SLS 1.05

1994年4月5日にSLS 1.05(Softlanding Linux System version 1.05)がリリースされました。
SLSはカナダのSoftlanding Software社のLinuxディストリビューションでSoftlanding Software固有の機能追加もなされています。
SLS 1.05がLinux Kernel 1.0を採用しているという意味では実質的なSLS 1.0とも言えます。
尚、同じSLS 1.05でも入手時期によってカーネルのビルド時期は異なるようです。

今回のSLS 1.05の主な特徴は以下の通りです。


Linux Kernel 1.0採用ということでシステムの安定性が向上し、更に便利な管理ツール(Mesh)も付いているためSLSユーザが今後増えるように思われます。
また導入(インストール)も簡単なため手軽にUNIX並みの環境を構築して利用することができます。
※SLS 1.05にはメールサーバ、TELNET/FTP/NFSサーバ、ネームサーバ等も含まれているためサーバ用途にも十分利用可能です。

ここではSLS 1.05の導入と利用環境について簡単に紹介します。


(1)インストールの流れ



(2)Xウィンドウ環境

startxで起動されるデフォルトのウィンドウマネジャはFvwmです。
※Olvwmも付属しています。


xdmコマンドでGUIログイン画面にすることが可能となります(下図はユーザ/パスワードの指定部分です)。





(3)ネットワーク接続テスト



(4)telnet/ftpサーバ

telnetサーバ、ftpサーバは共にinetd経由での非常駐サービスプログラムとして動作します。
rootユーザでlocalhostにftpとtelnetしてみました。





(5)Mesh

Mesh(Menu shell)は柔軟なSLSシステム管理ツールです。



(6)主なアプリケーション



(7)X11プログラミング

SLS 1.05にはXFree86 2.0用Xクライアント開発用のヘッダファイル(Xlib.h等)が含まれています。
ウィンドウに図形と文字を表示するだけの簡単なX11プログラミングを行ってそのアプリケーションを実行してみました。
※文字列表示関数での座標指定値が適当なので文字列が緑の長方形から少しはみ出ています。




(8)システムコールトレース

SLSではUNIXでお馴染みのシステムコールトレースを行うstraceコマンドが使用できます。




(9)gawkコマンド

gawkコマンドはテキストファイル用文字列操作の強力なインタープリタ言語です。
awkはgawkのシンボリックリンクになっているためawkをそのまま使用できます。




(10)シャットダウンメッセージ

shutdownコマンドを投入すると「Why?」という問い合わせが出ます。



ここで応答したメッセージが各ログインユーザに通知されます。




That's all for today.(おしまい)