Slackware 2.1 インストール
Slackware 2.1のインストール手順は以下の通りです。
インストールは対話形式ですが一問一答形式のためあまり効率のよいものではありません。
でも一度インストールすると再インストールすることは滅多にないので我慢しましょう。
ちなみにSlackware 2.1をインストールするマシンの実メモリは16MBです(その後32MBに増設)。
- インストールのためのブート用FDの作成
ブート用FDとしてブート(カーネル)ディスクとルート(インストール)ディスクを作成します。
ブートディスクはカーネルイメージの入った起動用FDです。
またルートディスクは基本コマンドとインストールコマンドの入ったものです(ルートファイルシステムイメージ)。
Slackware 2.1のCD-ROMにはブートディスクイメージファイルとして、sbpcd, scsi, net等が付属しています。
またルートディスクイメージファイルとして、color144, tty144等が付属しています。
今回はsbpcdとcolor144(フルスクリーン型のインストール用コマンド)を使用しました。
CD-ROM中のrawriteプログラムで1.44MBのFDにイメージファイルを書き込みます。
これらの作業はWindows 3.1上で行えます。
- ブート用FDによるインストール用Linux起動
Linuxをインストールするハードディスクをマシンに取り付けてブート用FDからブートします。
boot:プロンプトに対して、ここではEnterキーを押します。
- ルートディスクへの交換
指示に従って、FDをルートディスクに交換します。
- slackware loginプロンプト
ここではrootでログインします。
- fdiskコマンドによるパーティションの作成
IDEのプライマリディスクにパーティションを作成する場合は「fdisk /dev/hda」を実行します。
helpメニューを参照しながらパーティション作成を行います。
swap用パーティションもここで作成しておきます。
fdiskで作成可能なパーティションタイプはfdiskのl コマンドで確認できます。
「82」がswap用パーティションで、「83」が通常のLinux用パーティションです。
今回は/dev/hda1をLinux用パーティションに設定し、/dev/hda2をswap用パーティションに設定しました。
パーティション設定後はw コマンドでその設定情報をハードディスクに書き込んでfdiskを終了させます。
- setupプログラムの起動
setupコマンドを入力し、Slackware Linux Setupのメニュー画面を表示させます。
- まずはswapパーティションの設定から
Slackware Linux Setupのメニュー画面でADDSWAPを選択してEnterキーを押します。
「SWAP SPACE DETECTED」画面に/dev/hda2が自動検出されて表示されます。
「Do you wish to install this as your swap partition?」の質問に Yes を応答します。
swapパーティション設定についての警告、質問等が次々に表示されます。
swapパーティション設定が完了して、やっと次のステップに進むかどうかの質問「CONTINUE WITH INSTALLATION?」が出ます。
Yes で次に進みます。
- Linuxパーティションの選択
Linuxパーティションとして/dev/hda1を選択します。
またファイルシステムタイプとしてはデフォルトのext2を選択します。
ext2ファイルシステムにすると最大255文字までのファイル名を扱うことができるようになります。
Linuxパーティションについて質問が続きます。
Linuxパーティション設定が完了すると次のステップに進むかどうかの質問「CONTINUE?」が出ます。
Yes で次に進みます。
- ソースメディアの選択
インストールするパッケージがどこに存在するかを指定する「SOURCE MEDIA SELECTION」メニューが表示されます。
ここでは Install from CD-ROM を選択します。
ソースメディアの所在の確認が完了すると次のステップに進むかどうかの質問「CONTINUE?」が出ます。
- シリーズの選択
今回は下記すべて選択します。
最後にCUSTOM DISK SETSへの名称設定画面が表示されます。
ここではカスタムディスクセットに適当な名称(例えば FULL )を指定します。
シリーズの選択が完了すると次のステップに進むかどうかの質問「CONTINUE?」が出ます。
- パッケージインストール時のプロンプトモードの設定
ここでは None を選択します。
(None選択時の警告メッセージ)
- パッケージのインストール
ここからはパッケージのインストールが開始され、インストールされるパッケージの具体的名称等も表示されます。
- ディスクセット名の表示
- パッケージ種別の表示
パッケージの種別には、required, recommended, optionalの3種類があります。
- リンクの作成表示
リンクの作成が表示された後もパッケージのインストールは続きます。
- Linuxシステム環境設定
Linuxシステム環境の設定を行うかどうかの質問が出ます。
Yesで次に進みます。
- ブートディスクの作成オプション
ここではブートディスクを作成するのがお勧めです。
しかし、ここで No を応答するとSKIPPED BOOT DISK CREATIONの注意書きが表示されます。
- モデム設定
- マウス設定
ここではPS/2マウスを選択します。
- CD-ROM設定
Yesを応答するとCD-ROMタイプの選択画面が出ます(実際には/dev/cdromへのリンク設定)。
- スクリーンフォント設定
- FTAPE設定
- モデム速度の設定
- LILO(Linux Loader)の設定
LILOの設定はとても重要です。
この設定を間違うとLinuxを利用できなくなる可能性もあります。
ここではまず Begin を選択して次に進みます。
- append設定
- LILOのインストール先設定
- LILOの入力待ち時間設定
この指定の後、LILO INSTALLATION画面に戻ります。
- Linux選択
LILO INSTALLATION画面で Linux を選択します。
- Linuxパーティション選択
SELECT LINUX PARTITION画面では/dev/hda1を指定します。
- Linuxパーティション名の設定
