Linux Mandrake 7.2環境
2001年2月23日にMeister Linux Mandrake 7.2(マンドレイク7.2)がリリースされました(基本的にRed Hat 7互換です)。
ここではMandrake 7.2の環境について簡単に紹介します。
(1)インストール用CDについて
Mandrake 7.2付属のインストール用CDはブータブルCDになっておりますが最近のディストリビューションパッケージの流れでしょうか「インストール用FD」は付いていません。
でもこのインストール用CDはWindowsでのAutorun対応になっていてWindowsでそのCDをセットすると次のメニュー画面が出てきます。
- 「Quick install guide」ボタン
Windows95/98/MeのパーティションにMandrakeをインストールする方法やインストール用FDの作成方法などの説明が表示されます。
- 「Linux-Mandrake tutorial」ボタン
Gnome ToasterによるCD-Rへの書き込み方法などを含めたいろいろな使い方について紹介しています。
Linux-MandrakeのDemo and Tutorial Centerはhttp://www.linux-mandrake.com/en/demos/にあります。
- 「Create boot diskette」ボタン
これはインストール用FDを簡単なGUI操作だけで作成するためのボタンです。
このボタンを押してcdrom.imgを選択してFDに書き込めばインストール用FDの出来上がりです。
(2)ユニークなMandrake 7.2インストーラ
Mandrake 7.2のインストーラは独自のGUI画面になっていて左側にはインストール(項目設定)の流れが一目で分かるようになっています(既に設定した項目の箇所にマウス操作で戻ることもできます)。
ここでユニークなのはインストールクラスで「エキスパート」を選択した時に表示されるメッセージです。
「あなたは本当にエキスパートなんでしょうね」と疑いをかけるような面白いメッセージが表示されます。
(3)グラフィカルログイン画面
グラフィカルログイン画面にはrootを含めた各ユーザのアイコン一覧が表示されます。
(Mac OS 9のログイン画面もそんな感じでした)
ログイン画面で選択できるセッションタイプは以下の通りです。
- KDE
- Gnome
- WindowMaker
- Enlightenment
- BlackBox
- AfterStep
- IceWM
- Sawfish
- Fvwm2
- Fvwm1
(4)デスクトップ環境
デスクトップ環境としてGNOME 1.2, KDE 2.0(正確にはKDE 2.0.1)が自動インストールされます(AfterStep等も)。
GNOMEもKDEも日本語対応版でありでもちろん日本語入力も行えます(但しインストーラの不具合によりインスール後にCannaを手動でインストールする必要があります)。
(5)DrakConf
デスクトップアイコン中のDrakConfというのは各種設定ツールのランチャみたいなものです。
更にDrakConfを使えばグラフィカルログイン時の「一般ユーザの自動ログイン設定」も行えます。
(6)Netscape Communicator
Mandrake 7.2にはNetscape Communicator 4.75が標準で付いています。
他のライブラリとの組み合わせかも知れませんがちょっと不安定な感じがしました。
例えば[編集]−[editPreferences]を実行するとNetscape Communicatorの画面が消えてしまいます。
とりあえずオープンギャラリーをアクセスしてみました。
(7)GIMP 1.2
Mandrake 7.2にはGIMP 1.2が付属しています(正確には1.2.1のようです)。
(8)他のLinuxアクセス
telnetでTurboLinuxにログインしてみました。
(9)KOffice
Mandrake 7.2のKOfficeにはKChart, KIllustrator, KPresenter, KSpread, KWordが含まれています。
- KIllustratorサンプル
- KWordサンプル(GNOME環境で実行してみました)
(10)Qt Designer
Mandrake 7.2にはQt Desinger(ビジュアルGUIビルダ)が付属しています。
外観はMLD 5のものと同じです。
(11)Windowsパーティションの自動マウント
Windowsがインストールされている環境にMandrake 7.2をインストールするとLinux起動時にWindowsパーティションが自動マウントされます。
例えばWindowsパーティションのドライブが「c」と「d」の2個あったとすると「/mnt/win_c」と「/mnt/win_d」にそれぞれ自動マウントされます。
Windowsパーティションの他にCD-ROMやFDも自動マウントの対象となります。
CD-ROMやFDをセットするとmountコマンドを入力しなくても/mnt/cdromや/mnt/floppyがすぐに利用できます。
(12)GRUBブートローダについて
Mandrake 7.2をインストールするとGRUBブートローダがインストールされます(GRUB:Grand Unified Bootloader)。
Windowsがインストールされている環境にMandrake 7.2をインストールするとGRUBブートローダのメニューには以下のものが表示されます。
- linux
Mandrakeの起動を行うデフォルト値です。
- failsafe
Mandrakeのブートに先立っていろいろな設定を変更できるモードです。
例えば次のような設定変更が行えます。
- IPアドレスの変更
- ネットワークカードのI/OポートアドレスやIRQの変更
- rootパスワードの変更
- デフォルトブートモードの変更
また過去のブートログも参照できます。
- dos
FATパーティションからのブートを実行します。
- floppy
FDからのブートを実行します。
尚、GRUBブートローダの画面からランレベル3でのブート手順は次の通りです。
- 「e」キー押下
- もう一度「e」キー押下
- 「grub edit > kernel xxx(途中略)xxx root=/dev/xxx 」の後に「3」を入力してEnterキーを押下
- 「b」キーを押下
これでテキストベースのログインモードになります。
(13)ベンダサポートについて
LASER5が発売している「Meister Linux Mandrake 7.2」はベンダサポートの対象外となっています。
但し、その障害対策方法はhttp://www.laser5.co.jp/package/mandrake/fault/index.html(Meister Linux Mandrake 7.2 テクニカル情報)にて公開されています。
日本語対応関連の対策情報が目立つようです。