KNOPPIX 3.1
KNOPPIXはCD-ROMだけで使用できるLive LinuxディストリビューションでDebianをベースにしています。
2002年10月にKDE 3.0.2搭載のKNOPPIX 3.1日本語版がリリ−スされました。
(gedit等のGNOMEアプリケーションも含まれています)
KNOPPIX 3.1はデバイスの自動認識率が高く、CD-ROMからブートして「boot:」プロンプトでEnterキーを押すだけでデスクトップ画面が表示されます。
またDHCPサーバの自動認識によりネットワーク接続も設定なしで使用できます。
更にramdiskも自動作成してくれるためユーザファイルの作成も自由に行えます。
1.KNOPPIX 3.1のデスクトップ画面
KNOPPIX 3.1のデフォルトデスクトップ環境はKDEです。
KDEメニューはこちらです。
2.rootユーザへの切り替え
KNOPPIXのデフォルトユーザは一般ユーザとしてのknoppixになっています。
Linuxを使う上ではrootユーザでなければできないことも多いのでrootユーザでコンソール起動することも必要になってきます。
rootユーザでコンソールを操作するにはkonsoleコマンド使用時に「-e sudo -s」オプションを付ければOKです(パスワードは問われません)。
下の画面はknoppixユーザからrootユーザに切り替えてコンソール操作している画面です。
(通常はrootに切り替えた後は「cd /ramdisk/home/root」を実行した方がよいでしょう)
rootユーザに切り替わることができればkuserコマンドでユーザ管理も簡単に行えます。
下の画面はamberユーザを追加登録した画面です。
knoppixユーザからamberユーザに切り替えてコンソール操作しているところはこちらです。
3.NTFSのマウント
Windows XPの格納されているNTFSパーティションをマウントしてWindows XPの画像ファイルを表示して見ました。
(NTFSパーティションの更新はできません)
4.OpenOffice.org 1.0.1
KNOPPIX 3.1にはOpenOffice.org 1.0.1が付属しています。
フォントサイズを14以上に設定するときれいに漢字表示できます。
5.Apacheの利用
KNOPPIXにはApache(Webサーバ)が付属しています。
httpd.confは編集できないようですが、とりあえず「apachectl start」でApacheを起動してローカルアクセスしてみました。
6.Mozilla 1.0
KNOPPIX 3.1日本語版には日本語化されたMozilla 1.0が付属しています。
7.Debianベース
8.ノート型PCでのKNOPPIX利用
モバイル環境を想定してノート型PCでKNOPPIX 3.1を利用してみました。
- デバイス
- VGA:Trident Cyber Blade XP Ai1
- Sound:ALi South Bridge Audio
- Internet接続:AirH"
- 起動
ノートPCでもCD-ROMからブートして「boot:」プロンプトでEnterキーを押すだけでKDEデスクトップ画面が表示されます。
デスクトップ表示の際にサウンドも流れます。
- KDEパネル
- バッテリー利用時
- AC電源利用時
- AirH"によるインターネット接続
kpppで接続設定してインターネット接続できます。
- KNOPPIXの設定保存
KDEメニューの[knoppix]-[Save KNOPPIX configuration]は各種設定ファイルをFDに保存するものですが標準ではkpppの設定やEvolution設定等は保存されないようです。
- Evolutionファイルの保存と再利用
ホームディレクトリにあるevolutionディレクトリにはメールの設定情報やメールボックス等が格納されています。
KNOPPIX起動時に毎回メール設定を行うのは面倒なのでevolutionディレクトリを圧縮してFDに保存し、次のKNOPPIX起動時に解凍して使うとちょっと助かります。
- 圧縮
cd
tar cvf evolution.tar evolution
gzip evolution.tar
- 解凍
zcat evolution.tar.gz | tar xvf -
- 無線LAN
無線LANカードを利用するには/etc/pcmcia/wireless.optsファイルにESS-IDやWEPキーの定義が必要となります。
しかしrootユーザであっても/etc/pcmcia/wireless.optsの編集はできません。
せっかく無線LANカードが自動認識されてもこれではちょっと残念ですね。
(9)Wine(Windowsエミュレータ)
KNOPPIX 3.1にはWine(2002年5月版)が付属しています。
このWineでWindows 95/98/Meのアプリケーションを動かすことができます。
(但し、動くアプリケーションは限定されますが)
今回はWindows 95にインストールされたAcrobat Readerを動作させてみました。
- Wineによるアプリケーションの起動
KonquerorでWindows 95のパーティション内の実行プログラムファイルを右クリックし、そのメニューから「WINE」を選択します。
- 「Welcome to Wine」画面
Welcome to Wine画面で「Configure Wine」を選択します。
- Wineの構成設定
Wine構成ウィザードで構成設定を行います。
- Acrobat Readerでのpdfファイルを開くダイアログ
日本語は表示されません。
- pdfファイルの表示
日本語は表示されませんのであまり実用的ではありません。
ちなみにWindows 95ネーティブ環境でのpdfファイル表示はこんな感じです。
(10)プリンタの利用
プリンタの定義はKDEメニューの[Knoppix]-[Configure printer(s)]で行います。
KNOPPIX 3.1ではCUPS印刷システム(Common Unix Printing System)が採用されているようです。