オープンギャラリー：VMware Fusion 1.0(Boot Camp Vista編)

VMware Fusion 1.0(Boot Camp Vista編)

2007年8月6日にIntel Mac用のVMware Fusion 1.0製品版(Build 51348)が正式リリースされました。
正式ライセンスキー取得してVMware Fuisionに登録すればライセンス期限表示部分が「Thank you for licensing ...」となります。

その2日後の2007年8月8日にはBoot Camp Public Beta 1.4(期間限定版)がリリースされました。

そこでVMware Fusion 1.0とBoot Camp Public Beta 1.4を導入し、32ビット版Windows Vista(Ultimate)をインストールしたBoot Campパーティションを実行させてみました。
尚、VMware Fusion 1.0製品版のリリースノートによればWindows Vista用Boot Campパーティションサポートは実験的サポート扱いとなっています(Windows XP用は正式サポート)。
※Parallels Desktop 2.5 for Mac 日本語版ではWindows Vista用Boot Campパーティションは未サポートです(Windows XP用は正式サポート)。

VMware Fusionの仮想マシンにWindows Vistaをインストールして使用するのと
Boot CampパーティションにインストールしたWindows VistaをVMware Fusionで使用するのとでは両者の使い勝手にそれほど大差はありませんが、
(1)Boot Campパーティションの特性
(2)Boot CampパーティションのVMware Fusionでの使用方法
(3)Boot CampパーティションのWindows Vistaをネーティブ実行とVMware Fusionで実行するためのハイブリッド実行環境の作成方法等
を中心にご紹介してみます。
更に、2007年8月1日にリリースされたRDC(Remote Desktop Connection) Client for Mac 2.0 Beta 1でVMware Fusion上のWindows Vistaに接続する方法も紹介します。

１．マシン環境

CPU：Intel Core 2 Duo ※VT対応の64ビットCPU
LAN：AirMac Extreme ※内蔵Ethernet(Marvell Yukon 88E8053 PCI-E Gigabit Ethernet Controller)も一部併用
グラフィックス：Intel GMA 950
Mac OS Xバージョン：10.4.10

２．Boot CampパーティションにWindows Vistaをインストールする手順の流れ

Boot Campの導入
Mac Windows Driversディスクの作成
Windows用パーティションの作成
Windows Vistaのインストール
Windows VistaへのMac Windows Driversの導入(目的：サウンド再生他)
VMware FusionによるBoot CampパーティションのWindows Vistaの実行(日本語キーボード化含む)
Windowsライセンス認証

３．Boot Campの導入

Apple社のサイトからBoot Camp Public Beta 1.4(BootCamp1.4.dmg)をダウンロードしてマウントします。
マウントして表示されるBoot Camp Assistantフォルダ中のInstall Boot Camp Assistant.mpkgをインストールします。
このインストールでアプリケーションフォルダの「ユーティリティ」中に「Boot Camp アシスタント」が作成されます。

４．Mac Windows Driversディスクの作成

Boot Camp アシスタントを起動し、画面のガイドに従ってMac Windows Driversディスク(CD-R)を作成します。
このMac Windows Driversディスクにはディスプレイドライバやサウンドドライバ等が格納されます。

５．Windows用パーティションの作成

Boot Camp Public Beta版ではWindowsをインストールするためのBoot Campパーティションを一つしか作成できないという制限があります。
このBoot Campパーティションはプライマリパーティション3固定になります。

Boot Camp アシスタントを起動し、画面のガイドに従ってWindows用パーティション(Boot Campパーティション)を作成します。
具体的にはMac OS Xのパーティション(ボリューム)の後方から作成するWindows用パーティションサイズをGUIで指定します(境界点をスライドさせて指定)。
今回は24GBをWindows用パーティションにしました。

Windows用パーティションを作成するとBoot Campを利用して起動したOSからはディスク全体が以下の構成として認識されます。
(1)ディスク0 パーティション 1 (/dev/sda1)：200MB
(2)ディスク0 パーティション 2 (/dev/sda2)：Mac OS Xのパーティション
(3)ディスク0 未割り当て領域：xxxMB
(4)ディスク0 パーティション 3 (/dev/sda3)：Windows用に作成したパーティション

