QEMU on OpenSolaris(OpenSolarisの実行)
64ビットマシンに導入したx86, x86_64対応OpenSolaris環境に64ビット対応QEMUを導入してホストOSと同じOpenSolarisをゲストOSとしてインストールしてみました。
ここではその手順(QEMUの導入、OpenSolarisのインストール/実行)について紹介します。
1.マシン環境
「QEMU on Solaris」を動作させるホストマシン環境は以下の通りです。
- CPU:Core 2 Duo E6600
- メモリ:3GB
- VGAカード:nVIDIA GeForce 7600 GT(VRAM 256MB)
- HDD:S-ATA
- CD-ROM装置:内蔵(ATAPI)接続
- ホストOS:OpenSolaris(OpenSolaris Express Developer Edition:SunOS Release 5.11 Version snv_64a 64-bit)
2.QEMU on OpenSolarisの導入
- OpenSolaris用QEMUソースファイルの取得
今回使用したQEMUソースファイルは以下のものです。
※http://www.opensolaris.org/os/project/qemu/downloads/ から入手しました。
(1)libSDL 1.2.12(SDL-1.2-svn-20070524.tar.bz2)
(2)QEMU CVS Code drop - 2007/06/12, with patches(qemu-CVS-20070612-patched.tar.bz2)
※今回は簡単な動作確認のためKQEMUの導入は見合わせました。
- QEMUのインストール
ダウンロードしたQEMUソースの圧縮ファイルは/tmpにあるものとします。
以下のコマンドを実行してQEMUをインストールします。
※http://www.opensolaris.org/os/project/qemu/host/に記載されている手順をベースにしています。
# cd /tmp
# bzcat SDL-1.2-svn-20070524.tar.bz2 | tar xvf -
# cd /tmp/SDL-1.2
# PATH=/usr/sfw/bin:/usr/ccs/bin:$PATH
# export PATH
# ./autogen.sh
# CC="gcc -m64 -R/usr/sfw/lib/64" ./configure -prefix=/opt/qemu
# gmake
# gmake install
# cd /tmp
# bzcat qemu-CVS-20070612-patched.tar.bz2 | tar xvf -
# cd /tmp/qemu
# PATH=/opt/qemu/bin:$PATH
# export PATH
# ./configure --install=/usr/ucb/install -prefix=/opt/qemu -force-64bit
# gmake
# gmake install
3.QEMU環境へのOpenSolarisのインストールと基本動作確認
- 仮想ディスクの準備
今回はサイズ固定の16GBサイズの/myvm/opensolaris.img(17,179,869,184 バイト)を用意しました。
- 仮想ディスクへのOpenSolarisのインストール
- インストールDVDのセット
内蔵のCD/DVDドライブにインストールDVDをセットします。
- QEMUの起動
以下のコマンドでQEMUでのOpenSolarisインストーラを起動します。
# /usr/local/bin/qemu -m 1024 -hda /myvm/opensolaris.img -boot d -cdrom /dev/rdsk/c1t0d0p0 -net nic,model=rtl8139 -net user
【補足】
(1)OpenSolarisのインストーラはメモリ768MB以上を必要とします。
(2)/dev/rdsk/c1t0d0p0は内蔵CDROMドライブのデバイス名です。
(3)ネットワークはユーザモードネットワークを利用することにします。
- GRUBメニュー選択
GRUBメニューでは<Solaris Express, Developer Edition>を選択してブートします。
- ブートコンソール
まず、ブートコンソールに「SunOS Release 5.11 Version snv_64a 32-bit」と表示されます。
やがて、Setting up Java.等が実行されキーボード配列を指定します。
- GUIモードインストーラ操作
ここは実機でのインストール操作と全く同様です(rootのパスワードも設定)。
- DeveloperToolsのインストール
Sun Studio 12とNetBeans 5.5が追加でインストールされます。
- リブート
QEMUでの自動リブート(再起動)は失敗します。
- QEMU起動コマンドの変更
インストール後の再起動ではHDDからブートするためcdromの定義は不要となります。
以下のコマンドで再起動相当のことを行います。
# /usr/local/bin/qemu -m 1024 -hda /myvm/opensolaris.img -net nic,model=rtl8139 -net user
- グラフィカルログイン
rootでログインします。
- デスクトップ環境の選択
GNOMEとCDEの選択肢があります。
今回はGNOME(ver 2.16 for OpenSolaris)を選択しました。
- ネットワークインタフェース
OpenSolaris Express Developer Editionのインストーラはホスト名は「solaris-devx」とし、IPアドレス等はDHCPサーバから取得します。
今回はユーザモードネットワークを使用していますのでIPアドレスは10.0.2.15となります。
これはifconfig -aでrtls0インタフェースでのinet値として確認できます。
また、QEMU上のゲスト(OpenSolaris)はホストOS(OpenSolaris)の物理ネットワークにつながっている他のマシンにもネットワーク接続できます。
- QEMU環境OpenSolarisのデスクトップ
QEMU環境OpenSolarisからWebアクセスを行ってみました。