効にする]:onからoffに変更
    ・SCSIコントローラにハードドライブを追加して物理ハードディスクとして500GBのUSB接続ディスクを選択
    ・更にSCSIコントローラにDVDドライブを追加してWindows 10 Technical PreviewのDVDイメージファイル(WindowsTechnicalPreview-x64-EN-US.iso)を指定
    ・ファームウェアのブート順の先頭にDVDドライブを設定



    (4)仮想マシンを起動してWindows 10 Technical Previewをインストールして動作確認します(デスクトップ例)。
    (5)ここで使用した500GBのUSB接続ディスクをIntel Macに接続してEFI BootすればWindows 10 Technical Previewがブートされます。
    (6)Windows 10 Technical Preview対応のBOOTCAMPソフトウェアはリリースされていないためWindowsの旧バージョンの互換モードでBOOTCAMPソフトウェアをインストールします。
    (7)Startボタンの右クリックメニューから[Disk Management]を起動するとIntel Mac(MacBookPro 17インチ)の内蔵HDD(500GB)も同時に表示されます。
    (8)Intel Macで動作しているWindows 10 Technical Previewの様子;



    ・実寸画像はこちらです。

  2. Windows To Go ワークスペースの格納先として割り当てたUSB接続デバイスにWindows 8.1 EnterpriseをインストールしてそのUSB接続デバイスをVHDファイル化したファイルをマルチブート母艦USBディスクにコピー
    (1)マルチブート母艦USBディスクの容量より小さい容量のUSB接続デバイス(USBメモリの場合はWindows To Go対応のもの)を用意します。
    (2)Windows 8.1 EnterpriseのマシンにそのUSB接続デバイスをセットします。
    (3)ディスクの管理でUSB接続デバイス中の既存のパーティションをすべて削除します。
    (4)USB接続デバイス全体が未割り当て状態にしてから[新しいシンプルボリューム]でディスク全体を一つのパーティションにしてクイックフォーマットはoffで完全フォーマットします。
    完全フォーマットすることによってqemu-img convertで作成されるVHDファイルサイズを小さくすることができます。
    (5)DVDドライブにWindows 8.1 EnterpriseのインストールDVDをセットします。
    (6)コントロールパネルのWindows To Goを起動します。
    (7)USB接続デバイス一覧が表示されますのでWindows To Go ワークスペースを作成するUSB接続デバイスを選択します。
    (8)「Windows 8.1 イメージの選択」画面ではWindows 8.1 Enterpriseを選択します。
    ※ちなみにWindows 10 Technical Preview for EnterpriseのインストールDVDをセットすると「Windows 8.1 イメージの選択」画面には「Windows Technical Preview for Enterprise」が表示されます。
    (9)「BitLocker パスワードの設定(オプション)」画面では<スキップ>をクリックします。
    (10)「Windows To Go ワークスペースを作成する準備ができました」画面で<作成>をクリックするとWindows To Go ワークスペースの作成が開始されます。
    (11)「Windows イメージを適用しています」画面に進捗状況が表示されます。



    (12)「ブートオプションを選択してください」画面ではデフォルトの<いいえ>をクリックします。
    (13)Windows To Go ワークスペースを作成したUSB接続デバイスの先頭パーティションは350MBのFAT32形式のEFIパーティションになっています。
    そのEFIパーティションにはBOOTフォルダ、EFIフォルダ、bootmgr、BOOTNXTがインストールされています。
    (14)続いてWindows To Go ワークスペースを格納したUSB接続デバイスを起動してWindowsセットアップ(地域と言語の設定、パーソナル設定、アカウント設定、SkyDrive設定)を行います。
    Windowsセットアップを行う方式はいくつかあります。
    ・Hyper-Vの第1世代の仮想マシン環境で仮想ハードディスクにUSB接続デバイスを割り当ててWindowsセットアップを行う方式。
    ・VMwareの仮想マシン環境で仮想ハードディスクにUSB接続デバイスを割り当ててWindowsセットアップを行う。
    ・UEFI対応のマザーボードを搭載したDOS/VマシンでUSBデバイスからのブートが可能なマシンでWindowsセットアップを行う方式。
    ・Intel MacにUSB接続デバイスを割り当ててWindowsセットアップを行う方式。
    Windowsのセットアップ中にインターネット接続が確実に行えることを考えるとIntel MacでのWindowsセットアップは避けた方が無難です。
    今回はWindows 8.1 EnterpriseのクライアントHyper-Vの仮想マシンでWindowsセットアップを行ってみました。



