Netscape 6(正式版) for Windows
Netscape Communicator 4.xの次期バージョンであるNetscape 6の正式版が2000年11月14日にWeb公開されました。
ここではNetscape 6の日本語版について少し紹介します。
味見の観点はPR3(Preview Release 3)との比較に重点を置き主に以下の観点としました。
- Netscape 6標準のモダンテーマの最終外観
- カスタマイズ用のテーマ
- 安定性
- 性能
尚、正式版のテスト環境は次の通りです。
- OS : Windows 2000 Professional
- CPU : Celeron 266MHz
- メモリ : 128MB
【Netscape 6リリース広告画面ショット】
(1)Netscape 6日本語版の所在
Netscape 6のSmartDownload用セットアップファイル(N6setup.exe)はftp://ftp.netscape.com/pub/netscape6/japanese/6.0/windows/win32/にあります。
このサイトにあるN6setup.exeをまずダウンロードします。
次にN6Setup.exeを起動すると必要なファイルが次々とダンロードされます(ダウンロードファイル数:20個)。
これは余談ですがSmartDownloadはやはり便利です。
ダウンロードの途中で<一時停止>ボタンを押しておくとその後インターネット接続を切っておいても再度インターネットに接続してSmartDownload画面の<再開>ボタンを押せばダウンロードを続行してくれます。
(2)「Netscapeについて」の画面
(3)Netscape 6標準のモダンテーマについて
Netscape 6標準のモダンテーマ及びクラシックテーマはPR3版から特に大きな変化は無いようです。
(4)カスタマイズ用テーマの入手とテーマの切替え
Netscape 6の[表示]−[テーマを適用]−[新しいテーマを取得]で「テーマパーク」にジャンプしてくれます。
(PR3の時にも[表示]−[テーマを適用]の中に[新しいテーマを取得]というものがありましたがこれを実行しようとしても何も起こりませんでした)
2000年11月17日時点においてこのテーマパークにはカスタマイズ用テーマとして以下の6種類用意されています(各々の外観の画像も紹介されています)。
- Sky Pilot
- Modern - Mozillium
- Orbit
- Grr-ly
- Early Blue
- PVSR
「Sky Pilot」というテーマはこれらのテーマ群の一番最初にあるためかこの中ではカスタマイズレベルが一番高いような感じを受けました。
新しいテーマの取り込みはテーマパークの中からテーマの<インポート>ボタンを押すだけで自動的にテーマがダウンロードされてNetscape 6の中に取り込んでくれます。
実際の取り込みはJavaScriptで実現されていますのでJavaScriptを使える設定にしておく必要があるとのことです。
インポートしたテーマは標準テーマと共に[表示]−[テーマを適用]サブメニューの中に一覧表示されます。
尚、[編集]−[設定]においてテーマの切替えとテーマのプレビュー機能がありますが標準テーマ以外のプレビューは残念ながら見ることができませんでした。
(5)「Sky Pilot」テーマ
モダンテーマを「Sky Pilot」テーマに切替えて外観を眺めてみました。
- オープンギャラリー
- メニュー文字の変化
メニュー部分にカーソルをもってくるとメニュー文字の背景表示が変化します。
またメニューを開くとメニュー文字の背景表示が更に変化します。
- ツールバーの右端にあるブラウザロゴファイル
Sky Pilotテーマではツールバーの右端にあるブラウザロゴファイルが「N」のロゴではなく「人物」ロゴになっています。
その「人物」ロゴにカーソルポインタをかざすとそのロゴがアニメーション表示となります。
- URLを指定するダイアログボックス
- 各種設定ダイアログ
[編集]−[設定]で表示される設定ダイアログにもテーマが適用されています。
- ダウンロードダイアログ
- その他
ツールバー、リンクバー、コンテンツ取り込み中のステータス表示、スクロールバーなど随所においてカスタマイズがなされています。
(6)テキスト表示サイズの設定について