SELECT PARTITION NAME画面では/dev/hda1のLinuxパーティションに付与する単純な名称を指定します(例:linux)。
この指定の後、LILO INSTALLATION画面に戻ります。
- LILOのインストール
LILO INSTALLATION画面で Install を選択します。
- ネットワーク設定
ここで Yes を応答するとネットワーク設定に関する簡単な説明が表示されます。
ネットワークの設定では下記の設定を行います。
- ホスト名
- ドメイン名
- ループバックだけかどうかの設定
ネットワーク接続するのであればここは No を応答します。
- IPアドレス
- ゲートウェイアドレス
- ネットマスク
- ネームサーバ
ここで Yes を応答すると SELECT NAMESERVER 画面が表示されるのでネームサーバのIPアドレスを指定します。
- ネットワーク設定完了
ネットワークの設定が完了するとNETWORK SETUP COMPLETEが表示されます。
- GPMの設定
GPMはコンソール上でマウスを使用したカット&ペーストを実現するものです。
しかしGPMを有効にするとXウィンドウシステムが操作できなくなる場合があるため No を応答します。
- sendmail設定
とりあえず No とします。
- タイムゾーン設定
Japanを選択します。
- システム設定完了
OKでSlackware Linux Setupメニューに戻ります。
- Slackware Linux Setupの終了
Slackware Linux Setupメニューで EXIT を選択するとコンソール画面に戻ります。
- マシンの再起動
rebootコマンドでマシンを再起動します。
この後、LILOがLinuxをローディングします。
- 最初のログイン
最初はrootでログインします。
dfコマンドでディスク容量を確認するとフルインストール直後の状態で約200MB消費していました。
- topの実行
- パッケージ管理ツール
Slackwareにはpkgtoolというパッケージ管理ツールが付属しています。
パッケージ管理ツールではパッケージのインストール・削除・情報表示機能があります。
例えばtcpipパッケージ情報を確認する手順は以下のようになります。
- パッケージ管理ツールの起動
pkgtoolというコマンドを実行するとパッケージ管理ツールの画面が表示されます。
ここでViewを選択してOKを押します。
- パッケージの選択
確認したいパッケージを選択します。
- パッケージ情報の表示
パッケージの削除はパッケージ管理ツールでRemoveを選択して削除したいパッケージを選択するという手順になります。
- JEのインストール
Slackware 2.1に付属のJE(Japanese Extensions)は0.9.5a(1994年7月20日版)です。
JEのインストール手順は次の通りです。
# mount -t iso9660 -r /dev/cdrom /cdrom
# cd /cdrom/JE/JE2
※/cdrom/JE/JE2にはezinst.tgz(JE簡易インストーラ), konbin.tgz, konfnt.tgz(Minix/Vフォント), loadkeys.tgzという四つのパッケージファイルがあります。
# pkgtool
「Slackware Package Tool」メニュー画面が表示されるので「Current」を選択します(カレントディレクトリにあるパッケージファイルをインストールするという意味です)。
ezinst, konbin, konfnt, loadkeysの順にインストールを進めます。
# kon ※漢字コンソールに切り替えます。
# ezinst -j ※「-j」は日本語モードで実行するためのスイッチです。
「い〜じぃ〜いんすと〜る」画面が表示されます。
(1)まず、「インストール元を指定する」メニューを選択して/cdrom/JEを指定します。
(2)次に、「パッケージリストを読み込む」メニューを実行します。
(3)今回はLinuxBookというパッケージリストを選択しました。
(4)インストールメニューで「インストールを開始する」を実行するとパッケージのインストールが開始されます。
kterm, tgif, xengine, xmarufnt, idraw, xc等のパッケージが次々にインストールされます。
- Xの設定
Slackware 2.1付属のXFree86のバージョンは3.1で、1994年10月にリリースされたバージョンです。
Slackware 2.1でXの設定をするにはXの設定プログラムを次のように起動します。
# cd /usr/X11/lib/ConfigXF86
# ./Makecard
# ./xf86config-XFree86-3.1
X設定プログラムの最初の画面が表示されます。
あとは画面の指示に従って応答していきます。
Xの設定ファイルは/var/X11R6/lib/XF86Configとして作成されます。
- xinitによるXウィンドウシステムの利用
- xinitの実行
コンソールからxinitというコマンドを実行します。
Xウィンドウの画面が表示されます。
(ここでexitを入力するとコンソールに戻ります)
- twmウィンドウマネジャの起動
Xウィンドウ上でtwmコマンドを実行します。
- xtermの起動
Xウィンドウ上でxtermコマンドを実行するとxtermの表示位置を決める枠が表示されます。
枠の表示位置を決定してxtermを利用します。
- xfm(ファイルマネジャ)の利用
- sxpmによる端末アイコン表示
sxpmは「Show an XPM (X PixMap) file」の略でxpm画像ファイルを表示するプログラムです。
/usr/X11R6/include/X11/pixmapsに入っている下記xpmファイル群を表示してみました。
xterm.xpm
xterm-axp.xpm
xterm-blank.xpm
xterm-dec.xpm
xterm-sgi.xpm
xterm-sol.xpm
xterm-sun.xpm
- startxによるXウィンドウシステムの利用
コンソールからstartxコマンドを実行します。
- Fvwmウィンドウマネジャ
startxによってデフォルトで起動されるウィンドウマネジャはFvwmです。
Fvwmでのデスクトップをマウスで左クリックすることでUtilitiesメニューを表示できます。
Utilitiesメニューからxterm等のアプリケーションを起動して利用できます。
FvwmにおいてCtrl+Alt+Backspaceキーを同時に押すとコンソールに戻ります。