OpenBSD環境
OpenBSD 2.9が2001年6月にリリースされました(OpenBSDは4.4BSD-Liteをベースにしています)。
ここではそのi386版(OpenBSD/i386)について簡単に紹介します。
(1)インストールとネットワーク設定
OpenBSD 2.9のCD-ROM(ブータブルCD)から簡単にインストールできます。
(但しOpenBSD 2.9のCD-ROMにはGIMP等のアプリケーションパッケージはほとんど含まれていません)
ネットワークの設定はOpenBSDのインストール(テキストベースのインストール)中に行えます。
ネットワークの設定では以下のものを指定します。
- IP Address
- Symbolic (host) name
- Netmask
- Media directives
例えば「media 10baseT」などです。
- default route
- primary nameserver
OpenBSDは市販のLinux/FreeBSDディストリビューションと違ってOpenBSDのCD-ROMからOSをインストールしてもすぐにいろんなアプリケーションや日本語環境が使えるというものではありません。
OpenBSDではアプリケーションをこつこつとインストールする必要がありますのでシステムの再インストール時はちょっと大変かも知れません。
(2)システム起動画面
OpenBSDをブートするとハードウェア情報が表示されますがその表示は青背景の白文字です。
途中から黒背景の白文字のコンソール画面に切り替わります。
(3)シェル
OpenBSD標準のシェルはCシェルになっています。
(4)Xウィンドウ
OpenBSD 2.9付属のXFree86のバージョンは4.0.3です。
(xf86configでXの設定をする際、PS/2マウスのプロトコルは「wsmouse」を選択し、マウスデバイスは「/dev/wsmouse0」を指定します)
OpenBSD 2.9付属の標準ウィンドウマネジャはfvwmで、startxでXを起動すると次の初期画面が表示されます。
初期画面の構成;
デスクトップの背景をちょっと変えてみました。
実寸画像はこちらです(サイズ:1024x768)。
XLockでロックしたXウィンドウをロック解除するためのパスワード入力画面は次のような表示です。
(5)ユーザの追加
ユーザの追加はuseraddコマンドで行います(OpenBSDにはadduser,rmuserなどのコマンドもあります)。
またユーザのパスワードの設定はpasswdコマンドで行います。
尚、追加したユーザの情報はuserinfoコマンドで確認できます。
(6)ネットワーク利用
(7)portsツリーの活用
アプリケーションをソースからコンパイルしてインストールする場合そのソース公開サイトの所在を探したり、手動でダウンロードするのはちょっと面倒です。
portsツリーを活用することでソースの所在を意識することなくアプリケーションを簡単にインストールすることができるようになります。
- portsツリーの取り込み
OpenBSD 2.9の2枚目CD-ROMにはportsツリーが含まれていますので次のようにして取り込むことができます(但しdistfilesの実体は含まれていません)。
mount -t cd9660 /dev/cd0a /mnt/cdrom
cd /usr
tar xzf /mnt/cdrom/ports.tar.gz
またportsツリーはcvsコマンドを使ってAnonymous CVSサーバから取り込むこともできます。
setenv CVSROOT anoncvs@anoncvs.ca.openbsd.org:/cvs
cd /usr
cvs -q get -PA ports(取り込みの様子はこんな感じです)
- アプリケーションのインストール例
portsツリーを使ってのAfterStepインストールは次のように行います。
cd /usr/ports/x11/afterstep
make install
rehash(pathから「afterstep」が見つけられるようにするためのものです)
この「make install」によってAfterStepのソースダウンロード、コンパイル、パッケージの作成、依存関係チェック、パッケージからのインストールといった一連のことがすべて自動的に実行されます。
ダウンロードされたソース(AfterStep-1.8.0.tar.gz)は/usr/ports/distfilesディレクトリに格納されます。
また作成されたパッケージ(afterstep-1.8.0.tgz)は/usr/ports/packages/i386/Allディレクトリに格納されます。
(そのシンボリックリンクは/usr/ports/packages/i386/x11ディレクトリに置かれます)
portsツリーを活用してソースからアプリケーションをインストールすることでOS依存のconfigureオプションなどを意識する必要がなくなります。
(8)GIMP
OpenBSDにGIMP(Ver 1.1.27)をインストールして使ってみました(こんな感じ)。
(9)シャットダウン
シャットダウンはshutdownコマンドで行います。
OpenBSDでのshutdown実行後のメッセージはこんな感じです。