VMware vSphere Hypervisor (ESXi 6.0)でのSUSE Linux Enterprise Server 11実行例

2015年7月15日にSUSE Linux Enterprise Server 11 SP4がリリースされました(以下 SLES 11 SP4と略します)。
その60日間無料評価版もダウンロードできるように用意されています。

また2016年3月15日には無償評価版のVMware vSphere Hypervisor(ESXi)の6.0.0 Update 2がリリースされました。
こちらもダウンロード可能です。

更にNovell(SLESの開発元)とVMwareとの合作であるSLES 11 SP3 for VMwareもVMware vSphere Hypervisorユーザ向けにリリースされています。


ここではESXi 6.0.0 Update 2環境でのSLES 11 SP4仮想マシンの実行例を下記の流れに沿ってご紹介致します。
※ここで利用しているESXi 6.0.0 Update 2環境はオープンギャラリー:VMware vSphere Hypervisor (ESXi 6.0でのNested ESXi/Hyper-V)で紹介している環境です。
(vCenter Server環境についてはオープンギャラリー:VMware vCenter Server 6.0のインストールとデータセンタの構築で紹介している環境です)
(1)SLES 11 SP4の取得
(2)ESXi環境でのSLES 11 SP4仮想マシン定義
(3)仮想マシンへのSLES 11 SP4のインストール
(4)SLES 11 SP4用仮想マシンへのVMware Toolsのインストール
(5)SLES 11 SP4用仮想マシンのクローン作成例(仮想ESXiホスト上に作成)

今回使用したPCのハードウェア/ソフトウェア構成は以下の通りです。


■ SLES 11 SP4の取得
(1)60日間無料評価版取得のユーザ登録ページ(https://www.suse.com/ja-jp/products/server/download/amd64-v11.html)を開きます。
(2)ダウンロードサイトのURLがユーザ登録時に指定したメールアドレスに送付されます。
(3)ダウンロードサイトにてSLES 11 SP4(SLES-11-SP4-DVD-x86_64-GM-DVD1.iso)を実際にダウンロードします。




■ ESXi環境でのSLES 11 SP4仮想マシン定義
・仮想マシン名:vssles11base ※SLES 11 SP4を多様な形態で使用する元になる仮想マシンという意味で「base」を付けています
・仮想マシンファイルのターゲットストレージ:[datastore2]
・仮想マシンのバージョン:11
・ゲストOS:[Linux]を選択、バージョン:[SUSE Linux Enterprise 11 (64ビット)]を選択
・仮想ソケット数:1
・仮想ソケットあたりのコアの数:1
・メモリサイズ:2GB
・NIC1のネットワーク:[VM Network]、アダプタ:[VMXNET 3](デフォルトでVMware Toolsがなくても使用可能です)
※VMXNET 3のカーネルドライバ(vmxnet3.ko)はkernel-default-3.0.101-63.1パッケージに含まれています。
・SCSIコントローラ:[LSI Logic パラレル](デフォルト)
・仮想ディスクのサイズ:127GB、ディスクプロビジョニング:[Thin Provision]に変更
・仮想ディスクノード:[SCSI(0:0)](デフォルト)
この時点の[終了準備の完了]での表示内容はこちらです。
・[設定の編集](仮想マシンのバージョンを9以降にすると設定の編集機能が一部制限されるようです)
  ・CD/DVD1のイメージファイル:SLES 11 SP4用のSLES-11-SP4-DVD-x86_64-GM-DVD1.isoをデータストアに事前に格納して選択
  ・USBコントローラ(xHCI)の追加


