Virtual PC for MacへのRed Hat Linux 9の導入

Microsoft Virtual PC for Mac Version 6.1(MacVPC6)にRed Hat Linux 9を組み込む手順を紹介します(実際にはVersion 6.1を6.1.1にアップデートして使用)。
尚、ホストOSはMac OS X v10.3です。


1.Macマシン環境

今回使用したMacマシンはMac OS X v10.3を動作させるにはちょっと古めのタイプのマシンです。

尚、Red Hat 9のインストール先はホストMacの内蔵HDD(IDE)内のディスクイメージとします。


2.ゲストPCの定義



3.ゲストOSのインストール

Red Hat 9を上記で定義したゲストPCにインストールする手順は以下の通りです。
尚、Red Hat 9をネーティブインストールする場合と同じ部分の説明は基本的に省略してあります。



4.ゲストOSのブート

PCリストのゲストPC名を選択して<起動>ボタンを押すとGRUB画面が表示されます。



Enterキーを押すとRed Hat 9のブート処理が開始されます。


5.ゲストOSでのデバイスの確認

ゲストOSであるRed Hat 9のハードウェアブラウザでデバイスの確認ができます。


5.ゲストOSの動作

ゲストOSがRed Hat Linux 9の場合はゲストOSの動作はかなり重く感じられます。
デスクトップ操作をしていなくてもゲストOS内でのCPU利用率表示がしばらく100%になることがあります。



特にゲストOS内でMozilla等を使用する場合はホストOSのビデオカードの種類にもよりますが一般的に描画性能が遅くなるようです。

したがってRed Hat Linux 9をゲストOSとして動かすのは性能面から見るとあまり実用的ではないと言えます。


6.ゲストOSのPCパッケージの構成

PCパッケージである「Red Hat 9.vpc6」の中をターミナルで確認してみました。



これによって「Red Hat 9.vpc6」というPCパッケージは次のような階層構造になっていることが分かります。


上記の構造はWindows側からも確認できます。


7.Windows版VPC用ディスクイメージファイルのMacVPCでの利用例

ここではWindows版VPC(Connectix Virtual PC for Windows Ver5.1)で作成したRed Hat Linux 7.3のディスクイメージファイル(「RedHat 7.3.vhd」)をMacVPCで利用する手順を紹介します。
MacVPCでWindows版VPC用ディスクイメージファイルが利用できればMacVPCにゲストOSをインストールする手間が省けます。

Windows版VPC(WinVPC)でのRed Hat 7.3のデスクトップ画面はこちらです。


(1)MacVPCとWinVPCのエミュレーション比較

 Mac版VPC 6.1Windows版VPC 5.1
CD-ROMドライブVirtual CDCntxCorpCD
HDドライブVirtual HDCntxCorpHD
EthernetカードDECchip 21041DECchip 21140
ビデオカードS3 Trio32/64/64v+S3 Trio32/64/64v+


Ethernetカードの種別が両者で異なるのがポイントとなります。


(2)Windows版VPCで作成したRed Hat Linux 7.3のディスクイメージファイルのコピー

Windows版VPCで作成したRed Hat Linux 7.3のディスクイメージファイル(「RedHat 7.3.vhd」)をMacVPCのRed Hat 9.vpc6パッケージにコピーする方法はいくつかあります。
一番手軽な方法はWindowsエクスプローラからMac OS XのSambaサーバを利用してMacVPCのRed Hat 9.vpc6フォルダ中のRed Hat 9 Drive 1.vhdpフォルダにコピーすることです。
コピー後はRed Hat 9 Drive 1.vhdpフォルダ中の既存のBaseDrive.vhdを別の名前に変更し、コピーしたディスクイメージファイル(「RedHat 7.3.vhd」)をBaseDrive.vhdに名称変更します。


(3)コピーしたRed Hat Linux 7.3のディスクイメージファイルを使用してのゲストOS起動