Red Hat Linux 1.1

1995年8月に商用版のRed Hat Linux 1.1がリリースされました(kernel 1.2.11)。
Red Hat Linux 1.1の正式名は「Red Hat Commercial Linux 1.1」で開発コード名は「Mother's Day Release + 0.1」です。

Red Hat Commercial Linux 1.1における主なアプリケーションバージョン;


ここではほぼフルインストールしたRed Hat Commercial Linux 1.1(以下Red Hat Linux 1.1)について簡単に紹介します。


(1)インストールの流れ(パッケージのフルインストール)

インストールは基本的に1問1画面形式になっています。



(2)テキストログインとGUIログイン

システムをブートするとテキストログイン画面が表示されます。
インストール中に設定できなかった一般ユーザのアカウントのパスワードも設定しておきます。



またxdmコマンドを実行するとGUIログイン画面となります。




(3)デスクトップ

標準のウィンドウマネジャはFvwmです。



実寸画像はこちらです。




(4)コントロールパネル(

コントロールパネル(control-panel)はRed Hat固有のGUIタイプのシステム設定ツールです。



(5)arena(WWWブラウザ)




(6)Red Hat Commercial Linuxのロゴ

Red Hat Commercial Linuxのロゴ画像は/usr/doc/HTML/bitmaps/rhcl.gifとして格納されています(rhcl.tiffもあります)。



※赤い帽子を押さえて大またで歩いていくビジネスマンのようです。


(7)rxvt

rxvtは軽量の端末エミュレータです。



(8)RPPによるパッケージ管理

Red Hat Linux 1.1ではRPPというパッケージ管理システムを採用しています。
このパッケージ管理システムを利用することでパッケージのメンテナンスが楽になります。
RPPではrpp-install, rpp-install-series, rpp-uninstall, rpp-query, rpp-verify, rpp-buildコマンドが提供されます。
例えば「rpp-query - - bin」コマンドで、インストール済みバイナリパッケージ一覧を確認できます。
また「rpp-query -l パッケージ名」ではそのパッケージに含まれるファイル一覧を確認できます。

# rpp-query -l httpdの表示内容;
-----(ここから)-----
httpd        1.3      bin               /usr                     185654
/usr/sbin/httpd
/usr/lib/httpd/icons/unknown.xbm
/usr/lib/httpd/icons/text.xbm
/usr/lib/httpd/icons/telnet.xbm
/usr/lib/httpd/icons/sound.xbm
/usr/lib/httpd/icons/movie.xbm
/usr/lib/httpd/icons/menu.xbm
/usr/lib/httpd/icons/index.xbm
/usr/lib/httpd/icons/image.xbm
/usr/lib/httpd/icons/ftp.xbm
/usr/lib/httpd/icons/blank.xbm
/usr/lib/httpd/icons/binary.xbm
/usr/lib/httpd/icons/ball.xbm
/usr/lib/httpd/icons/back.xbm
/usr/lib/httpd/icons
/usr/lib/httpd/conf/srm.conf
/usr/lib/httpd/conf/mime.types
/usr/lib/httpd/conf/httpd.conf
/usr/lib/httpd/conf/access.conf
/usr/lib/httpd/conf
/usr/lib/httpd/cgi-bin/wais.pl
/usr/lib/httpd/cgi-bin/uptime
/usr/lib/httpd/cgi-bin/test-cgi.tcl
/usr/lib/httpd/cgi-bin/test-cgi
/usr/lib/httpd/cgi-bin/query
/usr/lib/httpd/cgi-bin/post-query
/usr/lib/httpd/cgi-bin/phf
/usr/lib/httpd/cgi-bin/nph-test-cgi
/usr/lib/httpd/cgi-bin/jj
/usr/lib/httpd/cgi-bin/imagemap
/usr/lib/httpd/cgi-bin/fortune
/usr/lib/httpd/cgi-bin/finger
/usr/lib/httpd/cgi-bin/date
/usr/lib/httpd/cgi-bin/calendar
/usr/lib/httpd/cgi-bin/archie
/usr/lib/httpd/cgi-bin
/usr/lib/httpd/README
/usr/lib/httpd
/usr/lib/WWW-data/index.html
/usr/lib/WWW-data
/etc/rc.d/init.d/httpd
/var/adm/rpp/verify/httpd-1.3-bin-0.vfy
-----(ここまで)-----


(9)インストールCDの内容確認

インストールCDのマウントは以下のコマンドで実施できます。
# mount -t iso9660 -o ro /dev/hdb /mnt/cdrom (/dev部分は環境依存)




(10)ftp,telnetサーバ

ftpサーバ、telnetサーバは共にinetd経由での非常駐サービスプログラムとして動作します。
localhostにftpしてみました。




(11)PerlによるサンプルCGI作成

/usr/lib/httpd/conf/srm.confには以下の記述がされています。
# ScriptAlias: This controls which directories contain server scripts.
# Format: ScriptAlias fakename realname

ScriptAlias /cgi-bin/ /usr/local/etc/httpd/cgi-bin/

/usr/local/etcは初めから存在しますが、/usr/local/etc/httpdの下は存在しませんので作成します。
# mkdir /usr/local/etc/httpd
# mkdir /usr/local/etc/httpd/cgi-bin

次に、以下のようなPerlによる初歩的なCGIソース(wwwtest.c)を用意します。
#include <stdio.h>

void main()
{
    puts ("Content-type: text/html\n\n");
    puts("<html>");
    puts("<head><title>NCSA's HTTPD CGI TEST</title></head>\n");
    puts("<body>");
    puts("<h2>NCSA's HTTPD CGI TEST</h2>\n");
    puts("<br><br>\n");
    puts("Hello!  Red Hat Linux users.\n");
    puts("</body>\n");
    puts("</html>\n");
} 
このソースをコンパイルしてそのプログラムをcgi-binディレクトリにコピーしてarenaを起動します(その様子)。

arenaには以下のように表示されます。




(12)Olvwmウィンドウマネジャ

olvwmパッケージに入っているolvwmウィンドウマネジャを使用してみました。
olvwmは/usr/openwin/binに格納されています。



実寸画像はこちらです。

xfontselで日本語を表示させてみました。





(13)ネットワーク利用例

Windows95がリリースされた後でWindows95のInternet ExplorerからRed Hat Linux 1.1のWWWサーバをアクセスしてみました。