Virtual PC for WindowsへのSolaris8の導入
Virtual PC for Windows Ver 5.0(VPC5)にSolaris8を組み込む手順を紹介します。
尚、ホストOSはWindows XP Professionalです。
1.マシン環境
- CPU:Pentium 4 1.7GHz
- メモリ:640MB
- VGAカード:GeForce3
- モニタ:最大解像度=1920x1440
- サウンドカード:SoundBlaster Live! Value
- LANカード:D-Link DE-530+ PCI Ethernet Adapter
- Windows XPのファイルシステム:NTFS
尚、Solaris8のインストール先はホストPCの内蔵HDD(IDE)内のディスクイメージとします。
2.ゲストPCの定義
- VPC5を起動しPCリストウィンドウを表示します。
(PCリストのウィンドウタイトルは「Virtual PC」となっています)
- PCリストウィンドウの右上にある<新規のPC>ボタンを押します。
- PCセットアップウィザードが開始されます。
PCセットアップウィザードの各画面での設定/確認後は<次へ>ボタンで先に進みます。
- 「PCの名前」ではゲストPC名を適当に指定します。
ここで指定した名前はPCリストに表示されます。
- 「設定のオプション」では<ガイドを利用>を選択します。
- 「ゲストのオペレーティングシステム」では「Solaris」を選択します。
- 「メモリの設定」では「このPCのメモリ割り当てサイズを調整しますか?」で<はい>を選択してゲストPCに割り当てるメモリサイズを指定します。
- 「起動ディスクのオプション」では<新規のハードディスクイメージを作成>を選択します。
- 「起動ディスクの場所」では新規に作成するハードディスクイメージのファイルを指定します(ディスクイメージファイルの拡張子はvhdです)。
- PCセットアップウィザードの最後は「セットアップの概要」が表示されます。
内容を確認して<完了>ボタンを押します。
- PCリストでの追加ゲストPC名表示
PCリストウィンドウには今回追加したPCの名前が表示されます。
(VPC5のPCリストウィンドウを最小化した場合のアイコンはタスクトレイに入ります)
- ゲストPCの詳細設定内容の確認
PCリスト内に追加されたPC名を選択して<設定>ボタンを押すとウィザードで特に設定しなかった項目も含めて設定内容の詳細を確認できます。
ネットワークの設定値が「バーチャルスイッチ」になっていて、そのルーティングオプションがデフォルトの<ローカルとホストと外部>属性になっています。
これは当該ゲストPCがそのホストPCや他のゲストPC、更にはホストPCと接続された他のPCとネットワーク接続できることを示すオプションです。
尚、PCの各設定項目はここで設定内容を変更することができます。
- ディスクイメージについて
上記のウィザードで作成されるディスクイメージのタイプは「容量可変の拡張ディスクイメージ」と呼ばれるタイプのものです。
ゲストOSの種別が「Solaris」の場合、上記ウィザードで新規作成されるディスクイメージの初期ファイルサイズはわずかに34KBに過ぎません。
「容量可変の拡張ディスクイメージ」タイプのディスクイメージはゲストOSを実際にインストールしたり、ゲストOS実行時にファイル追加したりする時にディスクイメージファイルのサイズが大きくなります。
この「容量可変の拡張ディスクイメージ」タイプのディスクイメージは「容量固定のディスクイメージ」に変換することができます。
これは[ファイル]メニューの[Virtualディスクウィザード]で<既存のディスクイメージの検査、または変更>を選択してそのウィザードを実行することで変換できます。
尚、Virtual PC付属のユーザガイドによると容量固定のディスクイメージに変換してもゲストOS実行時の性能向上はあまり無いとのことです(つまりホストOSのディスク容量を圧迫するだけのようです)。
3.ゲストOSのインストール
Solaris8を上記で定義したゲストPCにインストールする手順は以下の通りです。
尚、Solaris8をネーティブインストールする場合と同じ部分の説明は基本的に省略してあります。
- インストール用DCAのFDセット
Solaris8のインストール用DCA FDを実際のFDドライブにセットします。
- ゲストPCの起動
Solaris8用に定義したPC名をPCリスト内で選択して<起動>ボタンを押します。
ゲストPCに電源が入ったような状態になりVirtual PCウィンドウ内に「Solaris Device Configuration Assistant」画面が表示されます。
