Fedora Core 2 Test 1
Fedora Core 1の後継バージョンとなるFedora Core 2 Test 1版(Beta 1相当)が2004年2月12日に公開されたようです。
Fedora Core 2 Test 1の実際のリリース名は「Fedora Core 1.90 Test 1」となっています。
このFedora Core 2 Test 1公開の目的は主に下記パッケージのテスト&不具合フィードバックであるとアナウンスされています。
・Kernel 2.6
・GNOME 2.5
・KDE 3.2(Fedora Core 2 Test 1に実際に入っているものはKDE 3.1.9)
ここではFedora Core 2 Test 1のデスクトップ環境を中心に紹介します。
(1)Fedora Core 2 Test 1のインストール
まずFedora Core 2 Test 1の公開(ミラー)サイトから次の4個のisoイメージファイルをダウンロードしCD-ROMに書き込みます(ファイル日付は2004年2月4日になっています)。
Fedora Core 2 Test 1ではFedora Core 1の時よりもisoイメージファイルが1個増えています。
・FC2-test1-i386-disc1.iso(647,296KB):CD#1用
・FC2-test1-i386-disc2.iso(642,336KB):CD#2用
・FC2-test1-i386-disc3.iso(650,112KB):CD#3用
・FC2-test1-i386-disc4.iso(163,744KB):CD#4用
インストールの流れは以下のようになります。
基本的にFedora Core 1と同じ部分は説明を省略しています。
- インストールCD#1からのブート
インストールCD#1をセットしてマシンをブートすると以下の画面が表示されます。
(Fedora Core 2 Test 1でのカーネルサイズは大きくなっているためインストール用起動FDを作成することはできないようです)
グラフィカルモードでインストールを行う場合はそのままEnterキーを押します。
実寸画像はこちらです。
- メディアテスト
- GUIインストーラの開始
メディアテストが終了するとanacondaが開始されます。
anacondaの開始後、Xが内部起動しGUIモードのインストール画面になります。
- テスト版である旨の警告表示
- Language Selection
インストール時に使用される言語のデフォルトはEnglishになっていますのでJapanese(日本語)を選択します。
- キーボード設定
- マウス設定
- モニターの設定
- インストールの種類の選択
- ディスクパーティションの設定
- ブートローダの設定
- ネットワークの設定
- ファイアウォール設定
- 追加の言語サポート
- タイムゾーンの選択
- Rootパスワードを設定
- パッケージグループの選択
- インストール準備完了
- Require Install Media
インストール準備完了の画面で<次>ボタンを押すと、インストールに必要なインストールメディアの確認ダイアログが表示されます。
- ファイルシステムのフォーマット
- パッケージインストールの開始
- インストールメディア(CD)の交換
- ブートディスクの作成(オプション)
ブートディスクの作成は1枚のFDの容量制限によりに必ず失敗します。
- インストールの完了
- インストール後の最初の起動
インストールが完了すると<Reboot>ボタンでリブートします。
- GRUB画面
カーネルのバージョンは「2.6.1-1.65」と表示されます。
- スタートアップ表示
システム起動時におけるスタートアップ表示画面は途中まではテキストモードです。
しかし以下のメッセージの表示直後からグラフィカルモードでの進捗表示に切り替わります。
Welcome to Fedora Core
Press 'I' to enter interactive startup.
