Compiz Fusion(Ubuntu 8.10 ライブ編)
2008年10月30日(日本時刻では10月31日)にUbuntu 8.10(Intrepid Ibex)がリリースされました。
※Ubuntu 8.10 Desktopのisoイメージファイルはubuntu-8.10-desktop-i386.isoです。
Ubuntu 8.10ではリリースノートに記載されているもの以外にも細かな部分で数多くの改善・変更がなされています。
Ubuntu 8.10の改善・変更点で目に付きやすいものとして以下のものがあります。
- 外観の変更
(1)デスクトップのデフォルト背景画像はIbex(野生のヤギ)を描いたものになりました。
(Ubuntu 8.10 RC版からIbexの画像になっています)
(2)デスクトップテーマとしてDarkRoomが追加されました。
(Ubuntu 8.10 Beta版での「NewHuman」がRC版から「DarkRoom」に名称変更されました)
- ソフトウェアソースのデフォルト変更
コミュニティによってメンテナンスされるオープンソフトウェア(universe)がデフォルトでは無効になっています。
このためCompiz Fusionを利用するためにはこのuniverseを有効にする必要があります。
- Eee PCへの対応強化
(1)Eee PC 901内蔵有線LANの標準サポート
(2)Eee PC 901内蔵ビデオチップ対応標準ドライバでのCompiz Fusionサポート
- ファイルマネジャ(Nautilus)でのタブサポート
Fileメニューの[New Tab](新しいタブ)でタブを追加できます(タブでの表示例)。
- USB起動ディスク(Live USB)作成機能サポート
カスタマイズ結果を含めたUSB起動ディスクを作成するプログラム(usb-creator)が利用できるようになりました。
- ゲストセッションサポート
従来の[システム]−[終了]のメニュー一覧にあった「ユーザの切替え」とは別にゲストセッションへの切替え機能がサポートされました。
ゲストセッション切替えには以下の特徴があります。
・アカウント名はguestでパスワードはありません(guestグループに属します)。
・ホームディレクトリは/tmp内に自動生成されます(例:/tmp/guest-home.xxx)。
・ホームディレクトリはシステム終了で消滅します。
・ゲストセッションへの切替えはGNOMEパネルの「ユーザ切替えアプレット」で行います。
・ゲスト以外のユーザからゲストセッションに切替えるとカレントセッションが一時停止状態(Suspend)になります。
・ユーザ切替えアプレットでゲストセッションから復帰するとゲストセッション切替え前のデスクトップ状態が復元されます。
- GIMPの2.6.1化
GIMPのツールボックス上部にあった伝統的メニューバーが削除されました(画像編集画面のメニューを使用します)。
- インストール時のパーティション設定画面の変更
Ubuntu 8.10インストール時の「ディスクの準備」画面でのディスク分割前後が見やすくなりました。
- serviceコマンドサポート
従来の/etc/init.d/サービス指定コマンドを簡略指定できるserviceコマンドがサポートされました。
例;
$ sudo service klogd status
# service gdm restart
- 仮想化機能強化
Ubuntu 8.10ではXenner(Xenエミュレータ)がサポートされました。
(但し、実際に利用するにはxenner 0.41をソースから0.46にアップグレードする必要があります)
また、Ubuntu 8.10 Serverは準仮想化ゲストとしても動作します。
・仮想化機能使用例
Ubuntu 8.10ではCompiz Fusionのバージョンが0.7.8になりました。
ここではUbuntu 8.10ライブ環境でのCompiz Fusion利用を中心にUbuntu 8.10を紹介します。
尚、今回デスクトップPCで使用したVGAカードはnVIDIA GeForce 7600GTです。
- Ubuntu 8.10 Live CD実行環境へのCompiz Fusion導入手順と視覚効果利用例
Ubuntu 8.10 Desktop版にはCompiz Fusionの一部コンポーネントが付属していますが完全ではありません。
そこで以下の手順でCompiz Fusion実行環境を構築します。
- NVIDIAドライバのインストール
[System]メニューの[システム管理]−[ハードウェアドライバ]でNVIDIAドライバをActivate(有効化)します。
この有効化によってNVIDIAドライバがインストールされ、/etc/X11/xorg.confの内容も自動変更されます。
