Mac OS X Public Beta & 製品版のご紹介

■ Mac OS X Public Beta

2000年9月13日にMac OS X Public Beta版が公開されました。
ここではMac OS X Public Betaが一体どのようなものなのかについて簡単にご紹介します。

(1)Mac OS Xとは

Mac OS X(MacOS X,MacOSXとも表記)は特定のMacintoshマシンをサポート対象とした商用のPC-UNIXです(BSDカーネルをベースとしたMacintosh版UNIX...というか後で述べるDarwinのディストリビューション)。
但しApple社ではこのことをあまりPRしていないようです(PC-UNIXと聞いて敬遠するユーザへの配慮でしょうか...)。

商用のMacintosh版UNIXとしては既にバークレー版BSDカーネルをベースとしたMachTenというものがありますがこのMachTenは従来のMacOS上で動作するものでした。
しかし「Mac OS X」は従来のMacOS上で動作するPC-UNIXではなく、特定のMacintoshマシン上でネーティブに動作するPC-UNIXです。
ただPC-UNIXと言ってもLinuxディストリビューションのようなものとはかなり違ったイメージのものでありUNIXの知識はほとんど必要としません。
またXウィンドウインタフェースも見た目には出てきません。
とは言ってもUNIX系OSですので起動時のログインは必須となります(自動ログインの設定もできますが...)。


(2)Mac OS Xの構成

さてMac OS Xの大雑把な構成ですがカーネル部分は「Darwin」と呼ばれています(Darwinはオープンソースとなっています)。
またMac OS Xの標準ユーザインタフェース部分は「Aqua」と呼ばれています。

基本的にMac OS Xは従来のMacOS 8.x,9.xとは互換性がありませんがMacOS 9アプリケーションを動作させる「Classic」と呼ばれるMacOS 9アプリケーション動作環境(MacOS 9互換ライブラリ)をサポートしています。

尚、UNIXシェル環境に直接アクセスするにはTerminalというアプリケーションを使用します。


(3)Mac OS Xのインストール

Mac OS XのCD-ROMをセットしてCキーを押したままマシンを起動するとMac OS Xのインストーラが起動されます。
Mac OS X Public Betaのインストール時に選択できる言語はEnglish,French,Germanですが「ことえり」(日本語変換ソフト)もインストールされます。
当然のことながらMac OS Xは従来のMacOS 8.x,9.xのアップグレード版OS(上位互換OS)ではありませんので従来のMacOSに上書きインストールすることはできません。
しかし一つのMacintoshマシンにMacOS 9とMac OS Xを同居させることはできます(どちらを起動するかは「起動ディスク」で指定)。


(4)Mac OS X Public Beta付属ソフト

Mac OS X Public Beta(費用は$29.95で2001年5月15日まで使用可能)に含まれるAqua対応の主なアプリケーションとしては以下のようなものがあります。


5.その他

Mac OS Xの具体的な操作方法はApple社のWebサイトで公開されているMacOSX_PB_Welcome.pdf等をご参照下さい。


■ Mac OS X Public Beta日本語版を試行して...

さて2000年10月21日よりMac OS X Public Beta日本語版の有償配布が始まっていますが、インストールが済んで一通りの動作確認を終えた一般ユーザの方はどんな印象をお持ちになっているのでしょうか...。

ここでは私がMac OS X Public Beta日本語版を試行した結果について簡単にレポートします。

(1)ハード/ソフト環境

(2)デスクトップの基本構成

(3)Terminalアプリケーション

私が比較的強い関心をもっていたのはこのTerminalアプリケーションです。
このTerminalアプリケーションこそがMac OS Xのカーネル(Darwin = Mach 3.0 + FreeBSD)がUNIX系であることを実感できる唯一のアプリケーションです。

(4)Internet Explorer

Mac OS X Public Beta日本語版に入っているIEはAqua対応の英語版ですが日本語のWebページについては[View]-[Character Set]-[Japanese(Auto Detect)] で奇麗な日本語が表示されます。
機能的にはユーザインタフェースがAqua対応になっただけですので各ドロップダウンメニューが半透明になったりDockからの開閉時に大げさなアニメーション表示されるなどの外観以外は従来のMac OS対応のIE5とあまり変わっていないようです。
尚、時々ですがgif画像の表示が途中で切れてしまったりすることもあり十分な完成度とは言えないようです。


