AIGLX/LG3D(Fedora Core 6編)
2006年10月24日にFedora Core 6がリリースされました。
Fedora Core 6(以下、FC6)にはAIGLXが標準で付属されるようになり、Compiz(標準付属)やBerylと言ったウィンドウマネジャと組み合わせて利用できます。
一方、2004年から話題になっていたLooking Glass(正式名はProject Looking Glass)の1.0が2006年12月19日にリリースされました。
ここではFC6で、AIGLX+Compiz, AIGLX+Beryl, Project Looking Glass(LG3D)を体験する手順を簡単に紹介します。
尚、今回使用したPCの構成は以下の通りです。
・CPU:Pentium D 940(3.2GHzのデュアルコアでEM64T/VT対応)
・チップセット:Intel 945P
・メモリ:3GB
・VGAカード:nVIDIA GeForce 7600GT (VRAM 256MB)
・モニター:20インチ液晶ディスプレイ
・FC6のインストール状態:ほぼフルインストール
1.NVIDIAカーネルドライバの組み込み
NVIDIAカーネルドライバは以下の操作で組み込みました。
# rpm -ivh http://rpm.livna.org/livna-release-6.rpm
# yum install xorg-x11-drv-nvidia
これによって下記がインストールされます。
・kernel-2.6.18-1.2868.fc6
・xorg-x11-drv-nvidia-1.0.9631-1.lvn6
・kmod-nvidia-1.0.9631-1.2.6.18_1.2868.fc6
# nvidia-config-display enable
これによってDeviceセクションの「Driver "nv"」が「Driver "nvidia"」に変更され、「Option "AddARGBGLXVisuals" "True"」も自動追加されます。
ここでXを再起動するとnVIDIAに立体ロゴが表示されるようになります。
2.AIGLX + Compiz
[システム]−[設定]−[Desktop Effects]で「Enable Desktop Effects」を有効にするとその時点から各種の視覚効果を体験できるようになります。
Compizデスクトップ効果例(Cube + Water);
3.AIGLX + Beryl
# yum install beryl*
これでBeryl 0.1.3関連の下記パッケージがインストールされます。
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Package Arch Version Repository Size
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Installing:
beryl i386 0.1.3-2.fc6 extras 3.2 k
beryl-core i386 0.1.3-2.fc6 extras 364 k
beryl-core-devel i386 0.1.3-2.fc6 extras 39 k
beryl-dbus i386 0.1.3-1.fc6 extras 18 k
beryl-gnome i386 0.1.3-2.fc6 extras 3.3 k
beryl-kde i386 0.1.3-2.fc6 extras 3.3 k
beryl-manager i386 0.1.3-1.fc6 extras 69 k
beryl-plugins i386 0.1.3-2.fc6 extras 2.6 M
beryl-settings i386 0.1.3-1.fc6 extras 123 k
Installing for dependencies:
aquamarine i386 0.1.3-1.fc6 extras 47 k
bdock i386 0.1.3-1.fc6 extras 37 k
emerald i386 0.1.3-2.fc6 extras 268 k
emerald-themes noarch 0.1.3-1.fc6 extras 1.3 M
heliodor i386 0.1.3-1.fc6 extras 46 k
一旦ログアウトして再ログインします。
CompizとBerylの同時使用はできないため、[システム]−[設定]−[Desktop Effects]で「Enable Desktop Effects」を無効にします。
[システム]−[設定]−[他の個人設定]−[Beryl Manager]でBerylを起動します。
Berylのロゴが表示されます。
GNOMEパネルの右側にBerylアイコンが表示されます(メニューは日本語化されています)。
Berylアイコンからテーマ設定などが行えます。
Berylデスクトップ効果例(Cube);
4.LG3D
今回使用したマシン性能ではLG3Dがかなり軽快に動作します。
本題のLG3Dの導入手順は次の通りです。
- ダウンロード
https://lg3d.dev.java.net/jaの解説ページからリンクされているサイトから以下のファイルを/tmpにダウンロードします。
(1)jdk-6-linux-i586-rpm.bin(Java 2 SDK, Standard Edition 1.6.0)
(2)java3d-1_5_0-linux-i586.zip(Java 3D SDK 1.5.0)
(3)jai-1_1_3-lib-linux-i586-jdk.bin(Java Advanced Imaging API 1.1.3)
(4)lg3d--1-0-0-linux-i686-0612190933.tar.gz(LG3D本体)
- LG3D本体以外のインストール
# cd /tmp
# /bin/bash jdk-6-linux-i586-rpm.bin
これでJDKが/usr/java/jdk1.6.0にインストールされます。
# unzip java3d-1_5_0-linux-i586.zip
これで/tmp/java3d-1_5_0-linux-i586/j3d-jre.zipが生成されます。
# cd /usr/java/jdk1.6.0/jre
# unzip /tmp/java3d-1_5_0-linux-i586/j3d-jre.zip
# cd /usr/java/jdk1.6.0
# /bin/bash /tmp/jai-1_1_3-lib-linux-i586-jdk.bin
- LG3D本体のインストール
LG3Dを使用するユーザでログインして以下の操作を行います。
※もちろん/usr/local等にインストールしても構いません。
$ cd
$ tar zxvf /tmp/lg3d--1-0-0-linux-i686-0612190933.tar.gz
これで~/lg3d/bin/lg3d-dev等のプログラムがインストールされます。
$ vi .bash_profile で以下の設定を追加します。
export JAVA_HOME=/usr/java/jdk1.6.0
export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH:~/lg3d/bin
- ウィンドウモードでのLG3Dの実行
$ lg3d-dev &
これでLG3Dのウィンドウが開きます。
Javaのロゴ部分をマウスでドラッグするとウィンドウが立体的に回転します(Javaのゆげはアニメーションされます)。
lg3d-devでのLG3Dではデモソフトしか実行できません。
LG3D画面中のxtermやfirefoxアイコンを起動してもLG3Dウィンドウの外で実行されてしまいます。
- フルスクリーンモードでのLG3Dの実行
完全なフルスクリーンモードでのLG3Dの実行はXセッション上からではなくコンソールからstartxの代りにlg3d-session起動で行います。
しかしlg3d-session起動時Javaのエラーが出てしまいました。
そこでXセッション上でもVMwareのようにフルスクリーン表示可能な「lg3d-app -f」が使用できます。
※Alt + TabキーでGNOMEアプリへの切り替えも可能です(LG3D内をクリックすると復帰してGNOMEアプリはLG3D内から見えなくなります)。
$ lg3d-app -f &
これで多くのソフト(xtermはもとよりfirefox, gimp, kghostview, eog等)がLG3D内でも動作するようになります(gnome-terminalは起動できませんでした)。
実寸画像はこちらです(1600x1200)。
- 補足
- デモアプリ
- タスクバーのMainメニュー
- 背景画像の立ち並び
- 背景画像の整列表示(少し傾きを入れました)
- 背景画像のパノラマ表示
タスクバーの右クリックで背景画像をパノラマ表示できます(右クリックでその解除ができます)。
- 方向違いの回転
- 半透明ウィンドウ
- LG3Dの終了
タスクバーの右端にあるドクロアイコンを起動すると終了問い合わせのダイアログが表示されます。
ここで緑色のチェックボタンをクリックするとLG3Dは終了してGNOMEデスクトップが表示されます。
5.Compiz/BerylとLG3Dの併用
Compiz/BerylとLG3Dは併用できます。
以下の画像はCompizの水効果をLG3Dにも適用したり、Berylの水効果をLG3Dにも適用したりしたケースの画像です。