６．Windows Vistaのインストール

Boot Camp アシスタントを起動します。
Windows VistaのインストールDVDをドライブにセットし、「Windowsのインストールを開始」画面で＜インストールを開始＞ボタンを押します。
これによってMac OS Xが自動終了し、Windows Vistaのインストーラが自動起動されます。

Windows Vistaのインストールは、言語設定後に＜今すぐインストール＞をクリックして進めます。
ここでの注意点はWindows Vistaのインストール中にパーティション変更操作(パーティションの削除・追加等)を行わないということです。
パーティション変更操作を実施してもWindows Vistaをインストールして実行することはできますがMac OS Xの「起動ディスク」画面に「Windows(Untitled)」というボリュームが表示されなくなります。
このためMac OS Xの「起動ディスク」画面からは起動ディスクの変更設定を行うことはできなくなります。
更に、VMware FusionにおいてWindows用パーティション(Boot Campパーティション)からのゲストOSブートもできなくなります。

このような制約があるためWindows Vistaのインストール先は常にデフォルト表示される「ディスク0 パーティション 3」のままとする必要があります。

Windows Vistaをインストールした結果は以下のようになります。
(1)内蔵Ethernet(有線)でのネットワーク利用は可能です。
(2)AirMacについてはWindows Vista標準の「ワイヤレスネットワークの管理」からWEP等の設定をして利用可能となります。
(3)サウンド再生はできません(Windows Vistaには対応するサウンドドライバが無いようです)。
(4)ディスプレイアダプタは「Mobile Intel 945GM Express Chipset Controller 0」用ドライバが自動インストールされ1600x1200の解像度でもAero対応となります。

(5)Windows Vistaのディスクの管理でのパーティション構成は次のように表示されます。

(6)Mac OS X側の起動ディスクには「Windows(Untitled)」が追加されます。
(7)Mac OS X側のディスクユーティリティにもUntitledボリュームのマウント先やフォーマットが表示されます。

(8)ターミナルからのdiskutilコマンドでもディスク構成が確認できます。

７．Windows VistaへのMac Windows Driversの導入(目的：サウンド再生他)

事前に作成しておいたMac Windows Driversディスク(CD-R)をセットし、setup.exeを起動してMacマシンに対応したドライバをインストールします(ドライバ選択はできません)。
このMac Windows Driversの導入結果は以下のようになります。
(1)内蔵Ethernet(有線)でのネットワークは利用可能のままです。
(2)AirMacでのネットワークも利用可能のままです。
(3)サウンド再生ができるようになります(SigmaTel High Definition Audio CODECがインストールされるため)。
※SigmaTel Audioサービスが自動起動されるようになります。
(4)ディスプレイアダプタは「Mobile Intel 945 Express Chipset Family」対応ドライバが自動インストールされ1600x1200の解像度ではAero対応でなくなります。

尚、解像度を1280x1024等にすればAero対応となります。

(5)コントロールパネルに「Boot Camp」が追加され起動ディスクの変更ができるようになります。

(6)タスクバーのシステムトレイの「Boot Camp」アイコンの右クリックメニューの＜Mac OS Xで再起動＞も使用できます。

(7)Boot CampパーティションにWindows Vistaをインストールした後のデフォルト起動OSはWindows Vistaになります。
※単に電源ボタンを押すとWindows Vistaが起動します。
(7-1)一時的にMac OS Xを起動したい場合はOptionキーを押しながら電源ボタンを押してディスク選択画面でMac側を選択します。
(7-2)デフォルトの起動OSをMac OS Xに戻す場合はWindows Vista側のBoot Campパネルの起動ディスクまたはMac OS X側起動ディスクで設定変更します。
(8)Boot Campヘルプ(C:\Program Files\Boot Camp\Boot Camp.Resources\ja.lproj\Boot Camp Help.chm)がインストールされます。
※そのヘルプにはPCキーボードとAppleキーボードの対応表(Alt+PrintScreen = Option + F14等)も記載されています。

