Slackware 7.0
1999年11月にSlackware 7.0がリリースされました。
(Slackwareのバージョン番号が4.0から急に7.0になってしまったようです)
尚、Slackwareには日本語対応ディストリビューションがあるわけではないため有志達が個々に日本語化キットを作成して公開しているようです。
今回は日本語化キットを導入していない生のSlackware 7.0について簡単に紹介します。
(1)カーネル
Slackware 7.0で採用されているKernelは2.2.13です。
尚、glibcは2.1.2でXFree86は3.3.5です。
(2)インストーラ
Slackware 7.0のインストーラはテキストベースのものでありSlackwareの初期の頃からあまり変わっていないようです。
但し、SCSI機器やネットワークカード等の自動認識レベルも向上してますのでインストールは随分楽になっています。
- ブート時のSCSIカードの認識例
scsi0 : AdvanSys SCSI 3.2F: PCI ...
scsi : 1 host.
- ブート時のネットワークカードの認識例
eth0: Intel EtherExpress Pro 10/100 at 0x2040 ...
- jp106キーボードマップについて
インストール時の「KEYBOARD MAP SELECTION」画面において表示されるキーボードマップ一覧には「jp106.map」はありません。
インストール時はとりあえず「us.map」を選択してインストールを続けます。
インストール後に/etc/rc.d/rc.keymap中の「/usr/bin/loadkeys us.map」を「/usr/bin/loadkeys jp106.map」に変更すればjp106キーボードマップが有効になります。
(3)起動FDの作成(LILOブートディスク)
Slackware 7.0のインストール時またはOSインストール後のsetupプログラムで起動FDを作成できますがその起動FDでうまくブートできないケースがあるようです。
そこで手動で起動FDを作成する手順を簡単に紹介します。
例えば/dev/sda1にSlackware 7.0をインストールしていた場合には次のようなLILO設定ファイルを作成します(ファイル名の例:/etc/lilo.flop)。
boot=/dev/fd0(これはLILOの書き込み先)
map=/mnt/floppy/lilo-map
prompt
image=/vmlinuz
root=/dev/sda1
label=Linux
read-only
次にFDをフォーマットしてext2ファイルシステムを作成します。
その後はFDをマウントして以下のコマンドを実行すればOKです。
cp -p /boot/chain.b /mnt/floppy
cp -p /vmlinuz
lilo -C /etc/lilo.flop (「Added Linux *」と表示されます)
起動FDからブートすると「LILO boot: 」と表示されます。
ちなみに、「LILO boot:」プロンプトで「linux vga=769」などと指定するとブートプロセスを表示するコンソール画面の左上にペンギン画像が表示されます。
(4)ウィンドウマネジャ
Slackware 7.0には次のようなウィンドウマネジャ/統合デスクトップ環境が用意されています。
KDEを常に使いたいのであれば「/var/X11R6/lib/xinit/xinitrc.kde」を自分のホームディレクトリに「.xinitrc」としてコピーしておけばOKです。
(5)KDEデスクトップ環境
Slackware 7.0にはKDE 1.1.2が付属しています。
(6)GNOMEデスクトップ環境
Slackware 7.0にはGNOME 1.0が付属しています。
(7)Netscape Communicator 4.7
- Slackware 7.0付属Apacheアクセス
- 日本語表示
日本語も一応出ますがフォント表示は綺麗ではありません。
またウィンドウタイトルは文字化けしています。
(8)その他
- GIMP 1.0.4
- TkDesk 1.1(1998年版)
TkDeskはファイルブラウザとランチャ機能をもつツールです。