Vine Linux 4.2へのCentOS 5テーマの導入
2007年4月12日にRHEL5(RedHat Enterprise Linux 5)互換のCentOS 5がリリースされました。
CentOS 5のデフォルトのデスクトップテーマは「クリアールックス」になっています。
また2007年12月25日には Vine Linux 4.2がリリースされました。
Vine Linux 4.2のデフォルトのデスクトップテーマはClearlooksベースの「Vine」テーマになっていますが、
Vine Linux 4.2には「クリアールックス」というテーマ自体も付属しています。
Vine Linux 4.2の「クリアールックス」はCentOS 5の「クリアールックス」と比べてウィンドウデザイン(スクロールバー)やデスクトップアイコンが異なります。
そこでVine Linux 4.2にCentOS 5の「クリアールックス」を導入する手順を以下に紹介します。
付録としてCentOS 5の「クリアールックス」とVine自体の「クリアールックス」を併用する手順も紹介します。
- CentOS 5付属のテーマ
- デフォルトの「クリアールックス」テーマ
- Vine Linux 4.2付属のテーマ
- デフォルトの「Vine」テーマ
- 「クリアールックス」テーマ
Vine Linux 4.2付属の「クリアールックス」テーマでのスクロールバーはCentOS 5付属の「クリアールックス」と異なり青色です。
- Vine Linux 4.2へのCentOS 5テーマの導入手順
Vine Linux 4.2にCentOS 5テーマを導入するとVine側の同名の「クリアールックス」は無効となりCentOS 5テーマの「クリアールックス」が有効となります。
CentOS 5のインストールDVDをセットし、次のようにコマンドを実行していきます。
# mount /dev/cdrom /mnt/cdrom
# cd /mnt/cdrom/CentOS
# rpm -ivh --force redhat-logos-4.9.8-6.el5.centos.noarch.rpm
# rpm -ivh tzdata-2006m-2.fc6.noarch.rpm
# rpm -Uvh --nodeps glibc-common-2.5-12.i386.rpm
# rpm -Uvh --nodeps glibc-2.5-12.i686.rpm
# rpm -Uvh gtk2-engines-2.8.0-3.el5.i386.rpm gtk2-2.10.4-16.el5.i386.rpm ※gtk2系自体は必須のアップグレードで2個のrpmを同時指定します。
# rpm -ivh redhat-artwork-5.0.5-24.el5.centos.i386.rpm
(CentOS 5標準のデスクトップアイコンは本redhat-artworkパッケージに含まれています)
# rpm -Uvh gnome-icon-theme-2.16.0.1-4.el5.noarch.rpm
# rpm -Uvh gnome-themes-2.16.0-1.fc6.noarch.rpm
# rpm -Uvh hicolor-icon-theme-0.9-2.1.noarch.rpm
# cd
# umount /mnt/cdrom
ここまで実行して一旦ログオフするとGDMログイン画面の左側に縦に縮小表示される言語アイコン(/usr/share/gdm/themes/Vine/language.svg)等のsvgファイルが表示されなくなります。
実際には「/usr/share/gdm/themes/Vine/language.svgの画像ファイルの形式を認識できませんでした。」メッセージが表示されます。
それらのアイコンが表示できない場合、GDMログイン画面の左下に「オプション」メニューが表示されるためそこから言語選択等は可能です。
つまり実害はないのですが以下の暫定対策を実施してアイコン表示できるようにした方がベターです。
(アイコンは縮小表示されなくなりますが...)
# cp /usr/share/gdm/themes/Vine/language.svg /usr/share/gdm/themes/Vine/language.svg.org
# cp /usr/share/gdm/themes/Vine/session.svg /usr/share/gdm/themes/Vine/session.svg.org
# cp /usr/share/gdm/themes/Vine/system.svg /usr/share/gdm/themes/Vine/system.svg.org
# cp /usr/share/gdm/themes/Vine/quit.svg /usr/share/gdm/themes/Vine/quit.svg.org
# gimp /usr/share/gdm/themes/Vine/language.svg&
gimpではファイル名にsvgという拡張子を指定しながらもファイル形式はgifを選択して、そのgif形式の「language.svg」を上書き保存します。
下記についてもgimpで同様の操作を行います。
/usr/share/gdm/themes/Vine/session.svg
/usr/share/gdm/themes/Vine/system.svg
/usr/share/gdm/themes/Vine/quit.svg
ログイン時のGNOMEのスプラッシュ画像はCentOS 5のものに変わります。
また、デスクトップの「背景の変更」では「'/usr/share/backgrounds'の情報を取得する際にエラー」というメッセージが出ます。
これはCentOS 5のgtk2を導入したことによって、/usr/bin/gnome-background-propertiesが参照するディレクトリが
/usr/share/backgroundsに変わってしまったためです。
この対策は「ln -s /usr/share/pixmaps/backgrounds /usr/share/backgrounds」の実行で済みます。
(またはdesktop-backgrounds-basic-2.0-40.el5.centos.noarch.rpmのインストールでも/usr/share/backgroundsが作成されます)
- Vine Linux 4.2での「クリアールックス」の使用
[デスクトップ]−[設定]−[テーマ]を開きます。
最初は未保存の「新しいテーマ」となっていますので、「クリアールックス」を選択してダイアログを閉じると「新しいテーマ」は消えます。
gtk2パッケージをCentOS 5用のものに変更したため「クリアールックス」を選択してもスクロールバーの色は青ではなく白となります。