８．Windows VistaへのMacディスク読み書きツールの導入(任意)

Boot CampパーティションのWindows VistaにMac Windows DriversをインストールしてもWindows VistaからMacディスクのアクセスはできません。
そこで必要に応じてWindows VistaにMacディスクの読み書きツールを導入します。

MacDrive 7 日本語版の導入
今回はIntel MacのGPT(新しいパーティションテーブル)とWindows Vistaにも対応したMacDrive 7 日本語版を使用しました。
そのMacDrive 7をWindows VistaにインストールしてWindows Vistaを再起動するとMac OS X本体のMacディスクがE:ドライブとして自動マウントされます。
Windows VistaからMacディスクへのファイル書き込み
MacDrive 7の導入によってWindows VistaからMacディスクファイルの読み書きが可能となります。
(1)Windows VistaからMacディスクにファイルのドラッグ＆ドロップが行えます。
(2)Windows VistaからMacディスクの既存ファイルの更新が行えます。
下記はWindows VistaからMacディスクにテキストファイルを新規作成している様子です。
Mac OS Xからの結果確認
Windows VistaからMacディスクに書き込んだファイルはMac OS X側から問題なくアクセスすることができます。
補足
(1)MacDrive 7を導入するとVista側のVMware WorkstationとMac OS X側のVMware Fusionで同じ仮想マシンを共有して利用可能になるはずです。
(2)Mac OS XからNTFSを直接読み書きするツール(MacFUSE等)もありますのでそのツールも併用するとより一層便利になると思われます。

９．VMware FusionによるBoot CampパーティションのWindows Vistaの実行(日本語キーボード化含む)

VMware FusionによるBoot CampパーティションのWindows実行方法についてはVMware Fusion付属のGetting_Started.pdfの
「Creating a Virtual Machine from the Boot Camp Partition」に記載されていますが次のように行います(補足含む)。

VMware Fusionの起動
「Boot Camp partition」仮想マシンの設定変更
「Virtual Machine Library」ウィンドウ中にある「Boot Camp partition」を選択して＜Settings＞ボタンを押します。
仮想マシンの設定画面でMemoryサイズやNetworkタイプ(NAT→Bridged)を必要に応じて設定変更します。
更にShared Foldersを有効にしてMac側の自分のホームディレクトリをShared Foldersに追加定義します。
例：共有名(Name)：home-admin, パス(Path)：/Users/admin
※VMware Fusion内のWindowsからはネットワークの「.host\Shared Folders\home-admin」として読み書き可能となります。

