KNOPPIX 3.4
KNOPPIXはCD-ROMだけで使用できるLive LinuxディストリビューションでDebianをベースにしています。
2004年5月10日にKDE 3.2.2搭載のKNOPPIX 3.4日本語版がリリ−スされました。
ここではKNOPPIX 3.4日本語版の特徴的な機能を中心にその環境を紹介します。
1.KNOPPIX 3.4日本語版の特徴
- 約1300個のパッケージを収容
パッケージ一覧はこちらです。
- Kernel 2.4.26
ブート時のオプションでKernel 2.6.5も選択できます。
- KDE 3.2.2
- GIMP 2.0
- ライブインストール
- NTFSへの書き込み(Captive NTFSの利用)
- WINEの日本語対応度の向上
- Mozilla 1.6, OpenOffice.org 1.1.1
2.ブートオプション
KNOPPIX 3.4をCD-ROMからブートし、boot:プロンプトでF2キーやF3キーを押すとブートオプションを確認できます。
3.デスクトップ環境
デフォルトのデスクトップ環境はKDEです。
実寸画像はこちらです。
KDEメニューのUtilitiesには新機能が加わっています。
4.GIMP 2.0
- GIMP起動時のロゴ
- 画像の保存ダイアログ
画像の保存ダイアログはGIMP 1.2と比べて操作性が改善されているようです。
- 画像取り込みの指定画面
単独ウィンドウ、デスクトップ全体それぞれに時間指定ができるようになりました。
5.ライブインストール
KNOPPIX 3.4ではCD-ROMから起動した場合でもアプリケーションをインターネット経由で追加インストールできる「ライブインストール」機能が試験的に利用可能となっています。
今回はライブインストール機能でAcrobat Readerとgkrellmを追加インストールしてみました。
- KDEメニューの[Utilities]−[Install software(while running from CD]
本メニューにより「knx-live-inst.sh」が起動されます。
- インストール対象アプリケーションの選択
- apt-get installの自動実行
インストール対象アプリケーションはapt-getで依存関係のあるパッケージも含めて自動的にインストールされます。
(wgetの実行もあります)
- 追加インストールしたアプリケーションの実行
- gkrellm(ステータスモニター)
- Acrobat Reader
Acrobat Readerの実行ファイルは/home/knoppix/Acrobat5/bin/acroreadです。
(/home/knoppix/.dist/bin/acroreadは「/home/knoppix/Acrobat5/bin/acroread」を呼ぶだけでのスクリプトになっています)
Acrobat Readerでpdfファイルの日本語表示もできます。
6.NTFSへの書き込み
KNOPPIX 3.4では「Captive NTFS」関連のパッケージを利用してWindows NTFSパーティションへの書き込みをできるようにしています(captiveパッケージに含まれるファイル)。
Captive NTFSとはLinux環境でWindowsのI/Oドライバをそのまま使用できるようにWindowsカーネルをエミュレートすることでNTFSのI/Oを行う仕組みのことです。
(KNOPPIX 3.4には従来からのNTFS読み込み専用モジュールntfs.oも含まれています)
Captive NTFSの利用手順は以下の通りです。
- Windowsドライバの読み込み
Captive NTFSでNTFSパーティションをマウントする前にWindowsドライバをLinux側に取り込む必要があります。
これはKDEメニューの[Utilities]−[Captive NTFS]で行います(captive-install-acquireの起動)。
captive-install-acquireの起動によりWindowsドライバがスキャンされ、そのドライバ(cdfs.sys,fastfat.sys,ntfs.sys,ext2fsd.sys,ntoskrnl.exe)が一時的に/ramdisk/var/lib/captiveに格納されます。
尚、ext2fsd.sysはKNOPPIX 3.4付属のものです。
- NTFSパーティションのマウント
Captive NTFSを利用してNTFSパーティションをマウントするには「mount -t captive-ntfs /dev/xxx /mnt/xxx」というコマンドを使用します。
下記は外部ディスクのNTFSパーティションにKNOPPIX付属の画像ファイル(knoppix-logo.gif)をコピーした操作例です。
NTFSパーティションに書き込んだ画像ファイルを表示してみました。
7.その他