    ・実寸画像はこちらです。
    Windowsセットアップの最初の「地域と言語」画面で日本語指定を行っても英語キーボードレイアウトになっていますのでWindowsセットアップ終了後にデバイスマネジャでキーボードのデバイスを「日本語 PS/2 キーボード (106/109)」に変更して再起動します。

    (15)Windows To Go ワークスペースのデスクトップ画面例;



    ・実寸画像はこちらです。

    (16)Windows To Go ワークスペースでのストアアプリのインストール例;



    ・実寸画像はこちらです。

    (17)Intel MacでもWindows To Go ワークスペースをインストールしたUSB接続ディスクを利用できます。
    Windowsセットアップ直後はWindowsライセンスは認証済みの状態ですがIntel MacでUSB接続ディスクからWindows 8.1 Enterpriseを起動すると「Windowsはライセンス認証されていません。」という状態になります。
    インターネット接続できる環境であることを確認してシステム画面の[Windowsのライセンス]をクリックしてフルスクリーンで表示される「Windowsライセンス認証」画面で[ライセンス認証]をクリックするとすぐに「これで完了です。」と表示されます。



    (18)Intel MacでのWindows To Go ワークスペースのデスクトップ例;
    ・[システム情報]でのシステムモデルは「MacBookPro5,2」と表示されます。
    ・[ディスクの管理]ではMacマシンの500GBの内蔵ハードディスクは「オフライン」扱いとなります(母艦マシンのデータ保護のためのようです)。
    ・BOOTCAMPソフトウェアをインストールする前のデバイスマネジャでのネットワークアダプタは「NVIDIA nForce Networking Controller」ですがそれが「NVIDIA nForce 10/100/1000 Mbps Ethernet」に変更表示されます。



    (19)VMware WorkstationでもWindows To Go ワークスペースのUSB接続ディスクを使用できます。
    Windows 8.1 Enterprise上のVMware Workstation ver.10で仮想マシン(VMWTGUSBW81E)を作成してWindows To Go ワークスペースのUSB接続ディスクを使用してみました。
    クライアントHyper-Vのハイパバイザが起動されている場合はVMware Workstationの仮想マシンを起動できませんので「hypervisorlaunchtype off」指定のブートメニュー(例:「Windows 8.1 (for VMware)」をbcdeditで追加してそれを使用します。
    ・「新しい仮想マシン作成ウィザード」でのディスク設定で[物理ディスクを使用]をonにすればデバイスでPhysicalDrive1(USB接続ディスク)が選択できます。
    ・USB接続ディスクを使用する仮想マシンを起動するとホスト側ではそのUSB接続ディスクのドライブ文字が消えるようです。
    ・VMware Toolsをインストールする前のデバイスマネジャでのディスプレイアダプタは「Microsoft基本ディスプレイアダプタ」ですがそれが「VMware SVGA 3D」に変更表示されます。
    ・MacマシンでWindows To Go ワークスペースを使用した際にライセンス認証をし直しましたが、その後でVMware Workstationで同じWindows To Go ワークスペースを使用する場合VMware Toolsのインストール有無に関わらずライセンス認証された状態のままでした。



    ・実寸画像はこちらです。

    VMware WorkstationでWindows To Go ワークスペースを実行した場合でも「USBドライブを接続したままにしてください」という警告が表示されます。

    ちなみにVMware WorkstationではゲストOSにUSBメモリ全体を一つのデバイスとして割り当てる機能がありますがゲストOS側のディスク管理ではあくまでも「リムーバル」ではなく「ベーシック」となります(ゲストOSでは「USBメモリ」としては認識されません)。
    このためマルチパーティション化されたUSBメモリはホスト側のWindowsからは第2パーティションへのドライブ文字の割り当てはできませんが、ゲストOS側ではそのUSBメモリの第2パーティションへのドライブ文字の割り当てができてパーティションコピーやデータコピー等の操作も可能となります

    (20)VMware Workstation ver.10と互換性を持つ(Mac OS X用)VMware Fusion 6.0.5でも仮想マシンにUSB接続ディスクを割り当てる機能はないようです(Windows 8.1をインストールして使用することは可能)。
    (21)Windows To Go ワークスペースにVMware Tools導入後のMacマシンで再実行した場合、起動中に「デバイスを準備しています」が表示されます(xx%表示はありません)。
    またライセンス認証されたままの状態でした。
    VMware Tools導入後のWindows To Go ワークスペースをMacマシンで実行したデスクトップ例

    (22)Windows To Go ワークスペース用USB接続デバイスをqemu-img convertでVHDファイル化してそのファイルをマルチブート母艦USBディスクにコピーします。

