LindowsOS 4.0 英語版
LindowsOS 4.0 英語版が2003年6月にリリースされました。
LindowsOSはDebian Linuxをベースにしたデスクトップ用途のLinux環境です。
そのボックスセットには「New, fun and exciting Linux Desktop Operating System」と記載されており、Linuxディストリビューションであることが分かるようになっています。
LindowsOSのほとんどのコードはGPLによるものでありsourcecode@lindows.comにメールを出すことによりソースCDを入手できるとされています。
更に、LindowsOS 4.0 英語版にはLindowsCDというCD-ROMから起動して使えるLindowsOSも付属しています。
LindowsOSの大きな特徴の一つは「Click-N-Run」と呼ばれるパッケージ追加インストール機能です。
Click-N-Runの使用許諾権を購入するとLindows.comに登録されているパッケージ(商用パッケージ含む)を簡単操作でダウンロード&インストールできます。
ここではLindowsOS 4.0 英語版の環境を簡単に紹介します。
(1)簡単なインストール
LindowsOS 4.0に付いているインストール用CD-ROMは1枚だけでインストール時間もわずか10分程で完了します。
当然ながらインストールされるアプリケーションソフトはごく僅かです。
- CD-ROMからのブート
CD-ROMからブートするとまず「1. Install」と「2. Diagnostics」の選択画面が表示されますので「1. Install」を選択します。
その後「Starting Install」画面が現れます。
この画面にはインストール準備プロセスの進行状況も表示されます。
- インストール方法の選択画面
インストール方法については次のどちらかを選択します。
- 「TAKE OVER AN ENTIRE HARD DISK」
インストーラがハードディスク全体のデータを削除してLindowsOSをインストールする方法です。
ハードディスクが1台だけの場合はどのディスクを選択するかの画面は表示されません。
- 「ADVANCED INSTALL」
これは上級者向けのインストールオプションであり、既にパーティション分けされているハードディスクにLindowsOSをインストールするためのものです。
「ADVANCED INSTALL」を選択して<Next>ボタンを押すとパーティションの選択画面が表示されます。
尚、LindowsOSのインストーラにはパーティションを作成したり削除したりする機能はありません。
LindowsOSを構成するパーティションタイプは次のようになります。
・ext2:/boot用ファイルシステム
・swap:スワップパーティション用
・reiserfs:/用ファイルシステム
- コンピュータ名とrootパスワードの設定
ここではまずコンピュータ名を指定します。
またrootユーザのパスワードもここで指定します。
指定する項目はこれで終了です。
<Next>ボタンでセットアップ確認画面が出ますので、また<Next>ボタンで先に進みます。
- 基本システムのインストールと初期設定
基本システム(Base system)の実際のインストールが開始され、それが済むとシステムの設定が自動的に行われます。
インストールされるパッケージ数は448個です(dpkg --listコマンドによるパッケージ確認結果はこちらです:表示の都合上、横方向の文字数は少なくしています)
Xの設定やLANの設定も自動的に行われます。
- 補足
起動FDの作成プロセスはありません。
インストールが完了するとCD-ROMが自動排出され、Enterキーを押すと自動的にリブートされます。
(3)LindowsOSの起動
- ブートとログイン
PCをブートすると「1. LindowsOS」と「2. Diagnostics」の選択画面が表示されます。
「1. LindowsOS」を選択するとブートプロセスの後、GUIログイン画面が表示されます。
尚、root以外のユーザを別途追加した場合のGUIログイン画面にはユーザ一覧(シェルを設定したユーザ)が表示されます。
ユーザ一覧の中のAdministratorというのはrootの同義語として使われます。
「2. Diagnostics」はコンソールモードでの起動です。
- 「First Time Setup」画面
ログイン認証が済むとKDEの初期化プロセスが実行されます。
その後、「First Time Setup」画面が出ます。
まず、<I Agree to License.>にチェックを入れます。
(これをしないで<終了>ボタンを押すとFlash Playerによるチュートリアル画面が表示されます)
次に<Advanced>ボタンを押して「Advanced Settings」画面からから基本設定の変更等を行います。
- デスクトップ表示
デスクトップ上には「My Computer」や「My Documents」等、Windowsライクなアイコンが表示されます。
