LindowsOS 4.0 日本語ベータ版
LindowsOS 4.0のカーネルは2.4.20です。
LindowsOSはDebian Linuxをベースにしたクライアント用途のLinux環境です。
LindowsOSの大きな特徴の一つは「Click-N-Run」と呼ばれるパッケージ追加インストール機能で、ダウンロード・解凍・インストールが簡単に行えます。
Click-N-Runの使用許諾権を購入するとLindows.comに登録されているパッケージ(商用パッケージ含む)を簡単操作でダウンロード&インストールできます。
ここではLindowsOS 4.0 日本語ベータ版(以下LindowsOS 4.0)の外観を中心にベータ版の環境を簡単に紹介します。
(1)簡単なインストール
LindowsOS 4.0に付いているCD-ROMは1枚だけでインストール時間もわずか10分程で完了します。
当然ながらインストールされるアプリケーションソフトはごく僅かです。
Debian GNU/Linux 3.0のインストール形態とはかなり異なりLindowsOSのインストール作業は大幅に簡略化されています。
- CD-ROMからのブート
CD-ROMからブートするとまず「1. Install」と「2. Diagnostics」の選択画面が表示されますので「1. Install」を選択します。
その後「Starting Install」画面が現れます。
この画面にはインストール準備プロセスの進行状況がプログレスバー表示されます。
- インストール方法の選択画面
インストール方法について次のどちらかを選択します。
- 「ハードディスク全体を占有する」
インストーラがハードディスク全体のデータを削除してLindowsOSをインストールする方法です。
ハードディスクが1台だけの場合はどのディスクを選択するかの画面は表示されません。
- 「上級者向けインストール」
これは既にパーティション分けされているハードディスクにLindowsOSをインストールするためのものです。
「上級者向けインストール」を選択して<次へ>を実行するとパーティションの選択画面が表示されます。
尚、LindowsOSのインストーラにはパーティションを作成したり削除したりする機能はありません。
LindowsOSを構成するパーティションタイプは次のようになります。
・ext2:/boot用ファイルシステム
・swap:スワップパーティション用
・reiserfs:/用ファイルシステム
- キーボードモデル・コンピュータ名・rootパスワードの設定
ここでは「日本語キーボード(PC106)」を選択します。
またrootユーザのパスワードもここで指定します。
指定する項目はこれで終了です。
<次へ>ボタンでセットアップ確認画面が出ますので、また<次へ>ボタンで先に進みます。
- 基本システムのインストールと初期設定
基本システム(Base system)の実際のインストールが開始され、それが済むとシステムの設定が自動的に行われます。
インストールされるパッケージ数は464個です(dpkg --listコマンドによるパッケージ確認結果はこちらです:表示の都合上、横方向の文字数は少なくしています)
Xの設定やLANの設定も自動的に行われます。
- 補足
起動FDの作成プロセスはありません。
インストールが完了するとCD-ROMが自動排出され、Enterキーを押すと自動的にリブートされます。
(2)LindowsOSの起動
- ブート
PCをブートすると「1. LindowsOS」と「2. Diagnostics」の選択画面が表示されます。
「1. LindowsOS」を選択するとブートプロセスの後、KDEの起動画面が表示されます。
「2. Diagnostics」はコンソールモードでの起動です。
- 最初のデスクトップ画面
- 「初めての設定」
KDEの初期化後には「初めての設定」画面が出ます。
まず、<ライセンスに同意します>にチェックを入れます。
(これをしないで<終了>ボタンを押すとFlash Playerによるチュートリアル画面が表示されます)
<時刻設定>ボタンを押すとデフォルト設定画面が表示されます(デフォルトは次のようになっています)。
・Region:United State
・Timezone:Eastern
これらの値を「Asia」と「Tokyo」に変更します。
- デスクトップ表示
デスクトップ上には「マイコンピュータ」や「マイドキュメント」等、Windowsライクなアイコンが表示されます。
「マイコンピュータ」は/root/Desktop/MyComputerを指します。
また「マイドキュメント」は/root/Desktop/MyDocumentsを指します。
デスクトップアイコンやKDEパネル上のアイコン等はクリスタル風のデザインになっています。
(3)統合デスクトップ環境
LindowsOS 4.0標準の統合デスクトップ環境にはKDE(K Desktop Environment)が使用されています。
KDEには各種設定/カスタマイズを行うコントロールセンタ、ツール及びアプリケーションが含まれています。
- コントロールセンタ(コントロールパネル)のメイン画面
- フォント設定
コントロールセンタの[ルック&フィール]−[フォント]でフォントの設定ができます。
- KDEキーボードツール
KDEパネルの右側にあるKDEシステムトレイには標準で4個のアイコンが入っています。
- KDEキーボードツール(jpと表示されたアイコン)
- ボリューム(スピーカマークのアイコン)
- Click-N-Run(緑色の丸いアイコン)
- VirusSafe(注射マークのアイコン)
(4)KDEのメニュー
- アプリケーションメニューでの「Click-N-Run More」
アプリケーションメニューの各カテゴリには「Click-N-Run More」という項目があります。
「Click-N-Run More」という項目を選択するとClick-N-Runが起動されます。
- 「オフィス」メニュー
LindowsOS 4.0の初期インストールではOpenOffice.orgやStarSuiteは入っていませんのでアプリケーションメニューの「オフィス」カテゴリは簡素なものになっています。
- ヘルプセンターメニュー
ヘルプセンターのメニューは一見してかなり充実しているように感じます。
(5)Webブラウザ
LindowsOSにはWebブラウザとしてMozillaベースのWazilla 1.3が標準で入っています。
外観の一部はLindowsOS用にカスタマイズされています。
[ヘルプ]−[Wazillaについて]でWazilla情報が確認できます。
(6)日本語入力
ベータ版にはcannaサーバとkinput2が標準装備されていますのでKwrite等でcannaを使用した日本語入力が使用できます。
(7)Click-N-Run
Click-N-Runが起動されるとまずLindows.comへのログイン画面が出ます。
しかしClick-N-Runのシリアル番号を購入していなければログインができずClick-N-Runによるアプリケーションインストールはできません。
(8)LindowsOSセッションの終了
KDEメニューの「Logout/QuickRestart」を選択するとLindowsOSセッションの終了オプション画面が表示されます。