- 付録:CentOS 5の「クリアールックス」とVine自体の「クリアールックス」の併用手順
Vine Linux 4.2でCentOS 5の「クリアールックス」とVine自体の「クリアールックス」を併用できるように
CentOS 5テーマを導入する手順を紹介します。
ほとんど解説抜きでコマンド中心に紹介します。
- テーマ関連ファイルの退避
# cp -Ra /usr/share/themes /usr/share/themes.org
# cp -Ra /usr/share/icons /usr/share/icons.org
# cp /usr/share/pixmaps/splash/gnome-splash.png /usr/share/pixmaps/splash/gnome-splash.png.org
(redhat-logosのインストールでvine-backgrounds付属の/usr/share/pixmaps/splash/gnome-splash.pngがredhat-logos付属のものに置き換わるため)
- CentOS 5テーマの導入
CentOS 5のインストールDVDをセットし、次のようにコマンドを実行していきます。
# mount /dev/cdrom /mnt/cdrom
# cd /mnt/cdrom/CentOS
# rpm -ivh --force redhat-logos-4.9.8-6.el5.centos.noarch.rpm
# rpm -ivh tzdata-2006m-2.fc6.noarch.rpm
# rpm -Uvh --nodeps glibc-common-2.5-12.i386.rpm
# rpm -Uvh --nodeps glibc-2.5-12.i686.rpm
# rpm -Uvh gtk2-engines-2.8.0-3.el5.i386.rpm gtk2-2.10.4-16.el5.i386.rpm
# rpm -ivh redhat-artwork-5.0.5-24.el5.centos.i386.rpm
# rpm -Uvh gnome-icon-theme-2.16.0.1-4.el5.noarch.rpm
# rpm -Uvh gnome-themes-2.16.0-1.fc6.noarch.rpm
# rpm -Uvh hicolor-icon-theme-0.9-2.1.noarch.rpm
# rpm -ivh desktop-backgrounds-basic-2.0-40.el5.centos.noarch.rpm
# cd
# umount /mnt/cdrom
GDMで言語等のアイコンを表示できるように以下を実行します。
# cp /usr/share/gdm/themes/Vine/language.svg /usr/share/gdm/themes/Vine/language.svg.org
# cp /usr/share/gdm/themes/Vine/session.svg /usr/share/gdm/themes/Vine/session.svg.org
# cp /usr/share/gdm/themes/Vine/system.svg /usr/share/gdm/themes/Vine/system.svg.org
# cp /usr/share/gdm/themes/Vine/quit.svg /usr/share/gdm/themes/Vine/quit.svg.org
# gimp /usr/share/gdm/themes/Vine/language.svg&
gimpではファイル名にsvgという拡張子を指定しながらもファイル形式はgifを選択して、そのgif形式の「language.svg」を上書き保存します。
下記についてもgimpで同様の操作を行います。
/usr/share/gdm/themes/Vine/session.svg
/usr/share/gdm/themes/Vine/system.svg
/usr/share/gdm/themes/Vine/quit.svg
スプラッシュ画像をVine付属のものに戻すように下記を実行します。
# mv /usr/share/pixmaps/splash/gnome-splash.png /usr/share/pixmaps/splash/gnome-splash.png.centos5
# cp -a /usr/share/pixmaps/splash/gnome-splash.png.org /usr/share/pixmaps/splash/gnome-splash.png
- ユーザ別「クリアールックス[Vine]」テーマの作成
テーマ設定したいユーザでログインします。
$ mkdir ~/.themes
$ mkdir ~/.icons
$ cp -Ra /usr/share/themes.org/Vine ~/.themes
$ cp -Ra /usr/share/themes.org/ClearVine ~/.themes
$ cp -Ra /usr/share/themes.org/Clearlooks ~/.themes/ClearlooksVine
$ cp -Ra /usr/share/icons.org/* ~/.icons
$ vi ~/.themes/ClearlooksVine/index.theme
(a)「Name[ja]="クリアールックス"」を「Name[ja]="クリアールックス[Vine]"」に変更します。
(b)「GtkTheme=Clearlooks」を「GtkTheme=ClearlooksVine」に変更します。
(c)「MetacityTheme=Clearlooks」を「MetacityTheme=ClearlooksVine」に変更します。
(d)「IconTheme=gnome」を「IconTheme=Vine」に変更します。
:wq!
- テーマ確認
(1)[デスクトップ]−[設定]−[テーマ]メニューを起動。
(2)「クリアーヴァイン」を選択します。
(3)「テーマの詳細」での「アイコン」タブでアイコンとして一旦Clearlooksを選択してからVineを選択し直します。
(4)「Vine」テーマのデザイン(デスクトップアイコンやウィンドウ装飾)を確認します。
(5)CentOS 5から導入した「クリアールックス」テーマを選択します。
(6)「クリアールックス」テーマのデザインを確認します(スクロールバーは白になります)。
(7)「クリアールックス[Vine]」テーマを選択します。
(8)「テーマの詳細」での「アイコン」タブでアイコンとして一旦Clearlooksを選択してからVineを選択し直します。
(9)「クリアールックス[Vine]」テーマのデザインを確認します(スクロールバーは青になります)。
(10)テーマ確認の様子;