これらの設定は「/Users/ユーザ名/Library/Application Support/VMware Fusion/Virtual Machines/Boot Camp/%2Fdev%2Fdisk0/Boot Camp partition」フォルダに反映されます。
「Boot Camp partition」仮想マシンの起動
「Virtual Machine Library」ウィンドウ中にある「Boot Camp partition」を選択して＜Run＞ボタンを押します。
この時、Mac側の管理者権限をもつユーザのパスワードが求められますのでそのパスワードを指定します。
その後、Windows Vistaのブートが開始されます。
Windows Vistaへのログオン
VMware Toolsのインストール
VMware FusionはWindows Vistaへのログオンを監視しており、最初のログオン時のデスクトップ表示前にVMware Toolsインストーラの自動起動を行います。
VMware Toolsインストーラは日本語化されており通常は「標準」タイプでインストールします。
※ネットワークアダプタは有線の「Intel PRO/1000 MT Network Conection」だけとなりますが利用可能です(但し、無線のAirMacは認識されなくなります)。
解像度変更
ディスプレイドライバがVMware固有のもの(VMware SVGA II)になるため低くなった解像度を変更します。
サウンド再生について
VMware Fusion 1.0でのWindows VistaのサウンドドライバはCreative AudioPCI(ES1371,ES1373)用がインストールされサウンド再生ができました。
日本語キーボードへの設定変更
通常この時点でのキーボードタイプは「101/102英語キーボード」になっており記号入力がキートップの文字と異なってしまいます。
そこでデバイスマネジャのキーボードのプロパティでドライバを変更します。
具体的には以下の操作を行います。
(1)＜ドライバの更新＞で「コンピュータ上のデバイスドライバの一覧から選択します」オプションを選択します。
この時、＜互換性のあるハードウェアを表示＞オプションを無効にします。
(2)製造元として「(標準キーボード)」を選択し、モデルとして「日本語 PS/2キーボード(106/109キー)」を選択してドライバをインストールします。
(3)Windows Vistaを再起動します。
Windows Vista再起動後は日本語キーボード配列が利用可能となります。
VMware FusionでのWindows Vistaデスクトップ
VMware FusionのBIOS画面表示について
VMware Fusionの「Boot Camp partition」仮想マシンを起動する際、BIOS画面表示することは通常はできません。
以下のターミナル操作で仮想マシン起動時BIOS画面を無条件表示できます。
$ cd "/Users/ユーザ名/Library/Application Support/VMware Fusion/Virtual Machines/Boot Camp/%2Fdev%2Fdisk0/Boot Camp partition"
$ vi "Boot Camp partition.vmx"
「bios.forceSetupOnce = "TRUE"」行を最後に追加します。
:wq!
VMware Fusionの「Boot Camp partition」仮想マシンを起動するとBIOS画面が無条件に表示されます。

BIOS画面を閉じるとWindows Vistaが起動されます。

尚、その後は「bios.forceSetupOnce = "TRUE"」は「bios.forceSetupOnce = "FALSE"」に自動変更されます(手動での設定戻しは不要です)。

１０．Windowsライセンス認証

Boot CampパーティションにインストールしたWindows Vistaについては2回のWindowsライセンス認証が必要となります。
1回目はネーティブ起動した状態での「オンラインライセンス認証」で、2回目はVMware Fusionで起動した状態での「電話によるライセンス認証」です。
Windowsのライセンス認証機構の特性により各々の起動状態でそれぞれWindows認証を1回ずつ済ませておくことで
それ以降はWindows Vistaのネーティブ起動とVMware Fusionでの起動を交互に実施しても常にライセンス認証済み状態として扱われます。

ネーティブ起動した状態でのオンラインライセンス認証
Boot CampパーティションにインストールしたWindows Vistaをネーティブ起動してWindowsのライセンス認証手続きをオンラインで行います。
VMware Fusionで起動した状態での電話によるライセンス認証
ネーティブ起動した状態でライセンス認証したWindows VistaをVMware Fusionで起動すると、
ハードウェア構成が大きく異なって認識されるためシステムのプロパティ欄には「ライセンス認証を3日以内に行ってください。」と表示されます。
この場合、再度オンラインで認証を行おうとすると「入力したプロダクトキーは既に使用されています」と表示されて認証は失敗します。
このため「自動電話システムでライセンス認証をします」を選択する必要があります。

次の画面では最も近い場所として「日本」を選択すると確認IDを入手するための電話番号がライセンス認証画面に表示されます(無料電話番号と有料電話番号)。
電話によるライセンス認証は5分程度掛かるため無料電話番号に電話します。
最初はライセンス認証専用窓口での音声ガイダンスに沿ってプッシュフォン操作を行います。
途中から「担当者におつなぎします。」というガイダンスが流れてライセンス認証担当者が電話で応対してくれます。
「MacのBoot Campパーティションにインストールしてライセンス認証したWindows VistaをVMware Fusion環境でも認証したい」と言えばすぐに事情を察してくれるようです。
画面に表示されているインストールID(9個の6桁番号)を担当者の指示(「インストールID番号n番目の6桁を入力して下さい」)に従ってプッシュフォン入力します。

最後の6桁をプッシュフォン入力すると確認ID(8個の6桁番号)を教えてくれますのでA欄、B欄、...、H欄に順に入力します。
H欄への入力が完了すると＜次へ＞ボタンが押せる状態になりますのでそれを押すと「ライセンス認証に成功しました」と表示されます。
これで一連のライセンス認証は完了です。