またデスクトップアイコンやKDEパネル上のアイコン等はクリスタル風のデザインになっています。
(4)プログラムのメニュー体系
LindowsOS用KDEのプログラム体系はスッキリしています。
「Programs」メニューの各カテゴリには「Click-N-Run More」という項目が必ず存在しています。
尚、デスクトップの右クリックメニューはこんな感じになっています。
またkDEパネルのトレイにあるアイコンは次のようになっています。
左から「Volume」、「VirusSafe」、「Surfsafe」、「Click-N-Run」アイコンの順になっています。
(5)Webブラウザ
LindowsOSにはWebブラウザとしてMozillaが標準で入っています(mozilla-browserというパッケージ名)。
外観の一部はLindowsOS用にカスタマイズされています。
(6)SambaによるWindows連携
LindowsOS 4.0ではSambaサーバ/クライアントが標準でインストールされます。
Control Panel等で必要な設定をしておけばWindowsとのファイル共有も簡単に行えます。
WindowsエクスプローラからLindowsOS内のファイルをアクセスすることはもちろんですが、LindowsOS側のKonquerorからWindows内のファイルアクセスも行えます。
例えばKonquerorのLocation欄に「smb:/ワークグループ名/コンピュータ名」を指定するとそのリモートコンピュータの共有リソース一覧が表示されます。
その共有リソース名を右クリックして「Mount Share」を実行すると/root/Network/コンピュータ名/共有リソース名にマウントされます。
LindowsOS側にマウントされた共有リソースは自由にアクセスできるようになります。
尚、マウントの制御は「Network Share Manager」からのGUI操作でも簡単に行うことができます。
(7)Click-N-Runの利用
インターネットに接続した状態でClick-N-Runを使用すると複数パッケージから成るアプリケーションソフトもワンクリックだけでダウンロード&インストールが行えます。
インストールされたアプリケーションはKDEのLメニューに自動登録されます。
またオプション設定でデスクトップにアイコンの自動登録も行えます。
- Click-N-Runの起動
デスクトップやKDEパネル上にある緑色の丸いアイコンで「Click-N-Run」を起動できます。
- Lindows.comへのログイン
「Click-N-Run」を起動するとLindows.com(Click-N-Runウェアハウス)へのログイン画面が表示されます。
初回はまずログイン画面からライセンス登録画面に遷移して、Click-N-Runのシリアル番号、メールアドレス、パスワード等の登録を行います。
登録が済むとLindows.comへのログイン画面でメールアドレス及びパスワードを入力してログインを完了させます。
- アプリケーションのダウンロード&インストール
LindowsOSにはGIMPは付属していませんのでClick-N-RunウェアハウスからGIMPをインストールしてみました。
まずClick-N-Runウェアハウスのカテゴリ中にある「Multimedia & Design」からアプリケーション一覧を表示させます。
その一覧の中にGIMPがあり、その左端にある緑色の小さなインストールアイコンをワンクリックすると必要なパッケージ群(gimp1.3-common,libgimp1.3等)のダウンロード&インストールが完全自動で行われます。
- ステータス確認
Click-N-Runの「Click-N-Run Status」タブのDetailsでGIMPのインストール確認ができます。
- GIMPの利用例
- Apacheのインストールと自動起動
デスクトップ用途のLindowsOSでApache(Webサーバ)を動作させる必要はあまり無いとは思いますが、Click-N-Runの動作確認のためApacheをインストールしてみました。
- Apacheのインストール
GIMPの場合と同様の方法でClick-N-Runを使ってApacheパッケージをインストールします。
インストールされるとApacheはClick-N-Runによって自動起動されます。
- Apacheアクセス例
http://localhost/でDebian用Apacheのトップページが表示されます。>br>
(8)GNOMEの利用
LindowsOSにGNOMEを導入してみました。
GNOMEデスクトップはこちらです。
(9)LindowsCDの利用
ここではLindowsOS 4.0付属のLindowsCDについて紹介します。
- CDからのブート
CDからブートすると「Starting Demo from CD」と表示されます。
ネットワーク接続も行えます。
- デスクトップ
LindowsCDにはRealPlayerやOpenOffice.org等も入っています。
(インストール用CDにはRealPlayerやOpenOffice.orgは入っていません)
LindowsCDのデスクトップはこんな感じです。