SUSE LINUX 9.xシリーズ
SUSE LINUX 9.xシリーズのリリース経過及びその周辺の動きは以下の通りです。
- 2003年6月:独SuSE Linux社が企業向けデスクトップLinux「SuSE Linux Desktop」を発表
- 2003年8月:米国Novell社がデスクトップLinuxの米Ximianを買収
- 2003年10月:独SuSE Linux社がSuSE Linux Professional 9.0をリリース(国内ではTurbolinux 10 Desktopリリース)
- 2003年11月:Fedora Core 1リリース
- 2004年3月:米国Novell社が独SuSE Linux社を買収
- 2004年5月:Fedora Core 2リリース
- 2004年7月:Novell SUSE LINUX Professional 9.1日本語版リリース
- 2004年7月:Novell SUSE LINUX Enterprise Server 9(日本語対応)リリース(国内ではVine Linux 3.0リリース)
- 2004年11月:Fedora Core 3リリース(国内ではVine Linux 3.1リリース)
- 2004年12月:Novell SUSE LINUX Professional 9.2日本語版リリース
- 2005年1月:Novell Linux Desktop 9日本語版リリース
- 2005年4月:Novell SUSE LINUX Professional 9.3日本語版リリース
- 2005年6月:Fedora Core 4リリース
ここではコンシューマ用デスクトップ用途としてのSUSE LINUX 9.x(主にProfessional版)のそれぞれの環境について簡単に紹介します。
※デスクトップ用途と言ってもProfessional版にはApache, MySQL, BIND, NFS/Samba/FTPサーバ, Postfix等のサーバ系ソフトも付属しています。
0.SuSE Linux 9.0
- 特徴
SuSE Linux 9.0には32ビット版と64ビット版があります。
64ビット版はAthlon 64に対応しています。
ここで紹介するのは32ビット版です。
- 主なソフトウェアのバージョン
- Kernel:2.4.21
- GNOME:2.2
- KDE:3.1.4
- Mozilla:1.4
- OpenOffice.org:1.1.0
- Acrobat Reader:5.0.8
- RealPlayer:8.0.3
- GIMP:1.3.20
- XMMS:1.2.8
- ログイン画面(kdm)
- ウェルカム画面
ログインするとウェルカム画面が表示されます(各種情報へのリンク画面)。
この画面を表示しているコマンドはSuSEgreeterです。
- GNOMEデスクトップ環境
略。
- KDEデスクトップ環境
- KDEメニュー
- KDEデスクトップ
- 新規セッションの開始
KDEメニューに[新規セッションを開始]というメニュー項目があります。
これは現在のセッションからログアウトすることなく別ユーザのセッションを開始可能とする機能です。
KDEメニューの[新規セッションを開始]を選択すると「別のデスクトップセッションを開くことを選択しました。」という警告ダイアログが表示されます。
ここで<続行>を選択するとログイン画面が表示され、新しいユーザでログインできるようになります。
新しいユーザでのログイン後に、元のセッションに戻ることも簡単に行えます。
以下の画面は、rootユーザでYaSTを起動したまま別ユーザ(amber)のセッションを開始した画面です。
amberユーザのセッションの裏でrootでYaSTが起動されたままになっていることが確認できます。
- YaST
SuSE Linux 9.0のProfessional版には以下のサーバ設定用Yastモジュールが付属しています。
DHCPサーバ
TFTPサーバ
Sambaサーバ
HTTPサーバ
DNSサーバ
YaSTモジュールはKDEコントロールセンターにも統合されています。
- リリースノート
- アプリケーション
- Mozilla
- OpenOffice.orgのWriter
SuSE Linux 9.0付属のOpenOffice.org 1.1.0はSuSE Linux社でカスタマイズされていないものです。
- Acrobat Reader
- RealPlayer
- GIMP
- XMMS
XMMSでmp3ファイルを再生してみました。
1.SUSE LINUX 9.1
- 特徴
SUSE LINUX 9.1は米国Novell社が独SuSE LINUX社を買収して最初にリリースしたディストリビューションです。
※買収直後ということもあり「Novell」という表記は画面上ほとんど見られません。
UTF-8エンコードのデフォルト化により今後の多言語サポートが強化されるようです。
- 主なソフトウェアのバージョン
- Kernel:2.6.4
- GNOME:2.4.2
- KDE:3.2.1
- Mozilla Firefox:0.8
- OpenOffice.org:1.1.1
- Acrobat Reader:5.0.8
- RealPlayer:8.0.3
- GIMP:2.0.0
- XMMS:1.2.10
- インストーラ
- ようこそ画面
ようこそ画面は緑背景です。
- インストーラ起動メニュー
- インストール完了メッセージ(テキストモード)
- ブートメニュー
- ログイン画面(kdm)
- GNOMEデスクトップ環境
略。
- KDEデスクトップ環境
- KDEメニュー
- KDEデスクトップ
- ユーザ切替
kdebase3-kdmパッケージ(Ver 3.2.1)にはswitchuserというプログラムが含まれています。
このswitchuserはkdm上のKDEメニューに[ユーザ切替]([Switch User])として登録されています。
このユーザ切替は現在のセッションからログアウトすることなく別ユーザのセッションを開始可能とする機能です。
KDEメニューの[Switch User]を選択するとユーザ切替ダイアログが表示されます。
ここで「Create new session on screen xx」を実行するとkdm画面が表示されます。