- システム起動時の進捗表示(グラフィカル表示)
- License Agreement
- 日付と時刻の設定
- Display
Fedora Core 2 Test 1ではインストール後の最初のセットアップにおいて「Display」設定もできるようになりました。
- ユーザアカウントの設定
- 追加のCD
追加用のCDは無いのでソフトウェアの追加インストールはここではスキップして先に進みます。
- セットアップを終了
- グラフィカルログイン(Fedora Core 1と同じ)
- GNOMEスプラッシュ画面(Fedora Core 1と同じ)
- 最初のGNOMEデスクトップ画面表示
- GNOMEメニュー
GNOMEメニューのカテゴリーはFedora Core 1とほとんど同じですがログアウト項目にユーザ名が表示されるようになりました。
- Fedoraの操作
- シャットダウン画面
(2)パッケージ一覧
Fedora Core 2 Test 1のインストール直後に確認したパッケージ一覧はこちらです。
(3)GNOMEデスクトップ
- デスクトップ上の「コンピュータ」アイコン
Fedora Core 2 Test 1のGNOMEデスクトップには「コンピュータ」アイコンが追加されました。
「コンピュータ」アイコンを開くと「ネットワーク」と「ファイルシステム」が表示されます。
- Nautilus
Fedora Core 2 Test 1のNautilusの[表示]メニューには「サイドフレーム」「ツールバー」「ロケーションバー」「ステータスバー」の表示が見当たりません。
[表示]−[画像コレクション表示]ではファイル情報も表示できます。
(4)KDEデスクトップ
Fedora Core 2 Test 1付属のKDEのバージョンは「KDE 3.1.95-0.3 Red Hat」です。
Fedora Core 2 Test 1でのBluecurveではGNOMEとKDEとの統合度はあまり強くありません。
KDEセッションで最初にログインすると「KPersonalizer」が起動されます。
(5)XFceデスクトップ
Fedora Core 2 Test 1ではXFceセッションも利用できるようになっています。
XFceは動作の軽いウィンドウマネジャです。
(6)ルータを使用したインターネット接続への対応
ルータを使用したインターネット接続環境において、そのルータ仕様によってはインターネット接続(ftp/Webアクセス等)がうまく行えないことがあるようです。
対策方法の一例としては実行時のカーネルパラメータ変更という方法があります。
例えば/etc/sysctl.confに「net.ipv4.tcp_ecn = 0」という行を追加して次のコマンドを実行します。
sysctl -p
sysctl -a
(7)Webブラウザ
(8)SambaによるWindows連携
従来通りFedora Core 2 Test 1でもSambaを利用してWindowsとのファイル共有が簡単に行えます。
またWebベースのSWATによるSamba設定・管理も行えます。
(9)Webサーバ(Apache)の利用
Fedora Core 2 Test 1付属のmod_perlパッケージそのままではApcaheを起動することができません。
そこでFedora Rawhideより以下のパッケージをダウンロードしてパッケージのアップグレードをする必要があります。
- Fedora Rawhideからのmod_perlパッケージの取得
以下の2個のrpmを取得します。
mod_perl-1.99_12-1.i386.rpm
mod_perl-devel-1.99_12-1.i386.rpm
- mod_perlパッケージのアップグレード
「rpm -Uvh mod_perl*」コマンドでアップグレードします。
- Apacheの起動
apachectl startで起動できます。
- Apacheの利用
MozillaからApacheをローカルアクセスしてみました。
(10)カーネルのアップグレード
Fedora Core 2 Test 1のカーネルを2.6.1から2.6.3にアップグレードしてみました。
- カーネル2.6.3のパッケージ
カーネル2.6.3のパッケージとしてはkernel-2.6.3-1.110.i686.rpmを使用しました。
- カーネルアップグレード後のGRUB画面
- マウス問題への対応
マウスタイプが「Generic - Wheel Mouse (PS/2)」の場合(これは/etc/sysconfig/mouseで確認できます)、カーネルを2.6.3にアップグレードするとXが起動できないという問題が発生するケースがあります。
Xが起動できなくなるのは/dev/psauxのオープンに失敗してしまうためです。
対策は/dev/psaux(/dev/mouseは/dev/psauxへのシンボリックポインタ)自体を/dev/input/miceへのシンボリックポインタにしてしまうことです。
具体的には次のコマンドを実行します。
ln -fs /dev/input/mice /dev/psaux
- カーネル2.6.3の利用