１１．ハイブリッド実行環境

Boot CampパーティションにインストールしたWindows Vistaのハイブリッド実行環境(ネーティブ実行とVMware Fusionでの実行)構築は上述のように以下の手順で行いました。

ネーティブ実行用Windows VistaへのMac Windows Driversの導入
VMware Fusion実行用Windows VistaへのVMware Toolsの導入と日本語キーボード化設定

このハイブリッド実行環境が揃っていれば同じWindows Vistaをネーティブ実行とVMware Fusion実行で併用することができます。

但し、ネーティブ実行とVMware Fusionでの実行では認識されるハード構成に大きな差が生じます。
しかしMac Windows DriversとVMware Toolsによって実行環境別にハード構成が正しく認識されますので手動による環境設定をその都度行う必要はありません。

実行環境別に認識されるハードウェアの違いを以下の表に纏めます。

項目	ネーティブ実行環境	VMware Fusionでの実行環境
CPU	Mac本体のCPUプロセッサ全体	VMware Fusionで設定したCPUプロセッサ数 (通常は1)
メモリ	Mac本体の搭載メモリ全体	VMware Fusionで設定したメモリ (実メモリ未満)
Bluetooth無線	Apple Built-in Bluetooth Microsoft Bluetooth Enumerator	なし
キーボード	HID キーボードデバイス	日本語 PS/2キーボード (106/109キー)
サウンドアダプタ	SigmaTel High Definition Audio CODEC	Creative AudioPCI(ES1371,ES1373) (WDM)
ディスクドライブ	Mac本体のディスクドライブ	VMware Virtual IDE HardDrive ATA Device
ディスプレイアダプタ	Mobile Intel 945 Express Chipset Family	VMware SVGA II
ネットワークアダプタ	Atheros AR5006EXS Wireless Network Adapter Bluetooth デバイス (RFCOMM プロトコル) Bluetooth デバイス (パーソナルエリアネットワーク) Marvell Yukon 88E8053 PCI-E Gigabit Ethernet Controller	Intel PRO/1000 MT Network Connection

[補足]
(1)実行環境の切り替えで不明なデバイス扱いになるものは基本的にありません。
(2)稀にVMware Fusion実行からネーティブ実行に切り替えた場合、ディスプレイアダプタが標準VGAグラフィックアダプタとして認識される場合があります(画面解像度は維持されますがAeroは利用不可)。
その場合はデバイスマネージャの＜ドライバソフトウェアの更新＞で「Mobile Intel 945 Express Chipset Family」として認識させることができます(画面解像度は維持されてAeroも利用可能)。
(3)ネーティブ実行環境とVMware Fusionでの実行環境では認識されるハードウェアに大きな差がありますが、
VMware Fusionでの実行環境でVMware Toolsをインストールしている場合はWindowsの再認証はVMware Fusionでの初回起動時だけで済むようです。
※出典：「Getting Started with VMware Fusion」

１２．VMware FusionによるBoot CampパーティションのWindows VistaからMac周辺機器の利用

Boot CampパーティションにインストールしたWindows VistaをVMware Fusion環境で実行する場合、種々のMac周辺機器を利用できます。
いくつかの例を紹介します。