  3. Hyper-Vの第2世代仮想マシンの仮想ディスクとして割り当てたVHDXファイルにWindows 8.1 ProをインストールしてそのVHDXファイルをマルチブート母艦USBディスクにコピー
    (1)Windows 8.1 Pro(64ビット版)のDVDイメージファイルを作成します。
    今回はLinux上でddコマンドを使用してisoファイルを作成しました。
    (2)Hyper-Vで仮想マシンを次のように定義します。
    ・仮想マシン名:HVSW81Prox64-G2
    ・世代:第2世代
    ・起動メモリ:2048MB
    ・ネットワーク接続のスイッチ:仮想スイッチ1 ※ここでの仮想スイッチ1は外部接続用のスイッチです
    ・仮想ハードディスク:HVSW81Prox64-G2.vhdx(容量:デフォルトの127GB)
    (3)仮想マシンの「設定」で以下の追加指定を行います。
    ・ファームウェアで[セキュアブートを有効にする]:onからoffに変更
    ・SCSIコントローラにDVDドライブを追加してWindows 8.1 Pro(64ビット版)のDVDイメージファイルを指定
    ・ファームウェアのブート順の先頭にDVDドライブを設定
    (4)第2世代仮想マシンはBIOSモードがUEFIになります。
    (5)仮想マシンを起動してWindows 8.1 Pro(64ビット版)をインストールします。
    (6)Windows 8.1 Pro(64ビット版)をインストールすると仮想ハードディスクのパーティションは以下のようになります。
    ・第1パーティション:回復パーティション(GPTパーティション)
    ・第2パーティション:EFIシステムパーティション
    ・第3パーティション:Windows 8.1(64ビット版)本体がインストールされたパーティション
    (7)第2世代仮想マシンにインストールされたWindows 8.1 Pro(64ビット版)のデスクトップ例;



    ・実寸画像はこちらです。

    (8)容量127GBのVHDXファイル(HVSW81Prox64-G2.vhdx)をマルチブート母艦USBディスクにコピーします。

  4. Windows To Go ワークスペースの格納先として割り当てたUSB接続デバイスにWindows 10 Technical Preview for EnterpriseをインストールしてそのUSB接続デバイスをVHDファイル化したファイルをマルチブート母艦USBディスクにコピー
    Windows 10 Technical Preview for Enterprise用Windows To Go ワークスペースの作成手順はWindows 8.1 Enterprise用Windows To Go ワークスペースの作成手順と同様です。
    以下にWindows 10 Technical Preview for Enterprise用Windows To Go ワークスペースの作成上のポイントだけを示します。
    ※Windows 10 Technical Preview for Enterprise用Windows To Go ワークスペースの詳細についてはHyper-V Server 2012 R2環境でのWindows To Go ワークスペースの利用例(Windows 10 Technical Preview for Enterprise編)を参考にして下さい。
    (1)マルチブート母艦USBディスクの容量より小さい容量のUSB接続デバイス(USBメモリの場合はWindows To Go対応のもの)を用意します。
    ※補足:VHDブートする場合、そのVHDファイルの容量よりも大きな空き領域がないとそのVHDファイルからのVHDブートができません(空き領域が少ないとVHD_BOOT_HOST_VOLUME_NOT_ENOUGH_SPACEエラーとなります)。
    今回は32GBのSilicon HardDisk USB Deviceを使用しました。
    (2)「Choose a Windows Technical Preview image」画面ではWindows Technical Preview for Enterpriseが自動選択されています。
    (3)「Ready to create your Windows To Go workspace」画面で<Create>をクリックするとWindows To Go ワークスペースの作成が開始されます。
    (4)「Applying Windows image」画面に進捗状況が表示されます。
    (5)Windows To Go ワークスペースの作成完了後はそのWindows To Go ワークスペースを格納したUSB接続デバイスを起動してWindowsセットアップ(Region and langugaeの設定、OneDrive設定、アカウント設定)を行います。
    Windowsセットアップを行う方式はいくつかありますがMacマシン以外でWindowsセットアップを行うのがお勧めです。
    (6)ライセンス認証で使用するプロダクトキーはTechnet Evaluation CenterのWindows 10 Technical Preview for Enterpriseのダウンロードサイトに記載されている「PBHCJ-Q2NYD-2PX34-T2TD6-233PK」を使用します。
    インターネット接続できる環境であることを確認してSystem画面の[Activation Windows]をクリックして「Activate Windows」ページを開きProduct keyを入力すれば「Thanks, you're all done.」と表示されます。
    (7)Windows 8.1の場合と違ってWindows 10 Technical Preview(for Enterprise)でのWindows SetupではPC名の設定画面は出てきませんのでWindows Setup完了後にPC名を設定します。
    今回はPC名を「WTGWin10TPE」としました。
    (8)今回使用したUSB接続デバイス(32GBのSilicon HardDisk USB Device)をVHDファイル化したものをマルチブート母艦USBディスクにコピーします。