Netscape 6の正式版では[表示]メニューに[テキストサイズ]が追加されました(PR3での[表示]メニューにはなかったものです)。
元の表示に対して300%の指定で表示したものがこれです。
(7)Javaへの対応について
Netscape 6のフルインストールでは「Sun Java 2」もインストールされてそのJava環境設定がされます。
「Sun Java 2」がインストールされるのはPR3でも同じだったのですが正式版でもJavasoftのホームページのJavaアプレットが動いてくれませんでした。
(8)安定性について
- Netscape 6を起動して初期表示されるべき日本Netscapeのホームページがいつまでたっても表示されないことがあります。
このような場合にはリロード用ボタンを押してみたり、本来表示される部分をマウスでクリックしたりすると表示されることがあります(壊れかかったテレビでもちょっとした衝撃を与えると画面や音が出たりするのを思い出してしまいました)。
もちろんこのような現象が常に発生するという訳ではないのですが表示にもたつくという点では「ちゃんと表示してくれるだろうか」という余計な不安を常に抱きながら使用しなければならないというのは精神衛生上ちょっと困りものです。
- Netscapeのウィンドウを複数開いてウィンドウの位置を変更する場合特定のウィンドウ以外のウィンドウでの再描画が間に合わずWebコンテンツの表示部がメチャクチャな表示になることがあります(Sidebarだけは何故か再描画がうまくいくようです)。
これは必ず起きるというものではないのですがやはりマシン性能(特にグラフィックカード)の問題なのでしょうか。
- [ファイル]−[印刷]を実行するとNetscape 6がクラッシュしてしまいました。
- Netscape 6を30分程度使用しているとデスクトップ自体がフリーズした感じになりNetscape 6のウィンドウ以外のデスクトップ部分でもマウスカーソルが普段と違う表示になったままという事象に遭遇しました。
これはWindows 2000 ProfessionalのタスクマネジャでNetscape 6を強制終了させることで何とかリブートせずに乗り切れました。
尚、Windows 9x系ではなくWindows 2000 Professionalの環境のためだと思いますが「ページ違反」での異常終了には遭遇していません。
(9)性能について
- Netscape 6の起動に時間がかかる。
Netscape 6を起動するとまずスプラッシュ画面が表示されます。
その後Java仮想マシンの設定が行われるのかどうか分かりませんがブラウザ本体が表示されるまで随分待たされる感じがします。
- Netscape 6ではコンテンツのレンダリングは速いようにPRされてきましたが自分自身の外観をもXULに従って頻繁に書き換えるアーキテクチャを採用しているためかなりCPU等のリソースを消費するという特性があるようです。
Netscape 6の性能特性にマッチした高速描画の高性能パソコンでないとNetscape 6の長所は出しにくいのかも知れません。
(10)翻訳画面での「alis Gist-InTime」ロゴ表示
翻訳結果のフレーム上に「alis Gist-InTime」のロゴ表示が復活したようです。
(PR3ではせっかくそれが表示されなくなり見た目がスッキリしたと歓迎していたのですが)
(11)その他
- Netscape Communicator 4.xと違って[Webの場所を開く]では前回入力値を記憶してくれないので間違いの訂正がちょっと不便です(アドレスバーを使えば別に問題はないのですが...)。
この件はPR3と同様です。
(12)個人的な印象
- 起動に時間がかかったり表示がもたついたりするので個人使用に限って言えば今のところNC 4.xからの積極的乗り換えにはちょっと消極的です。
- NC 4.xから比べると印刷機能の不備が修正されていたり、セキュリティ管理機能も強化されているようですので業務での利用では乗り換える人も多いかも知れません。
今回のNetscape 6はいろいろな問題を抱えているようですが無償ソフト扱いですので個人ユースとしてNetscape 6を使うかどうかは全く個人の判断ということになります。
さてInternet Explorerと比べた場合のアドバンテージはどんな感じなのでしょうか。この辺は専門家のご意見を是非伺ってみたいところです。