(5)Grab

Grabというのは画面キャプチャツールでありApplicationsフォルダに入っています。
タイマーによる画面キャプチャも簡単に行えるようになっています。
キャプチャされた画像はキャプチャウィンドウにその内容が表示されtiff形式でのファイル保存ができるようになっています(保存先のデフォルトフォルダはもちろんログインユーザ別のDocumentsフォルダです)。


(6)Classic環境について

Mac OS 9が使えない状態でApplicationsフォルダのClassicを起動すると「Classicをブートする正しいシステムフォルダがありません。...」というようなメッセージが出てきました。
製品版でもMac OS 9.04は標準装備されないのでしょうか...。


(7)性能について

基本的なアプリケーションについてはPowerPC G3 500MHzかつ128MBメモリの環境でそこそこのスピードで動作するのですが一つだけ特に気になることがあります。
それはウィンドウサイズの変更が非常にもたつく(処理が重い)ということです。
Mac OS Xの場合ウィンドウの移動やウィンドウのサイズ変更時などは従来のMac OSと違って「ウィンドウ内容を表示したまま」というのが基本となります。
特にウィンドウサイズをウィンドウ右下のサイズボックスで変更しようとする場合にはその重さに閉口してしまいます。
ウィンドウサイズの変更は比較的よく使う操作なのでこのためにマシンをグレードアップするというのは一般ユーザにとってもつらいのではないかと思います。


(8)総合印象

Public Betaの段階では正確な判断ができない部分が多いのですがこのまま製品版になったとしてという前提で個人的な意見を並べてみたいと思います。


■ Mac OS X 製品版

(1)正式リリース迫る

「2001年3月24日にMac OS Xがリリースされるという通知」がAppleユーザに届きました(3月8日のメールで)。
Public Betaからの大きな進歩を期待したいところです。


(2)ついに登場

2001年3月24日、ついにMac OS X製品版がリリースされました。
カーネルはDarwin 1.3にアップされました(Public Betaでは1.2)。
手始めに日本語版Internet Explorer 5.1 Preview Release版オープンギャラリーをアクセスしてみました。
(ドック付き画面の様子はこちらにあります)

ところでUtilityフォルダにあるGrab(画面キャプチャツール)ですが特定ウィンドウだけのキャプチャ機能は今回のバージョンでは使えなくなっています(そのうちアップデーターが出ると思います)。


■ Mac OS X v10.1

2001年9月29日にMac OS Xの最初のメジャーアップグレード版であるバージョン10.1がリリースされました。
Mac OS X v10.1のカーネルは「Darwin 1.4」です。
デスクトップについてはドックが左右に配置できるようになりデスクトップ操作も楽になった感じがします。
Internet Explorerは正式版の「日本語版Internet Explorer:mac 5.1」が付属しています(IE 5.1でのオープンギャラリーアクセス)。


■ Safari



Mac OS X 10.3(Panther)上でのSafari(Webブラウザ)を試用してみました。
SafariはMac用Internet Explorerに比べてかなり動作の軽いタブブラウザです。
今回試用したSafariのバージョンは1.2です。



実物サイズの画像はこちらです。


Mac OS X ならではのSafariですが、Windows上でもSafariの雰囲気を味わってみました。
FireFox(Webブラウザ)のテーマとしてSafariライクなものを使用して個人用ツールバーもSafariに似せて、
最後はWindowBlindsのPantherテーマでウィンドウ装飾を仕上げたのがこちらです(フォントはOsakaフォントを使用)。
ObjectDockでのアイコンもSafariのもので代用してみました。


■ Mac OS X v10.4

2005年4月29日にMac OS X v10.4(Tiger)がリリースされました(200以上の新機能)。
主な新機能はSpotlight, Dashboard, Safari RSS等ですがテキストエディットで表の作成ができるようになったのは少し重宝します。



Mac OS Xを取り巻く環境はこのTigerによって大きく変化しました。



■ Mac OS X v10.5

2007年10月26日18時にMac OS X v10.5(Leopard:レパード)がリリースされました(300以上の新機能)。
※2007年10月16日に2007年10月26日リリースの発表がありその後カウントダウンが開始されました。



主な新機能は以下の通りです。
※1枚のMac OS X Install DVDにIntel Mac用LeopardとPowerPC用Leopardが収録されています。