TurboLinux 3.0
1998年12月5日にTurboLinux 3.0がリリースされました。
TurboLinux 3.0の最大の特徴は日本語対応の強化だと思います。
1998年12月時点においてデスクトップ用Linuxディストリビューションで初めから日本語もガンガンというのであれば「TurboLinux 3.0」かも知れません。
(1999年1月リリース予定の「Vine Linux」を待つという選択肢もありますが)
TurboLinux 3.0の大きな特徴とその環境について以下に紹介します。
・インストールタイプ「標準」でインストールされるパッケージ一覧
(1)日本語対応の強化
一般にLinuxのXアプリでTrueTypeフォントを使用するには特別なライブラリやフォントサーバの組み込みを含めた煩雑な環境整備が必要となります。
でもTurboLinux 3.0では5種類の商用TrueTypeフォントが標準でインストールされますし(少ないですが)、かつXサーバも最初からTrueTypeフォント対応となっています。
ですからTurboLinux 3.0ユーザはTrueTypeフォントが標準インストールされているパスを/etc/X11/XF86Configに追加指定するだけでtrueTypeフォントがすぐに使用できるようになります。
(他のFontPathの最後に FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/tt/" という一行を追加します)
- Netscape Communicatorの日本語対応化
TurboLinux 3.0のNCは4.07となりかつメニューが日本語対応になりました。
更に要町フォントや明朝フォントも使えるようになりました。
従来、NC(NC4.05)を日本語対応にするには日本語化キットを別途組み込み、リソースファイル(~/.XDefaultsや~/.Xresoureces)への環境設定も必要でした。
しかしTurboLinux 3.0ではこれらの煩雑さから一気に解放されました。
NC4.07の画面はこちらです。
- 比較的きれいな日本語表示(TrueTypeフォントとしてSiriusliiフォントを使った例)
- Webページのフォームへの日本語入力
Yahoo! JAPANでの検索キー指定と検索結果。
- 日本語メールの送受信
メールタイトル、メール本文での日本語が問題なく入力できます。
そのメールの受信も基本的に問題なしです。
- HTMLエディタでの日本語入力
プレビューでも問題なく日本語が表示されます。
- Javaアプレット内ボタン名の日本語表示もOK(但し、Javaアプレット内テキストエリアへの日本語入力は残念ながらNG)
- GIMPの日本語対応
Linuxにおける画像処理ソフトの代表格であるGIMPも日本語対応になりました。
[拡張]−[Web Browser]−[GIMP.ORG]−[The GIMP]を選択するとNCが自動起動されGIMPのホームページが自動表示されます。
またGIMPでTrueTypeフォントの日本語テキストも扱えます(HagoromomとMincho1を使用した例)。
- manコマンドでの日本語表示
- Muleでの日本語ファイル名指定(これは開かれたファイル)
- 上記以外にもApacheのデフォルトページが日本語化されたり、XウィンドウでのTrueTypeフォントがサポートされたりといろいろです。
(3)FAT32サポート
TurboLinux 3.0ではカーネルが2.0.35になりました。
これによりFAT32のWindowsパーティションもマウントしてそのファイルを扱うことができるようになりました。
(TurboLinux2 .0の場合にはカーネルの再構築という面倒な作業を行う必要がありました)
(3)本格的なユーザガイドマニュアル
今までのTurboLinux 2.0では60ページほどの小冊子が付属しているだけでした。
でもTurboLinux 3.0では240ページに及ぶ本格的なユーザガイドマニュアルが付くようになりました。
サウンドカードの設定方法も詳述されていますのでaviファイルの音声付き再生もバッチリです。
おまけで付いているLinus Torvalds氏のメッセージ入りaviファイルもxanimで完全再生できます。
(尚、このおまけのファイルはTurboLinux 3.0ではソースCD側に移りました)
(4)標準インストールされなくなったアプリ
画像キャプチャとして使われることの多いxvは標準インストール外となりました。
またファイルのドラッグ&ドロップ操作のできるexplorerも外されました。
その他いろいろ削られても機能強化でフルインストールで862MBとなります(TurboLinux 2.0では837MB)。
(5)Applixwareの起動方法について
TurboLinux 3.0の場合、ApplixwareはTurboLinux 2.0のような感じでは使えないようです。
Applixwareのインストール自体は問題無くできますが起動時に「can't load library libx11.so.6」エラーとなります。
ちょっとおまじないをかけないとダメなようです。
おまじないと言っても「runlibc5 ./applix &」という指定をするだけでOKなんですけど。
(6)上書きインストールについて
ユーザガイドには明確には書かれていませんが上書きインストールはできないようです。
アプリのバージョンアップで各種のファイルのインストール先が従来と異なっています。
Linuxの世界ではインストールしてみて初めて気が付くということが結構あるようですね。
(7)gv
gvを使ってみました。
一応日本語pdfファイルの表示もOKです。
(8)Informix-SE for Linux
Informix-SE for Linux(Release 7.24)をダウンロードしTurboLinux 3.0環境にインストールしてみました。
インストール手順や使い方はOracleの場合よりも単純で「Linux Japan」1999/1月号にも紹介されています。
(http://www.informix.com/jp/se/install1.htm にも手順が公開されています)
スタンドアロン環境での使用ならクライアント実行環境はインストールしなくてもサーバだけのインストールでDB-Accessユティリティが動作します。
簡単なテーブルを新規作成してDB-Accessユティリティでアクセスしてみました。
(9)telnetでNIFTYアクセス
telnetでNIFTYに接続してメール書きしてメール受信してみました。
(10)JDK(Java開発キット)
TurboLinux 3.0では特別なインストールなしでJDK1.1.6V2を利用できます。
(11)Wine
Wine(Windowsエミュレータ)を利用してTurboLinux 3.0上でWindowsのメモ帳を使ってみました。
(12)Oracle8 for Linux
TurboLinux 3.0にO4L(Oracle8 for Linux)を導入してみました。