Mac OS X とLinuxの連携
2003年10月25日にMac OS X v10.3(Panther)がリリースされました。
このMac OS X v10.3のDarwinにはFreeBSD 5の機能も取り込まれているとのことです。
ここではMac OS X v10.3とLinuxの連携例を紹介します。
尚、ここで使用したLinuxディストリビューションはTurbolinux 10 Desktopです。
■ Mac OS X v10.3について
2000年10月21日にMac OS X Public Beta日本語版がリリースされました。
それから3年を経てリリースされた今回のMac OS X v10.3はMac OS Xのメジャーアップグレード版となっています。
X11 for Mac OS XがMac OS X v10.3に標準装備されたことでLinuxとの連携も一層実現しやくすなっています。
(1)デスクトップ
デスクトップの外観自体は従来バージョンからほとんど大きな変化はありません。
Finderは使い勝手が多少向上しているようです。
デスクトップ上でFont BookやSafari(Webブラウザ)を使ってみました。
下記のデスクトップ画面の左上にあるウィンドウはInterface Builderでデザインした画面のテスト用画面です。
実寸画像はこちらです。
Safariは標準でJava対応になっています。
ついでにSafariでJavaアプレット利用による回線速度も測定してみました(有線LANでもあまり良好な結果ではありませんがAirMac Extremeカード使用時よりは快適です)。
(2)Darwinのバージョン確認
DarwinのKernelバージョンは7.2.0です。
■ Apache(Webサーバ)について
Mac OS XのWebサーバはApacheを使用しています。
Apaheの起動はシステム環境設定の「共有」におけるパーソナルWeb共有の起動で行えます(コマンドによる起動もできます)。
■ Mac OS XのSamba利用
(1)Mac OS X側でのSamba設定
Mac OS Xでの標準のSambaの設定はユーザのホームディレクトリの公開に限定されています。
そこで大胆にもルートファイルシステム全体をSambaで公開するように/etc/smb.confのpublicセクション内容をrootユーザになって変更してみました。
Sambaサーバの再起動は「smbd restart」で行えます(システム環境設定の「共有」からもGUI操作で行えます)。
(2)LinuxからのMac OS Xアクセス
- Turbolinux 10 Desktopのデスクトップ上にあるWindowsネットワークアイコンを開きます。
- アドレス欄に「smb://Mac側マシン名」を入力します。
- 認証ダイアログでMac OS X側に登録されているユーザ名/パスワードを指定します。
- するとKonquerorにMac OS X側の共有リソースが表示されます。
- ここで大胆にpublicをダブルクリックします。
- Mac OS X側のルートファイルシステムが全部見えてしまいます。
実寸画像はこちらです。
- Turbolinux 10 Desktop側からMac OS Xのファイル更新も行えます。
- ちなみにユーザのホームディレクトリを開くとこんな表示になります。
(3)Mac OS XからのLinuxリソースアクセス
Mac OS XのSambaクライアント機能を使ってLinux側のSamba共有リソースをアクセスできます。
共有リソースへのアクセスはFinderの[移動]−[サーバへ接続]でサーバアドレスとして「smb://Linuxマシン名」を指定すればOKです。
接続ができればFinder内に共有リソース名が表示されます。
共有リソースをダブルクリックするとその共有リソースがマウントされ、そのリソースを使用できるようになります。
デスクトップ上に共有リソースのアイコンが表示されます。
Mac OS X側からTurbolinux 10 Desktop標準の壁紙をアクセスしてみました。
接続を切る場合は共有リソースのアイコンのコンテキストメニューから「取り出し」で参照解除できます。
もちろんMac OS X(Samba)とWindows間での相互アクセスもできます。
■ X11 for Mac OS Xの利用
X11 for Mac OS XはAppleでXFree86をカスタマイズしたXウィンドウシステムです。
Mac OS X v10.3ではX11 for Mac OS Xが標準装備となりました。
- X11 for Mac OS X付属のプログラム
X11 for Mac OS Xをインストールすると/usr/X11R6/binに137個のプログラムが格納されます。
X11 for Mac OS X付属のXアプリケーション自体(xcalc,xclock,xedit,xeyes,xlogo,xterm等)の種類は非常に少ないです。
しかしLinuxとの連携によりLinux上のXアプリケーションをX11 for Mac OS X上で簡単に操作できるようになります。
- X11 for Mac OS Xのバージョン確認画面
- X11 for Mac OS Xのプリファレンス設定
X11 for Mac OS Xの動作モードにはフルスクリーンモードとルートレスモードがあります。
Mac OS XアプリとXアプリを混在させて使用する場合はルートレスモードがお勧めです。
- Mac OS XからのLinux上のXアプリケーション操作
- konsole
- GIMP
- Mozilla
- StarSuite7のワープロソフト
- Mac OS XアプリとXアプリの混在デスクトップ
- FinkCommanderの利用
FinkCommanderを利用してGIMP,XMMS等のXアプリケーションをX11 for Mac OS X自体にインストールして利用してみました。
FinkCommanderを利用してインストールしたアプリケーションファイルは基本的に/sw/binや/sw/sbinに格納されます。
- GIMP
- XMMS(MP3プレーヤ)
XMMSでMP3ファイルを実際に再生するにはesoundパッケージもインストールしておき、XMMSの[Options]−[Preferences]で「Audio I/O Plugins」でのOutput Pluginとして「esound Output Plugin 1.2.8」を選択すればOKです。
- gv
gvはPostScriptファイルを見るツールです。
PostScriptファイルはMac OS X標準のプレビュー機能でも表示できますが、その場合はそのPostScriptファイルは/private/tmp下に一旦pdfファイルに変換されてから表示されます。
しかしgvではPostScriptファイルをダイレクトに表示することが可能です。
Linuxディストリビューション等に標準で付属するtiger.psというサンプルファイルを表示してみました。
- rxvt