VirtualBox 仮想ディスク共用
VirtualBoxは大きく分けてWindows, Mac OS X, Linux, Solaris(OpenSolaris)版の4種類あります。
Intel MacではこれらのOSがすべて動作しますが、
Intel Macでの代表的トリプルブート対象OSはMac OS X, Windows, Linuxです。
このトリプルブート環境でVirtualBoxを使用する場合どのホストOS上でも同じゲストを起動したい場合もあると思います。
(例:Mac OS X上で変更を加えたゲストOSをそのままWindows/Linux上のVirtualBoxから利用可能とします)
そこでここではIntel Macでのトリプルブート環境でVirtualBoxゲストの仮想ディスクを各OSで共用する方法を紹介します。
今回の仮想ディスク共用環境は以下の通りです。
(1)マシン本体:Intel Mac
(2)トリプルブート環境用OS;
・Mac OS X 10.6(Snow Leopard)
・Windows 7(Boot Camp上)
・Ubuntu Desktop 9.04
(3)OS選択方法:rEFIt利用
(4)VirtualBoxゲストOS:Ubuntu Desktop 9.04(仮想ディスク容量は3GB以上)
1.仮想ディスク共用の前提条件
共用仮想ディスクはジャーナリングなしのMac OS 拡張パーティションに格納します。
理由は以下の通りです。
(1)FAT32パーティションではどのOSからも書き込み可能ですが仮想ディスクは2GBを超えられません。
(2)ジャーナリング付きのMac OS 拡張パーティションでは以下の制限があります。
・Windowsからは読み取りしかできません(ジャーナリングなしのMac OS 拡張パーティションでも同様)。
・Linuxからも読み取りしかできません(但し、ジャーナリングなしのMac OS 拡張パーティションには書き込み可能)。
そこでWindows側にMacDrive(7.0J)を導入することでジャーナリング有無に関係なくMac OS 拡張パーティションに書き込み可能となります。
MacDrive(7.0J)のインストーラはWindows 7には未対応ですがVista互換モードでWindows 7にインストールできます。
尚、Snow Leopardの場合は次の手順でNTFSのBoot Campへの書き込みも可能となります。
(1)インストールしたWindowsにBoot Camp用ドライバをインストールします(これでボリュームラベルがBOOTCAMPになります)。
(2)Mac OS X側の/etc/fstabに「LABEL=BOOTCAMP none ntfs rw」という行を追加します(通常、/etc/fstabは新規追加)。
(3)最近のLinuxではNTFSへの読み書きが標準サポートされていますのでNTFSの共用パーティション化が実現できます。
2.パーティション構成例
トリプルブート環境のパーティション構成例を以下に示します。
パーティション(容量) | ファイルシステム | 用途 | 備考 |
/dev/sda1(0.2GB) | FAT32 | EFI |
|
/dev/sda2(160GB) ボリューム名:Macintosh HD | Mac OS 拡張(ジャーナリング) | Mac OS X本体, アプリ | rEFItの導入領域 |
/dev/sda3(60GB) ボリューム名:Macintosh HD2 | Mac OS 拡張 ※ジャーナリングなし | OS間共有パーティション | 各OSから書き込み可能 |
/dev/sda4(20GB) ボリューム名:BOOTCAMP | NTFS | Windows 7 | Boot Campパーティション |
/dev/sda5(15GB) | ext3 | Ubuntu 9.04 | ホストOSとしてのUbuntu |
WindowsをインストールできるBoot Campパーティションはパーティション#4(sda4)までの範囲です。
尚、今回のBoot Campパーティションは最後のパーティションでないこともありdiskutil resizeVolumeでパーティション分割します。
※Boot Campアシスタントは使用しません。
下記はdiskutil resizeVolumeのコマンド例です。
sudo diskutil resizeVolume disk0s2 160G \※便宜上改行
"HFS+" "Macintosh HD2" 60G \※便宜上改行
"MS-DOS FAT32" "BOOTCAMP" 20G \※便宜上改行
