Linux KDE 2.0.1環境
2000年10月23日にKDE 2.0がリリースされました。
KDE 2.0では従来のファイルマネジャであるKFM(ファイルマネジャ兼Webブラウザ)に代って新しいKonqueror(コンカラ)とうものがサポートされました。
Konqueror(優勝者とか征服者という意味の「conqueror」を文字ったもの)もファイルマネジャ兼WebブラウザですがJava, JavaScriptもサポートされました。
「Conqueror」には最強のファイルマネジャ/ブラウザに育てたい、あるいは最強のデスクトップアプリに仕上げたいという開発者の強い願いが込められているような気が致します。
尚、KDE 2.0ではKOfficeという統合ソフト(ワープロ、表計算ソフト等)も同時にサポートされています。
さて、2000年12月4日にはバイナリファイルも含めたKDE 2.0.1がリリースされました。
今後リリースされるLinuxディストリビューションにはKDE 2.0が標準搭載されると思います(日本語KDE 2.0搭載の某ディストリビューションが年内にリリースされるとのことです)が今回はRed Hat 7J環境にKDE 2.0.1を導入して少し試してみましたので紹介します(12月10日時点ではKDE 2.0.1用の日本語対応版は無く基本的に英語環境のままです)。
(1)KDE 2.0.1導入手順
- Red Hat 7用のRPMファイル群をダウンロードします(KDEのftpサイトから):ftpサイトの画像(12月10日時点)
ダウンロードするものはQt 2.2.2 & KDE 2.0.1です。
- Qt 2.2.0からQt 2.2.2へのアップグレード
「rpm -Uh xxx.rpm」を使ってQtをアップグレードします。
(gnoRPMツールでアップグレードしようとしたのですがどうしても異常終了し結局rpmコマンドを直接使いました)
Qt 2.2.2にはQt Desinger(ビジュアルGUIビルダ)が含まれています。
このDesignerを使ってフォームの作成が簡単に行えます。
- KDE 1.1.2の削除
gnoRPMを使ってすべてのKDE 1.1.2パッケージを削除します。
kdelibs, kdesupport, kdebaseはもちろんのことkorganizer(これはkdepimになるため)なども削除します。
- KDE 2.0.1のインストール
KDE 2.0.1のRPMをフルインストールします(RPMなので高速にインストールができます)。
- テスト用ユーザの作成(必須ではありません)
既にGNOMEやKDEを使ったことのあるユーザIDでKDE 2.0.1を使うとKDEアプリ以外のGIMP等のメニューなどで文字化けが発生します。
既存の設定情報を一切変えずにKDE 2.0.1を使いたい場合はKDE 2.0.1インストールの後にテスト用のユーザIDを作成するのがよいかと思います。
- そしてログイン
グラフィカルログインモードを使っている場合には上記で作成したテスト用ユーザIDを使ってKDEセッション指定でログインします。
(尚、ランモード3で動かしている場合にはコンソールからそのユーザIDでxinitコマンドを打ち込んで、次にstartkdeを実行すればKDE 2.0.1のデスクトップが現れます。
KDEのデスクトップが表示されるときに「コンコンコンドゥドゥドゥ...ドーン」というKDEのテーマサウンドが鳴り響きます(ログアウト時は別のサウンド)。
- KDE起動時のサウンドファイル:/usr/share/sounds/KDE_Startup.wav
- ログアウト時のサウンドファイル:/usr/share/sounds/KDE_Logout.wav
(2)KDE 2.0.1デスクトップの外観
KDE 2.0.1の標準のデスクトップテーマのスタイルは「B3/KDE」になっています。
このB3/KDEスタイルの場合のKDEアプリにおけるメニュー、ボタン、スクロルバーなどはBeOSのような印象を受けました。
- デスクトップ全体(実寸大:1024x768サイズ)
- KDEメニュー(KOffice用のOfficeメニューが加わります)
- KDEパネル
KDEパネルの右端に表示される時計はデフォルトではアナログ表示ですが時計の右クリックメニューからデジタル表示に変更できます。
日時の調整画面はWindowsライクです(当然root権限でしか変更はできませんので一般ユーザがこの操作をしようとするとrootユーザのパスワードを求められます)。
- デスクトップメニュー
デスクトップを右クリックして表示されるデスクトップメニューはこんな感じです。
- 音楽CDの演奏(Xscd)
XscdのConfigurationでEnable Remote CDDBオプションを有効にするとCDデータベースから自動的に曲名を取得して表示してくれます(従来からあったオプション機能です)。
(3)コントロールセンタ
KDEコントロールセンタは機能・操作性共に大きく改善された印象をもちました(GUIインタフェースや外観の変化により一層そのように感じてしまうのでしょうか...)。
- テーマスタイルの変更
[Look & Feel]−[Themes]−[Style]でスタイル変更できます。
- カラースキーマの変更
[Look & Feel]−[Colors]でカラースキーマを変更できます。
(4)Konqueror
Konquerorの実体はkonquerorとkfmclientです。
- ファイルマネジャとして
画像のプレビュー表示ができます。
「mount -t vfat -r /dev/hda1 /mnt/win」でWindows Meのパーティションをマウントして、「My Documents/My Pictures」フォルダの中を表示してみました(日本語ファイル名の都合で同じ画像のものが複数表示されています)。
- Webブラウザとして
ブラウザの設定([Setting]−[Configure]−[Browser])でJava機能を有効にしてJavaアプレット付きのWebページを表示してみました。
- ドキュメントビューアとして
Konquerorはそれ自身の中で画像ファイル、テキストファイル、psファイル等を直接開いて閲覧することができます。
またwavファイルの再生もできます。
(5)KOffice
- KWordサンプル
- KSpreadサンプル
- Kword文書へのKSpread文書の埋め込み
KWordの[Tools]−[Create KSpread Table Frame]メニューで既存のKSpreadファイルの内容をKWord文書に埋め込むことができます。
- KDE Crash Handler
KDEアプリが異常終了するとKDE Crash Handlerが現れます。
KOfficeのワークスペース操作中によく現れました。
(6)端末画面(Konsole)
自ホストにtelnetでログインしてみたところです。
Konsoleの下には「New」メニューがあります。
Newで「Root Console」を選択するとそのKonsole上にRoot Console画面が現れrootユーザのパスワードが求められます。
パスワードを入力するとrootユーザモードになります(プロンプト記号が「$」から「#」になります、但しカレントディレクトリは継承されます)。
(7)KDE環境での非KDEアプリの実行
KDE環境でGIMP等の非KDEアプリを実行してみました。
特に問題なく動作するようです。
(8)GNOME環境でのKDEアプリの利用
GNOME環境でもKDEアプリは特に問題なく使用できます。
(9)Oracleアクセス
これはKDE 2.0.1とは直接関係しませんがネットワークテストの一環として他のLinuxマシンのOracleをアクセスしてみました。