ここで別ユーザでログインしてデスクトップ操作することが可能となります。
再び[Switch User]メニューを実行して元のユーザのデスクトップに戻すことも簡単にできます。
- YaST
YaSTはKDEコントロールセンターにも統合されています。
- ヘルプセンター
- アプリケーション
- Mozilla Firefox
- OpenOffice.orgのWriter
OLEオブジェクトの埋め込み機能はやはり便利です。
- Acrobat Reader
- RealPlayer
- GIMP
- XMMS
XMMSでmp3ファイルを再生してみました。
- Sambaクライアント
Sambaクライアントの環境設定はYaSTのネットワークサービスにおける[Sambaクライアント]で行います。
SUSE LINUX 9.1からWindows側の共有ディレクトリを以下のコマンドでマウントしてKonquerorでアクセスしてみました。
# smbmount //マシン名/共有名 /マウント先 -o username=アカウント,password=パスワード
2.SUSE LINUX 9.2
- 特徴
パッケージの細かいアップデートがされているようですがデスクトップ用途という点においては特筆すべき注目機能はあまりないようです。
しかしSUSE LINUX 9.2になってからは「Novell」という表記が画面上に見られるようになりました。
尚、XウィンドウシステムはX.orgに変更されています。
- 主なソフトウェアのバージョン
- Kernel:2.6.8
- GNOME:2.6
- KDE:3.3
- Mozilla:1.7.2
- Firefox:1.0 Preview Release
- Evolution:2.0.1
- OpenOffice.org:1.1.3
- Adobe Reader:5.0.9
- RealPlayer:10.0
- GIMP:2.0.4
- XMMS:1.2.10
- Samba:3.0.7
- インストーラ
- ようこそ画面
ようこそ画面のスプラッシュ画像はブルー系に変更されています。
- インストーラ起動メニュー
- ブートメニュー
※SUSE LINUX Professional 9.2 LiveDVDでのブートメニューはこちらです。
- ログイン画面(kdm)
- GNOMEデスクトップ環境
- GNOMEスプラッシュ
- GNOMEデスクトップ
- KDEデスクトップ環境
- KDEメニュー
- KDEデスクトップ
- 追加のログイン
gdmパッケージ(Ver 2.6)にはgdmflexiserverというプログラムが含まれています。
このgdmflexiserverはgdm上のGNOME/KDEメニューに[新しいログイン]として登録されています。
この[新しいログイン]は現在のセッションからログアウトすることなく別ユーザのセッションを開始可能とする機能です。
[新しいログイン]を選択するとgdmログイン画面が表示されます。
ここで別ユーザでログインしてデスクトップ操作することが可能となります。
再び[新しいログイン]メニューを実行するとセッションの選択ダイアログが表示されます。
ユーザを選択して<既存のディスプレイへ変更>ボタンを押すとそのユーザのデスクトップに戻すことができます。
尚、セッションの選択ダイアログで<新しいディスプレイを開く>ボタンを押すとまたgdm画面が表示されて更なる別ユーザでログイン可能となります。
- YaST
YaSTはKDEコントロールセンターに統合されているのでやはり使い易く感じます。
- ヘルプセンター
- アプリケーション
- OpenOffice.orgのWriter
- Acrobat Reader
- XMMS
XMMSでmp3ファイルを再生してみました。
- Samba
Sambaサーバの設定はYaSTのネットワークサービスにおける[Sambaサーバ]で行えます。
[Sambaサーバ]を起動した時点でsambaパッケージがインストールされていない場合は自動的にsambaパッケージをインストールしてくれます。
WindowsからSUSE LINUX 9.2のディレクトリをアクセスしてみました。
3.SUSE LINUX 9.3
- 特徴
(1)SUSE LINUX 9.3の一番大きな特徴はXen 2.0の標準搭載です(Xen 2.0の「SUSE LINUX 9.3編[その1]」と「SUSE LINUX 9.3編[その2]」参照)。
(2)更にUMLも使用でき仮想化対応に力を入れたディストリビューションとなっています(「UML実行環境構築(SUSE LINUX 9.3編)」参照)。
(3)またBeagleデスクトップ検索ツールも搭載されています。
- 主なソフトウェアのバージョン
- Kernel:2.6.11.4
- GNOME:2.10.0
- KDE:3.4
- Mozilla:1.7.5
- Firefox:1.0.1
- Evolution:2.2.1
- OpenOffice.org:2.0-pre
- Adobe Reader:7.0.0
- RealPlayer:10.0.3
- GIMP:2.2.4
- Samba:3.0.12
- Apache:2.0.53
- インストーラ
- ようこそ画面
ようこそ画面のスプラッシュ画像はグリーン系で安らぎを感じさせるものになりました。
- インストーラ起動メニュー
- ライセンス許諾画面
- インストール設定画面
- インストール完了メッセージ
- ブートメニュー
- ログイン画面(gdm)
- GNOMEデスクトップ環境
- GNOMEスプラッシュ
- 最初のGNOMEデスクトップ
- GNOMEデスクトップ
- GNOMEメニュー
- SUSEWatcherとアップデート通知
- KDEデスクトップ環境
- KDEメニュー
- KDEデスクトップ
- YaST
- ヘルプセンター
- アプリケーション
- Beagleデスクトップ検索ツール(アルファ版)
- OpenOffice.orgのWriter
OpenOffice.org 2.0-pre版はYOU(YaST Online Update)によって2.0(Novell Edition)にアップグレードされます。
- Adobe Reader
日本語フォントを表示するにはAdobe Reader 7用の日本語フォントパックを追加導入します。
- Apache