QEMU on Linux(Fedora Core 4への導入と実行)
QEMUは数多くのホストマシン(x86, x86_64, PowerPC, Sparc32等)上で数多くの仮想マシン(x86, x86_64, PowerPC, SPARC)をエミュレートできるソフトウェアです。
QEMUはLinux上で動作し、その仮想マシン上でBeOS, Linux, Solaris 9/10, Windows等を動作させることができます。
ここではLinux版QEMUをFedora Core 4に導入し、そのQEMU上でいくつかのOS(Windows XP含む)を簡単に動作させる方法を紹介します。
1.マシン環境
「QEMU on Linux」を動作させるホストマシン環境は以下の通りです。
- CPU:Pentium 4 1.7GHz
- メモリ:1GB
- VGAカード:nVIDIA GeForce 3(VRAM:64MB)
- ホストOS:Fedora Core 4 (32-bit版)
2.QEMU on Linuxの導入
今回は2005年9月4日にリリースされたQEMU 0.7.2を使用します。
http://fabrice.bellard.free.fr/qemu/からqemu-0.7.2-i386.tar.gz(バイナリ版)をダウンロードし「/」ディレクトリで展開します。
# cd /
# tar zxvf /ダウンロードディレクトリ/qemu-0.7.2-i386.tar.gz
本ファイルを解凍すると以下のプログラムが/usr/local/binにインストールされます。
- フルシステムエミュレーションプログラム
qemu
qemu-system-ppc
qemu-system-sparc
qemu-system-x86_64
qemu-system-mips ※組み込み系マシン(ARM/MIPS)用
- ユーザモードエミュレーションプログラム
qemu-i386
qemu-arm
qemu-sparc
qemu-ppc
更にQEMU用ディスクイメージ作成プログラムとしてqemu-imgもインストールされます。
尚、x86,ARM,SPARC,PowerPC実行ファイルを動作させるために必要なライブラリファイルqemu-gnemul-0.5.1.tar.gzもダウンロードし、同じく「/」ディレクトリで展開します。
以下のライブラリディレクトリが展開されます。
/usr/gnemul/qemu-arm/lib
/usr/gnemul/qemu-i386/lib
/usr/gnemul/qemu-ppc/lib
/usr/gnemul/qemu-sparc/lib
上記以外に下記ファイルもテスト用にダウンロードして解凍しておきます(解凍先は任意)。
qemu-tests-0.5.1.tar.gz(x86/ARM/SPARC/PowerPC用ダイナミックリンクのbusybox実行ファイルをQEMUでテストするためのバイナリ)
linux-test-0.5.1.tar.gz(QEMU Linuxデモ用ファイルでブータブルLinuxイメージlinux.imgを含む)
freedos.img.bz2(FreeDOSディスクイメージ)
small.ffs.bz2(NetBSDディスクイメージ)
sparc-test-0.2.tar.gz(SPARC Linux 2.6テストカーネル&initrdディスクイメージ)
linux-ppc-20040716.tar.bz2(GNU/Linux PPC) ※本ファイルはhttp://free.oszoo.org/download.htmlからダウンロードします。
3.デモファイルの実行テスト
4.Windows XPのインストールと実行
- ディスクイメージの作成
Windows XPをインストールするディスクイメージは以下のコマンドで作成します。
【例】
# qemu-img create -f qcow WinXPx86.img 4GB
- Windows XPのインストール画面
Windows XPのインストールはWindows XPインストールディスクをCD-ROMドライブにセットして下記コマンドを実行します。
# qemu -m 384 -boot d -cdrom /dev/cdrom -hda WinXPx86.img -user-net -localtime &
- Windows XPの実行
Windows XPの起動は下記コマンドで行えます(ネットワークはslirp利用のユーザモードネットワークを使用)。
# qemu -m 384 -no-kqemu -user-net -localtime WinXPx86.img &
実寸画像はこちらです。