■ 仮想マシンへのSLES 11 SP4のインストール
(1)仮想マシンをパワーオン
(2)メニュー画面操作;
・F2 - Language:[日本語]を選択
・F3 - ビデオモード:[1152x864]の選択
・実行項目として[インストール]を選択
(3)ようこそ:言語設定
(4)メディアチェック
(5)インストールモード:[新規にインストール]
(6)時計とタイムゾーン
(7)サーバベースシナリオ:[物理マシン(完全仮想化ゲスト向けも)]
(8)インストールの設定
「ソフトウェア」については以下のものを追加しました。
・ファイルサーバ
・WebおよびLAMPサーバ
・C/C++コンパイラとツール
ここで<インストール>を押下するとパッケージがインストールされます。
(9)システム管理者「root」のパスワード
(10)ホストおよびドメイン
・ホスト名:vssles11base
・ドメイン名:mydomain.net
(10)ネットワーク設定
(11)今回は固定IPアドレスを割り当てました。
(12)ネットワークサービス設定
ここではデフォルトで作成するCAと証明書の内容を確認するだけでOKです。
(13)ユーザ認証方法
(14)新規のローカルユーザ
(15)リリースノート取得のためのインターネット接続テスト
(16)ハードウェア設定
(17)インストールの完了
(18)ログイン画面表示
rootでログインします。
(19)デスクトップ(VMware Tools導入前)



・実寸画像はこちらです。

[補足]
・デフォルトの壁紙は/usr/share/backgrounds/2-glass-day-0001.pngです。
・仮想マシン内のデスクトップ操作でウィンドウ枠にマウスを移動するとすぐに指アイコンになってウィンドウ枠操作がしずらいです(VMware Toolsの導入で解消されます)。


■ SLES 11 SP4用仮想マシンへのVMware Toolsのインストール
仮想マシンにVMware Toolsをインストールすることによってグラフィックやマウスのパフォーマンスと操作性が向上します。
またVMware Toolsのデーモンを介してVMware vSphere Clientとの通信も行われVMware vSphere Clientに仮想マシンのIPアドレスも表示されるようになります。

SLES 11 SP4用仮想マシンへのVMware Toolsのインストールは次の手順で実施します。

■ SLES 11 SP4用仮想マシンのクローン作成例(仮想ESXiホスト上に作成)
今回作成したSLES 11 SP4用仮想マシンのクローンをオープンギャラリー:VMware vSphere Hypervisor (ESXi 6.0でのNested ESXi/Hyper-V)で紹介させて戴いたネストされた仮想ESXiホスト(vsESXi仮想マシン)側に作成してみました。
その手順は以下の通りです。
  1. vSphere vCenter Server(vcenter)内のvssles11baseの右クリックメニューの[クローン作成]を起動
  2. 仮想マシンのクローン作成」ウィザードの開始
  3. (クローン作成に関する)終了準備の完了
    本画面で<終了>クリックするとクローンの作成がバックグラウンドで開始されます。
    クローン作成の進捗状況はクローン作成元の「タスクおよびイベント」タブに表示されます。
    クローン作成中の進捗表示例
    クローン作成完了時点

  4. データストアの確認事項
    クローンを格納したフォルダにはimcf-xxxxxx(xxxxxxはランダムな文字列)というカスタマイズファイル(一時ファイル)が自動生成されていることを確認します。

  5. クローンの初回起動
    (1)クローンを初めて起動するとログイン画面表示直前に自動再起動が発生してカスタマイズ内容が反映されたログイン画面(コンピュータ名:vssles11basel2)が初めて表示されます。
    (2)rootでログインしてifconfig結果を確認すると元のeth0ではなく新たなインタフフェースのeth1が表示されますがそれのIPアドレスは表示されません。
    (3)YaST2コントロールセンタの「ネットワークの設定」を見るとeth1(VMXNET3ではなくEthernetカード)に対して新しいIPアドレスが割り当てられておりホスト名/ドメイン名も反映されていますがグレー表示になっています。
    (4)eth1を有効化するとネットワークが使用できてvCenter Server(vcenter.mydomain.net)にSSH接続してVMware PostgreSQLのデータ確認もできるようになりました。
    (5)クローンの元になっていた仮想マシン(vssles11base)も同時に使用できます。
    下記はクローン作成元の仮想マシン(vssles11base)とそのクローン(vssles11basel2)を同時実行している様子です。



    ・実寸画像はこちらです。