Bluetooth対応Apple Mighty Mouse
(1)Mac OS Xで初めてBluetooth対応Apple Mighty Mouseを使用する場合は「Bluetooth設定アシスタント」の「Bluetoothマウス設定」で設定を行います。
(2)Boot CampパーティションのWindows VistaネーティブでApple Mighty Mouseを使用する場合はコントロールパネルの「Bluetoothデバイス」の追加操作を行います。
(3)VMware FusionによるBoot CampパーティションのWindows VistaからBluetooth対応Apple Mighty Mouseを使用するには、
一旦"/Users/ユーザ名/Library/Application Support/VMware Fusion/Virtual Machines/Boot Camp/%2Fdev%2Fdisk0/Boot Camp partition"を削除します。
次に、「VMware Fusion Library」の「Boot Camp partition」を選択してWindows Vistaを起動します。
"/Users/ユーザ名/Library/Application Support/VMware Fusion/Virtual Machines/Boot Camp/%2Fdev%2Fdisk0/Boot Camp partition"が再作成されます。
これでVMware FusionでのWindows VistaでBluetooth対応Apple Mighty Mouseが使用できるようになります。
薄型のApple Keyboard
VMware FusionによるBoot CampパーティションのWindows Vistaから薄型のApple Keyboardを使用するには、
一旦"/Users/ユーザ名/Library/Application Support/VMware Fusion/Virtual Machines/Boot Camp/%2Fdev%2Fdisk0/Boot Camp partition"を削除します。
次に、「VMware Fusion Library」の「Boot Camp partition」を選択してWindows Vistaを起動します。
"/Users/ユーザ名/Library/Application Support/VMware Fusion/Virtual Machines/Boot Camp/%2Fdev%2Fdisk0/Boot Camp partition"が再作成されます。
これでVMware Fusion環境のWindows Vistaで薄型のApple Keyboardが使用できるようになります。
プリンタ
VMware Fusion環境のWindows VistaからMac OS X側のプリンタを使用するには日本アップルのサイトから「Bonjour for Windows」をダウンロードしてWindows Vistaにインストールします。
そのインストールで作成された「Bonjourプリンタウィザード」を起動してまず共有プリンタを選択します。
次にドライバをインストールすることでMac OS X側のプリンタを使用できるようになります。
尚、ここでのポイントは表示されたMac用ドライバ(例：Generic/Postscript)を選択することです(＜ディスク使用＞ボタンは通常使用しません)。

「Bonjourプリンタウィザード」で定義されたプリンタの名前は「Mac側プリンタ名 @ Macマシン名」となります。

１３．64ビット版KNOPPIXのネーティブ実行

Boot CampパーティションにインストールしたWindows VistaのパーティションはMac OS Xのデスクトップには「Untitled」というボリュームでマウントされます。
Mac OS XからWindows Vistaのパーティション(Untitled)は読み込み専用モードでアクセスできます。

ここでは64ビット版KNOPPIX(Ver 5.1.1)をネーティブ実行し、KNOPPIXからMacマシンのパーティション構成やWindows Vistaのパーティション内容を確認してみます。

64ビット版KNOPPIX(Ver 5.1.1)のDVDセット
Cキーを押しながらMacマシンをPower On
KNOPPIXのbootプロンプトでEnter
デスクトップ操作
KNOPPIXではMacの有線LANでのネットワーク利用も可能です。
Macマシンのパーティション確認
QTPartedでMacマシンのパーティションを確認してみます。
Windows Vistaパーティションの内容確認
KonquerorでWindows Vistaパーティション(/dev/sda3)の内容確認を行います。

１４．KNOPPIXでのXen(HVM：完全仮想化)実行

32ビット版のKNOPPIX 5.1.1 Xen 3.0.4(CD版)をネーティブ実行してXenのHVM(完全仮想化)を試してみました。
更にKNOPPIX側からMacマシンのパーティション構成も確認してみました。

KNOPPIX 5.1.1 Xen 3.0.4のCDセット
Cキーを押しながらMacマシンをPower On
KNOPPIXのGRUBエントリの一時的変更
GRUBの「KNOPPIX/Xen 3.0.4-0」エントリのkernel行にdom0_mem=512mを追加します。
また最初のmodules行にlang=jaを追加してKNOPPIXをブートします。
HVMドメインの起動
デスクトップ表示後、Root Shellから「knoppixHVM」を実行してHVMドメインを起動します。
HVMドメインのGRUBでは「KNOPPIX (normal kernel)」を選択してブートします。
HVMドメイン実行の様子とMacマシンパーティション構成確認

