ApowerMirror付録情報

ここでは本編の「WindowsのApowerMirrorからのiPhone操作」で説明していなかった情報を紹介致します。
2台のPCを使用するケースの情報も扱っていますが、ここで利用している2台のPCというのはHyper-Vのホストマシン(実機)とその仮想マシンです。

  1. 環境

  2. PC画面の擬似分割について
    Smart TV BoxのT96 miniには画面分割モードがありますが、PC(Windows)には画面分割モードがありません。
    そこでPC実機の画面と仮想マシンの画面を使って擬似的な画面分割としています。
    つまりPC実機と仮想マシンの両方でApowerMirrorを使用するという形態です。
    下記は擬似的画面分割モードの様子です。
    (擬似的画面分割の利用ケースによっては仮想マシンの画面を左側画面と見立てて、PC実機の画面を右側画面と見立てている場合もありますが、どちらを左側にしても動きは基本的に同じかと思いますが...実際には違いが生じています)



  3. PC画面の擬似分割利用例
    PC画面の擬似分割利用例としてiPhoneの「写真」アプリの画像/動画のサムネイルを左側に表示して、選択した動画を右側(実機側)で再生させてみました。
    ここで利用しているアプリは「TV Cast(D)」アプリで、iPhoneのミラーリング先(レシーバ)を左側の仮想マシンとし、「TV Cast(D)」アプリでのキャスティング先を右側のホストマシンにしています。

    (1)PCから音声再生されます。
    (2)動画選択での再生では問題ありませんが、画像選択では右側にはその画像は表示されませんでした(左側を実機画面にしても同様)。
    (3)左側(サムネイル表示側)を仮想マシンにすると動画再生終了しても右側との接続は切れませんが、左側(サムネイル表示側)を実機画面にすると動画再生終了すると右側との接続が自動切断されました(実機と仮想マシンでのApowerMirrorの動作が違ってくるのでしょうか...)。
    (4)画像しか扱えない「PhotoCast」アプリでも右側にはその画像は表示されませんでした。


  4. PCミラーリング時のiPhoneからのジェスチャ操作
    ApowerMirrorの[PCをスマホにミラーリング]を実行するとiPhoneの右側に縦長のツールバーが表示されます。
    そのツールバーの中の[(?)]というヘルプツールをタップするとiPhoneでのジェスチャとPCマウス操作との対応関係の説明が表示されます。


    この説明画面でそれぞれの対応関係はすぐに分かると思いますが、一番右上の「ワンフィンガーでタップして移動(デスクトップ画面を移動)」というのは単純にマウスポインタの移動のことを指しています。
    iPhoneへのPCミラーリングではiPhone画面に大小2個のマウスポインタ(後述)が表示されます。



    ここではiPhone側(iPhone 12)でのジェスチャ操作だけによる「PC側のメモ帳起動から文字入力及びテキストファイル保存」までの手順の流れを簡単に紹介致します。


  5. PCミラーリング時のiPhoneからのジェスチャ操作(Hyper-V仮想マシン編)
    Windows 11のHyper-V仮想マシンに対するiPhoneからのジェスチャ操作の可否を試してみました。
    結果的にはiPhoneからのマウス制御は不可となりました。


  6. PCミラーリング時のiPhoneからのジェスチャ操作(Virtual PC 2007仮想マシン編)
    Windows 7上のVirtual PC 2007仮想マシンとしてWindows 3.1を実行し、iPhoneからそのホストマシンのWindows 7に対する[PCをスマホにミラーリング]を実行してみました。
    iPhoneによるマウス操作はHyper-V仮想マシン同様にできません(これも仮想マシンとのミラーリング接続がされている訳ではないので当然です)。
    下記はWindows 7に対する[PCをスマホにミラーリング]の画面をiPhone側でピンチアウトして拡大表示した画面です。


  7. オーディオデバイスなしの仮想マシンへの動画ミラーリングでの音声再生例
    Hyper-Vの仮想マシンとしてWindows 7を実行するとコントロールパネルの[サウンド]では「オーディオデバイスがインストールされていません。」と表示されます。

    Hyper-Vの仮想マシンとしてのWindows 7をここでは「Windows 7仮想マシン」と呼ぶことにします。
    Windows 7仮想マシンでオーディオデバイスが使用できなければそのWindows 7仮想マシンに動画をミラーリングしても音声再生がされません。
    また、Windows 7仮想マシンはHyper-Vの「拡張セッション」には対応していません。
    もしWindows 7仮想マシンがWindows 11等のようにHyper-Vの「拡張セッション」に対応していれば、リモートオーディオ再生の「設定」もできるのですが...。

    しかし、Hyper-VのホストマシンからWindows 7仮想マシンにリモートデスクトップ接続する際は、リモートデスクトップ接続の設定が可能となります。
    その設定の中でリモートオーディオの設定で[このコンピュータで再生する]をオンにしておくとリモートデスクトップ接続の中では音声再生が可能となります。

    リモートデスクトップ接続で音声再生が可能になったWindows 7に対してiPhoneから動画ミラーリングしてみます。

    この場合の映像・音声の再生のされ方は以下の通りです。

    iPhoneWindows 7仮想マシン
    (リモートデスクトップ接続)
    映像映像再生あり映像再生あり
    音声音声再生あり音声再生あり

    Hyper-V環境と同様に、Windows 7(ホスト)のVirtual PC 2007の仮想マシンとしてWindows 7を実行してその「Windows 7仮想マシン」に対してリモートデスクトップ接続する際にリモートオーディオの設定で[このコンピュータで再生する]をオンにしておくとリモートデスクトップ接続の中では音声再生が可能となります。
    Virtual PC 2007の仮想マシンへのリモートデスクトップ接続で音声再生が可能になったWindows 7に対してiPhoneから動画ミラーリングしてみます。

    この場合の映像・音声の再生のされ方はHyper-V環境のWindows 7仮想マシンへの動画ミラーリングと同じになります。


  8. 1台のiPhoneによるPCホストマシンと仮想マシンの同時操作例
    ホストマシンのデスクトップ上でHyper-V仮想マシンを起動した状態で1台のiPhoneからホストマシンと仮想マシンの両方を同時操作できるようにしてみました。
    PCのホスト側でApowerMirrorを起動してiPhoneへのミラーリングを開始すると(実際にはiPhoneからホストマシンにApowerMirror接続して[PCをスマホにミラーリング]を実施)、そのiPhoneからホストマシンを操作(ジェスチャー操作/マウス操作、キーボード入力等)ができるようになります。
    しかし、そのiPhoneからHyper-V仮想マシンのデスクトップ操作はできません。
    それは仮想マシンがそのApowerMirrorにとってApowerMirror接続されていない別マシンとして扱われるからです。
    それでは、そのiPhoneからHyper-V仮想マシンのデスクトップもホストマシンのデスクトップと同時に操作できるようにするにはどうすればよいのでしょうか。
    その一つの解決策は「Hyper-V仮想マシンへRDP接続(リモ−トデスクトップ接続)すること」です。
    これによって、iPhoneからホスト側デスクトップとRDP接続デスクトップを同時に操作できるようになります。
    たとえば次のようなことが行えるようになります。

    上記の「リモートデスクトップ接続」利用方式はWindows 7(ホスト)上のVirtual PC 2007仮想マシンでも同じように使えます。