"MS-DOS FAT32" "UBUNTU" 15G
|
上記で"HFS+"部分は"Journaled HFS+"にはしないようにします。
2.各OSのインストール
- Mac OS X
Mac OS Xは既にインストールされているものとします。
rEFIt-0.13.dmgをダウンロードして開きその中のefiフォルダを丸ごとMacintosh HDにコピーします。
その後、次のコマンドを実行します。
cd /efi/refit
./enable.sh
※sudoとして実行されるのでパスワードを入力します。
- Windows 7
Windows 7のインストールDVDからBOOTCAMPパーティションにWindows 7をインストールします。
Windows 7インストール後、更にMacDrive 7.0JをVista互換モードでインストールします。
- Ubuntu Desktop 9.04
(1)インストールCDからUbuntu Desktop 9.04をインストールします。
(2)お好みに合わせてCompiz Fusion関連パッケージもインストールします(任意)。
(3)実際の環境によってはUbuntu Desktop 9.04インストール後のWindows起動ができなくなることも考えられます。
その場合はWindows 7インストールDVDからブートしてコンピュータの修復を実行します。
3.Windows版VirtualBox操作
(1)Windows版VirtualBoxをインストールします。
お使いのキーボードタイプに応じてVirtualBoxの環境設定でホストキー(デフォルトはRight Ctrl)を設定します。
(2)仮想マシン(ここではvb3cu904とします)を定義します。
主な定義内容は以下の通りです。
・メモリ:1024MB
・新規仮想ディスク:Macintosh HD2(F:)\VB3CGuest\vb3cu904\vb3cu904.vdi(容量固定サイズ型で3GB)
・ビデオメモリ:128MB
・3Dアクセラレーションの有効化:on
・ネットワーク:ブリッジネットワーク(またはNAT)
・ネットワークの[高度]設定でのMACアドレスを控えておきます(他のOS用VirtualBox利用で使用します)。
(3)Ubuntu 9.04をインストールします。
(4)Guest Additionsをインストールします。
(5)Compiz Fusion関連パッケージをインストールします(任意)。
(6)VirtualBox実行のデスクトップ例;
(拡大画像)
4.Mac OS X版VirtualBox操作
(1)Mac OS X版VirtualBoxをインストールします。
お使いのキーボードタイプに応じてVirtualBoxの環境設定でホストキー(デフォルトRight Ctrl)を設定します。
(2)仮想マシン(ここではvb3cu904とします)を定義します。
主な定義内容は以下の通りです。
・メモリ:1024MB
・既存の仮想ディスク:Macintosh HD2の/VB3CGuest/vb3cu904/vb3cu904.vdiを選択。
・ビデオメモリ:128MB
・3Dアクセラレーションの有効化:on
・ネットワーク:ブリッジネットワーク(またはNAT)
※Mac OS X版VirtualBox 3.10.0ではブリッジオプションを使用できない場合があるようです。
・ネットワークの[高度]設定でWindows版仮想マシン定義で設定されたMACアドレスを指定します。
(3)Guest Additionsの重複インストールは不要です。
(4)VirtualBox実行のデスクトップ例;
(拡大画像)
5.Linux版VirtualBox操作
(1)Linux版VirtualBoxをインストールします。
お使いのキーボードタイプに応じてVirtualBoxの環境設定でホストキー(デフォルトRight Ctrl)を設定します。
(2)仮想マシン(ここではvb3cu904とします)を定義します。
主な定義内容は以下の通りです。
・メモリ:1024MB
・既存の仮想ディスク:Macintosh HD2のVB3CGuest/vb3cu904/vb3cu904.vdiを選択。
・ビデオメモリ:128MB
・3Dアクセラレーションの有効化:on
・ネットワーク:ブリッジネットワーク(またはNAT)
・ネットワークの[高度]設定でWindows版仮想マシン定義で設定されたMACアドレスを指定します。
(3)Guest Additionsの重複インストールは不要です。
(4)VirtualBox実行のデスクトップ例(ホスト/ゲスト共にCompiz Fusion利用);
(拡大画像)