QNX 6.0でのSamba環境
QNXとネットワーク接続された他のOSとのデータ交換方法としてはftpやNFS等いろいろな方法があります。
今回はQNX 6.0環境でSambaを使ってLinux側からQNXのファイルシステムをリモートマウントしたり、QNXからLinuxやWindowsのデータを利用してみました。
尚、今回使用したSambaはVer 2.0.7版です。
(1)Sambaソースの入手
QNX RTPの標準パッケージにはSambaは含まれていないようです。
QNX対応のSambaソース及びその導入説明は次のいずれのサイトからでも入手可能です。
(2)QNXへの組込み方法(rootで作業します)
- コンパイル
gunzip < samba-2.0.7-nto.tgz | pax -rv
(これによりsamba-2.0.7というディレクトリ内にソース類が一式展開されます)
cd samba-2.0.7/source
./configure
make install
この「make install」により/usr/local/samba/bin中にsmbd,smbclient,smbpasswd等の実行形式ファイルが作成されます(smbmountはありません)。
- root用「.profile」の変更
root用「.profile」に以下の行を追加します。
export PATH=$PATH:/usr/local/samba/bin
- smb.confのコピー
上記の「make install」によりsamba-2.0.7/examplesディレクトリにsmb.confの雛型が作成されます。
このsmb.confを/usr/local/samba/lib/smb.confにコピーします。
- smb.confの設定
/usr/local/samba/lib/smb.confの設定内容をSambaの利用環境に合わせてカスタマイズします。
パスワードの暗号化を行う環境の場合にはsmb.confの中に以下の記述を入れておきます。
encrypt passwords = yes
smb passwd file = /usr/local/samba/lib/smbpassword
- ユーザ&パスワードの登録
QNXのSambaサーバの利用環境においてパスワードの暗号化が必要になる場合にはsmbpasswdにてユーザ&パスワードの登録を行います(下記はamberユーザの登録例です)。
smbpasswd -a amber
ここで「New SMB password」のプロンプトが出ますのでそのユーザのパスワードを指定します。
(3)QNX内Sambaサーバの利用
- Sambaサーバ(SMBデーモン)の起動
QNX内でSambaサーバ(SMBデーモン)をとりあえず起動するにはrootで以下のコマンドを入力すればOKです。
smbd restart
- 他のOSからのQNX内Sambaサーバアクセス
ここではLinuxからQNXのファイルシステムをリモートマウントする例を紹介します。
前提条件としてはLinux側にもSambaがインストールされている必要があります。
Linux側から「smbmount //QNXマシン名/共有リソース名 マウント先 -U ユーザID」を使ってQNX側の共有リソースをリモートマウントします。
下の画面は「QNX上のXサーバ上でLinux内のGIMPを操作し、かつそのGIMPでQNX側のローカルファイルを扱えるようにする」ためにQNXからLinuxにtelnetで入ってLinux側からQNXの共有リソースをリモートマウントした例です(ちょっと混乱しそうな適用事例ですが...)。
- QNXからLinuxにtelnetで入ってQNX側の共有リソースをリモートマウントした例
- QNX側の公開ディレクトリ
- GIMPでQNX側のローカルファイルを開くところ
- GIMPで開いたQNX側のローカルファイル
(4)QNXでのSambaクライアント
- QNXからLinux側Sambaサーバのアクセス例
- smbclientによるLinux側からQNXへのファイル取り込み
- Linux側から取り込んだ画像ファイルのQNX内所在確認
- Linux側から取り込んだ画像ファイルの表示
- Windows内ファイルのQNXへの取り込み
Linux側Sambaサーバ内のファイルをQNXからのsmbclientで取り込んだのと同じ要領でQNXからWindows内のファイルを取り込むことができます。
下の画像はWindows側から取り込んだファイルをQNXのイメージビューアで開いたところです。