  5. マルチブート母艦USBディスクへのUbuntu 14.04のインストール
    (1)マルチブート母艦USBディスクにEFIブートパーティション(/boot/efiのマウントポイント用パーティション)、swap用パーティション、ルート用パーティション(/のマウントポイント用パーティション)を作成してUbuntu 14.04をインストールします。
    (2)今回は上述した第2世代仮想マシン(HVSUSBWin10TP-G2)の1番目のハードドライブとしてダミーの仮想ハードディスクを割り当てて、更に2番目のハードドライブとしてマルチブート母艦USBディスクを割り当ててそのUSBディスクが/dev/sdbとして認識されるようにしました。
    (3)Ubuntu 14.04インストール時のパーティショニングメニューではマルチブート母艦USBディスクの第2パーティションにあるEFIシステムパーティション(/dev/sdb2)の利用方法は[パーティションを使わない]に設定します。
    尚、ブートローダをインストールするデバイスは/dev/sdbに変更します。
    下記はインストール中の様子です。



    (4)MacマシンでのUbuntu 14.04の利用手順は以下の通りです。
    ・rEFItツールをインストールしたUSBメモリを用意します(詳細略)。
    ・rEFItツールをインストールしたUSBメモリをIntel Macに接続します。
    ・Ubuntu 14.04をインストールしたマルチブート母艦USBディスクをIntel Macに接続します。
    ・Intel Macの電源をオンにします。
    ・電源オンのサウンドが鳴ってからoptionキーを押し続けます。
    ・rEFIt及びEFI Bootアイコンが表示されます。



    ・rEFItのアイコンを選択して上矢印ボタンをクリックします。
    ・「rEFIt - Main Menu」で[Boot EFI\ubuntu\shimx64.efi from]を選択してEnterキーを押します。
    ・GRUBメニューで[Advance options for Ubuntu]を選択してEnterキーを押します。
    ・更に[Ubuntu, with Linux 3.13.0-24-generic]を選択してEnterキーを押します。



    ・ログインサウンドと共にログイン画面が表示されますのでインストール時に設定したユーザでログインします。
    ・rootユーザでグラフィカルログインできるように設定します。
    ・rootでログインし直します。
    ・rootユーザ用のデスクトップが表示されます。
    ・dmesgコマンドで「MacBookPro5,2」という表示を確認できます。
    ・rEFItをインストールしたUSBメモリも接続しているためUbuntuをインストールしたマルチブート母艦USBディスクは自動的に/dev/sdcに変更されています(GParted参照)。



    ・実寸画像はこちらです。

  6. 「BOOT革命/USB Ver.5」のエクスターナルインストール機能でWindows 8.1 ProをインストールしてそのUSBメモリをVHDファイル化したファイルをマルチブート母艦USBディスクにコピー
    「BOOT革命/USB Ver.5」のキャッチフレーズは「USBハードディスク/メモリーで"どこでも起動"」です。

    (1)「BOOT革命/USB Ver.5」をインストールしたWindowsマシンに32GBのUSBメモリを接続します(Windows To Go対応有無は関係ありません)。
    (2)Arkランチャを起動します。
    (3)[起動用デバイスの作成]の[エクスターナルインストール]をクリックします。
    (4)Windows 8.1 ProのインストールDVDをDVDドライブにセットします。
    (5)[エクスターナルインストール]をクリックします。
    (6)「ドライバのデータベースを作成しますか?」という質問が出てきた場合は<はい>をクリックするとSDBManagerが起動されてデバイスドライバの標準データベース(hdcBootRepair.sdb)が作成されます(その所在は特に意識する必要はありません)。
    (7)「インストールするOSの選択」ではWindows 8.1 ProのインストールDVDをセットしたDVDドライブ(通常は[D:\])を選択します。
    (8)「インストールするエディションの選択」では[Windows 8.1 Pro]を選択します。
    (9)「インストール先の選択」ではセットしたUSBメモリのドライブを選択します。
    (10)「USBデバイスから起動時に使用する名前とパスワードを設定してください」では名前は「bootusb」(仮称)を設定し、パスワードは設定しません(パスワードを設定するとMacマシンでのブートでトラブルが発生することがあります)。



