Xen 3.0.4(Core 2 Duo編[Linux])


2007年2月1日、Fedora 7 Test 1がテストリリースされました。
今回はそのFedora 7 Test 1 Desktop x64版のXen 3.0.4を使用してWindows Vista RC1(x64)を動作させてみました。
※Fedora 7 Test 1 x86(32bit)版のXen(HVMドメイン)ではWindows Vista(x86)のネットワークが標準動作しないためそのx64(64bit)版を使用。
Fedora 7 test 1はテスト版のため開発ツールとしてのgccをインストールできない等の不具合が残っています。
しかしXenを使用する分については支障はありません。

Fedora 7 Test 1付属のXen 3.0.4は2006年12月20日にリリースされたもので、openSUSE 10.2付属のXen 3.0.3よりも安定動作するようです。

Xen環境で通常のLinuxカーネルのまま動作できるドメインをHVM(Hardware Virtual Machine)ドメインと呼びます。
この完全仮想化技術を利用したHVMドメインではLinux以外のOS(Windows Vista等)も動作可能です。

ここではCore 2 DuoでのHVMドメインでWindows Vista RC1(x64)を動作させる手順を主に紹介します。

今回使用したPCのハードウェア構成は以下の通りです。
・CPU:Core 2 Duo E6600
・チップセット:Intel P965
・メモリ:3GB
・VGAカード:nVIDIA GeForce 7600 GT(VRAM 256MB)
・HDD:S-ATA 250GB
・LANカード:Intel PRO/100 S ※新しいOSを試行する際の無難なLANカードの一種です


1.Fedora 7 Test 1 Desktop x64版とXenの導入

Fedora 7 Test 1 Desktop x64版(FD-6.90-x86_64-DVD.iso)をダウンロードしてインストールDVDを作成してインストールします。
このインストールDVDにはXen(仮想化)が含まれていません(Xen導入前のパッケージ一覧)。
そのためFedora 7 Test 1 Desktop x64版を一旦インストールした後で[アプリケーション]−[ソフトウェアの追加/削除]で「仮想化」をインストールします。
「仮想化」をインストールすると/boot/grub/grub.confに以下の内容が自動追加されます。

title Fedora (2.6.19-1.2898.2.3.fc7xen)
	root (hd0,2)
	kernel /boot/xen.gz-2.6.19-1.2898.2.3.fc7
	module /boot/vmlinuz-2.6.19-1.2898.2.3.fc7xen ro root=LABEL=/1 rhgb quiet
	module /boot/initrd-2.6.19-1.2898.2.3.fc7xen.img

※kernel行へのdom0_memの自動追加はされません。



2.Xen環境でのWindows Vista RC1 (x64)のインストール

Xen環境でのWindows Vista RC1 (x64)のインストール/実行までの手順例は以下の通りです。



3.Fedora 7 Test 1 32bit版でのXen実行(Windows Vista 32bit版でのネットワーク利用含む)

Fedora 7 Test 1 32bit版のXen上でいくつかの32bit版ゲストOSの動作確認を行った結果を簡単に紹介します。




4.Fedora 7(正式版) x64での64ビットHVMドメイン実行

Fedora 7の正式版にはXen 3.1.0が付属するようになりました(パッケージ:xen-3.1.0-0.rc7.1.fc7)。
そこでそのFedora 7 x64でKNOPPIX 5.1.1 DVD(64bit)版イメージファイルをHVMドメインとして実行してみました。