１５．KNOPPIXでのOpenGL動作確認

Berylが使用できる32ビット版のKNOPPIX 5.1.1(CD版)をネーティブ実行してそのOpenGLを試してみました。

Beryl対応KNOPPIX 5.1.1のCDセット
Cキーを押しながらMacマシンをPower On
boot:プロンプトでの指定内容
boot:プロンプトで「knoppix lang=ja desktop=beryl」を指定します。

尚、このKNOPPIXでの/etc/X11/xorg.confのDeviceセクションのDriverは「i810」となります。
デスクトップ効果確認
KNOPPIX側からMacマシンのパーティション構成確認中のデスクトップをキューブ表示してみました。

１６．Mac OS XのRDCによるWindows Vista接続

RDC Client for Mac 1.0.3まではWindows Vista接続を正式サポートしていませんでした。
しかしRDC Client for Mac 2.0ではIntel Mac対応かつWindows Vista接続が主たる追加サポート項目になっています。
RDC Client for Mac 2.0のBeta 1(英語版)が2007年8月1日にリリースされましたのでそれを利用して、
VMware Fusion上で実行しているWindows Vista(Boot CampパーティションのWindows Vista)に接続してみました。

RDC Client for Mac 2.0 Beta 1のインストール
マイクロソフトのサイトで公開しているRDC200_EN_Beta1.dmgをダウンロードします。
そのdmgをマウントして「Remote Desktop Connection」ボリューム中のInstall Remote Desktop Connection.pkgを起動してインストールを行います。
インストールで指定するのはRDCのインストール先ボリュームだけです。
インストールが完了すると「アプリケーション」フォルダ直下に「Remote Desktop Connection」が登録されます。
そのアイコンはWindows Vistaを表しています。
Windows Vista側の設定
コンピュータのプロパティの「リモートの設定」で、＜リモートデスクトップを実行しているコンピュータからの接続を許可する＞を有効にしておきます。
RDC ClientからのWindows Vista接続
「アプリケーション」フォルダの「Remote Desktop Connection」を起動してWindows Vistaのアドレスを指定して接続を行います。

尚、RDCのオプションは[RDC]－[Preferences]メニューで指定できます。
RDCデスクトップ例
Windows VistaからMac OS X側プリンタの利用
例えばWindows VistaのIEからWebページをMac OS X側のプリンタで印刷する場合はIEの「印刷」画面で、
プリンタとして「([Mac OS Xのマシン名]からの)プリンタ名」を選択して印刷を実行すればOKです。
IEで表示されるフォントはメイリオにしてもIEの表示上はメイリオにはなりませんが、印刷フォントはメイリオになります。
※Mac OS X側の無線LAN用プリンタもRDCのWindows Vistaから利用できます。
Dockアイコン
RDCクライアントのウィンドウのタイトルはWindows Vistaのアドレス(今回はmacvista)となります。
このためRDCクライアントのDockアイコンにはWindows Vistaのアドレス(今回はmacvista)が表示されます。

１７．その他

VMware Fusion終了後のWindows用パーティションの手動マウント
Boot CampでWindows用パーティションを作成してWindowsをインストールした場合、
Mac OS Xのデスクトップには「Untitled」というボリュームがマウントされて表示されます。
またVMware FusionでBoot CampパーティションのWindowsを起動するとVMware Fusionがそれを占有できるように
「Untitled」というボリュームは自動アンマウントされてデスクトップからそのUntitledアイコンは消えます。
しかしVMware Fusionが終了した場合にも「Untitled」というボリュームは自動マウントされません(従ってデスクトップへのUntitledアイコンの復活なし)。
この場合はディスクユーティリティを起動してそのUntitledボリュームを手動マウントすることでデスクトップにUntitledアイコンが復活します。
Boot Campパーティションの削除
Mac OS X側のBoot Campアシスタントを使用してBoot Campパーティションの削除が行えます。
具体的には、Boot Campアシスタントの「起動ディスクを単一ボリュームに復元」画面で＜復元＞ボタンを押します。
これによってWindowsパーティションが除去されてディスクが単一ボリュームに復元されます。
Mac OS Xを再起動してディスクユーティリティを起動すると「Untitled」ボリュームが無くなっていることが分かります。