    (11)<開始>をクリックします。
    (12)ドライブのフォーマット、アクティブフラグの設定、Windows 8.1 proのファイルのコピーが実行されます。
    (13)「処理完了」と表示されます。
    (14)USBメモリは単独のパーティション構成となります(EFIフォルダは作成されません)。
    (15)Windowsセットアップは以下の手順で行います。
    ・「BOOT革命/USB Ver.5」をインストールしたWindowsマシンにWindows 8.1 ProをインストールしたUSBメモリを接続します。
    ・「BOOT革命/USB Ver.5」のUSB起動CDからマシンをブートします。
    ・「Press any key to boot from USB Device」でEnterキーを押します。
    ・「Enter Password」で何も入力せずにEnterキーを押します。
    ・「Please choose(Press "Enter" key for confirm)」でEnterキーを押します。
    ・Windows Boot ManagerでWindows 8.1が表示されてそれが起動されます。
    ・「デバイスを準備しています」、「デバイスを準備しています(xx%)」、「準備しています」が表示された後に自動再起動されます。
    ・再度「Press any key to boot from USB Device」、「Enter Password」、「Please choose(Press "Enter" key for confirm)」で上記と同じ操作をします。
    ・「まずは基本項目を確認しましょう」と表示されて「パーソナル設定」、「設定」、アカウントセットアップ、「PCの設定」、「SkyDrive」という流れでセットアップを行こないます。
    ※Windows To Goのセットアップと違って[エクスターナルインストール]でインストールしたWindowsのセットアップでは日本語レイアウトのキーボード設定になっています。
    (16)USBメモリをVHDファイル化すればそのファイルをHyper-Vの仮想マシンで使用できます(USB起動CDのイメージファイルからブートするように設定しておきます)。
    ※Hyper-Vの仮想マシンでのブートの流れはWindowsマシン実機の場合と同じです。



    (17)[エクスターナルインストール]で使用したUSBメモリをIntel Macに接続してブートする手順は冒頭で述べた「「BOOT革命/USB Ver.5」のエクスターナルインストール機能でWindowsをインストールしたUSB接続デバイスを使用する方法」を参照して下さい。
    (18)[エクスターナルインストール]で使用したUSBメモリをVHDファイル化したもの(今回はbootusbw81prox64.vhdファイル)をマルチブート母艦USBディスクにコピーします。


■ 今回構築したマルチブート可能USBディスクのIntel Macでの利用

  1. マルチブート可能USBディスクのパーティション構成確認
    Mac OS Xのディスクユティリティでマルチブート可能USBディスクのパーティション構成を確認してみました。



  2. 「Choose an operating system(オペレーティングシステムの選択)」画面に表示するエントリの作成
    Intel Macでマルチブート可能USBディスクをブートしてWindows 10 Technical Previewを起動します。
    Windows 10 Technical Preview上でbcdeditコマンドを使用して以下のブートエントリを定義します。
    ・Windows Technical Preview(これは自動生成されています)
    ・WTG Windows 8.1E ※Windows 8.1 EnterpriseのWindows To Goワークスペース
    ・Windows 8.1 Pro ※Hyper-Vの第2世代仮想マシンにインストールしたWindows 8.1 Pro
    ・WTG Windows 10TPE ※Windows 10 Technical Preview for EnterpriseのWindows To Goワークスペース
    ・BOOTUSB Windows 8.1Pro ※「BOOT革命/USB Ver.5」でエクスターナルインストールしたWindows 8.1 Pro
    bcdeditは以下のように使用します。
    bcdedit /copy {current} /d "エントリ名称"
    bcdedit /set {copyで新たに作成されたid} device vhd=[C:]\VHD/VHDXファイルのパス
    bcdedit /set {copyで新たに作成されたid} osdevice vhd=[C:]\VHD/VHDXファイルのパス



  3. 各OSの起動方法

■ VMware Workstationによるマルチブート可能USBディスクの作成について

上記ではHyper-Vの第2世代仮想マシンの仮想ディスクとして割り当てたUSB接続ディスクをマルチブート可能USBディスクとして利用しました。
しかしVMware WorkstationのEFI仮想マシンにUEFIモードでWindowsをインストールしたUSB接続ディスクもマルチブート可能USBディスクとして利用することもできます。
VMware WorkstationのEFI仮想マシンにUEFIモードでWindowsをインストールする例はこちら(VMware WorkstationのEFI仮想マシンの利用)をご参照覧下さい。