F2キーで先に進むと「Scanning Devices」画面が出てデバイスが走査されます。
- デバイスリソースの競合対策について
デバイスリソースの競合があれば「Identified Devices」画面から「Device Tasks」画面を呼び出し、<View/Edit>を選択してデバイス構成を変更します。
- Device Tasks画面
キーボードの設定を行います。
- Boot Solaris画面
インストール元のデバイスとしてCDドライブを選択します。
「Solaris 8 Software 1 of 2」というラベルのインストール用CD-ROMを実際のCD-ROMドライブにセットしてF2キーで先に進みます。
- インストールタイプの選択
インストールタイプは「Solaris Interactive」を選択します。
- kdmconfig
kdmconfig(ウィンドウシステムの構成)の「Video Device Selection」画面ではS3 Trio64 (2MB)またはS3 Trio64V+ (4MB)を選択します。
「Resolution /Colors Selection」画面で解像度と同時発色数を指定します。
「kdmconfig Window System Configuration Test」画面でF2キーを押してウィンドウシステムのテスト画面を表示します。
「Is this display olay?」に対して<Yes>をクリックします。
- GUIインストーラの開始
OpenWindowsベースのGUIインストーラ画面が表示されます。
- ネットワークの設定
「ネットワークに接続」では<はい>を選択して<継続>ボタンで先に進み、利用環境に合わせてネットワークの設定をします。
DHCPの使用は必須ではありません。
- セキュリティポリシーの構成〜ソフトウェアの選択:説明省略
- ディスクの選択
PCセットアップウィザードで作成した16GBのディスク(ディスクイメージ)が自動選択されますのでそのまま<継続>ボタンを押します。
- ファイルシステムの配置
利用環境に合わせてファイルシステムの配置設定をします。
どのように設定してもホストPCの実際のハードディスクのマスタブートレコードは何ら変更されないため安全です。
- インストーラの指示
rootユーザのパスワードを指定します。
また「Solaris 8 Software 2 of 2」というラベルのインストール用CD-ROMに交換します。
更に「SOLARIS 8 LANGUAGES」CDへと交換していきます。
- リブート
インストールの完了時に「リブート」画面が出ますので<リブートする>ボタンをクリックすると自動リブートされます。
4.ゲストOSのブート
PCリストのゲストPC名を選択して<起動>ボタンを押すとブート処理が開始されます。
- システム起動時のコンソールメッセージ
- ログイン画面
ユーザ名の入力後はパスワードを入力します。
- CDEデスクトップ
尚、PCリストにおけるゲストPCのアイコン部分にはゲストOSの画面が表示されますが、それは時々刻々と変化します。
- 全画面表示モードへの切り替え
右Alt+Enterキーで全画面表示モードにできます。
全画面表示モードで右Alt+Enterキーを押すと元に戻ります。
- ネットワーク
ホストOS,ゲストOS,外部ホスト間でのネットワーク接続ができます。
- Apacheアクセス
Apacheの設定をしてWindowsからアクセスしてみました。
- Xサーバ接続
Windows用のXサーバ(ASTEC-X 3.21)を使用してSolaris8に接続してみました。
尚、ASTEC-XではMS-IMEを使用した日本語入力ができます。
5.Sambaの利用
Solaris8付属の「COMPANION CD」にはSamba 2.0.6が含まれています(SWAT含む)。
そのSambaを利用してWindowsからSolaris8のファイルシステムをアクセスしてみました。
- smb.confの設定
「COMPANION CD」でSambaをインストールした場合、smb.confは/opt/sfw/lib/smb.confにありますのでそれを利用環境に合わせて設定変更します。
- Sambaユーザのパスワード設定
/opt/sfw/bin/smbpasswdでSambaユーザのパスワードを設定します。
- smbdとnmbdの自動起動設定
/etc/rc2.d/S72inetsvcに以下の行を追加します。
/opt/sfw/bin/smbd -D
/opt/sfw/bin/nmbd -D
- SWATの利用
WindowsからのSWATアクセス例を以下に示します。
- WindowsエクスプローラからのSolaris8ファイルシステムアクセス