NVIDIAドライバのインストール後は再ログインします。
- オープンソフトウェア(universe)の有効化
[System]メニューの[システム管理]−[Software Sources]での「Ubuntu Software」タブで以下のリポジトリを有効にします。
・Community-maintained Open Source software(universe)
以下のコマンドでAPTソースを更新します。
$ sudo apt-get update
- Compiz Fusion関連パッケージの追加
以下のコマンドでCompiz Fusion関連パッケージを追加インストールします。
$ sudo apt-get install compiz-fusion* compizconfig-settings-manager fusion-icon emerald
- 視覚効果の有効化
[System]メニューの[設定]−[外観の設定]で視覚効果を最高レベルに設定します。
更に、デスクトップのワークスペース数を2から4に変更します。
- デスクトップ効果の詳細設定
[System]メニューの[設定]−[CompizConfig 設定マネージャ]でCCSM(CompizConfig Settings Manager)を起動して詳細設定を行います。
- 「シリンダ」変形例
下記はエフェクトカテゴリの「キューブの反射と変形」で変形の種類として「シリンダ」(円柱)を選択した場合の例です。
- Eee PC 901でのUbuntu 8.10 Live USB実行環境へのCompiz Fusion導入手順と視覚効果利用例
Eee PC 901でCompiz Fusionを利用する場合は特別なXserverドライバを導入する必要はありません。
単純に以下の手順でCompiz Fusion実行環境を構築できます。
(デスクトップPCの場合とほとんど同じ手順でOKです)
- USB起動ディスク(Live USB)の作成
任意のPC(デスクトップPC等)でUbuntu 8.10 Desktop CDをライブ起動します。
USBメモリをセットして、[System]メニューの[システム管理]−[Create a USB startup disk]でLive USBを作成します。
- USB起動ディスク(Live USB)からのブート
Live USBをEee PC 901にセットしてマシンの電源を入れます。
ESCキーを押したままでいるとどのドライブからブートするかのメニューが表示されますのでUSB Flash Diskを選択してブートします。
下記はEee PC 901でUbuntu 8.10 Live USB実行でDarkRoomテーマを利用した場合のデスクトップ例です。
- オープンソフトウェア(universe)の有効化
[System]メニューの[システム管理]−[Software Sources]での「Ubuntu Software」タブで以下のリポジトリを有効にします。
・Community-maintained Open Source software(universe)
以下のコマンドでAPTソースを更新します。
$ sudo apt-get update
- Compiz Fusion関連パッケージの追加
以下のコマンドでCompiz Fusion関連パッケージを追加インストールします。
$ sudo apt-get install compiz-fusion* compizconfig-settings-manager fusion-icon emerald
- 視覚効果の有効化
[System]メニューの[設定]−[外観の設定]で視覚効果を最高レベルに設定します。
更に、デスクトップのワークスペース数を2から4に変更します。
- デスクトップ効果の詳細設定
[System]メニューの[設定]−[CompizConfig 設定マネージャ]メニューでCCSM(CompizConfig Settings Manager)を起動して詳細設定を行います。
- 「シリンダ」変形例
下記はエフェクトカテゴリの「キューブの反射と変形」で変形の種類として「シリンダ」(円柱)を選択した場合の例です。
- Ubuntu 8.10 日本語 Remix CD実行環境へのCompiz Fusion導入手順と視覚効果利用例
Ubuntu 8.10 日本語 Remix CDでのライブ環境は大元のUbuntu 8.10 Desktop CDのライブ環境に以下の日本語関連パッケージを追加したものです。
・anthy/scim-anthy
・kasumi(Anthy用辞書ユティリティ)
・ttf-vlgothic
・language-pack-gnome-ja-base 等
Ubuntu 8.10 日本語 Remix CDではUbuntu 8.10 Desktop CDと異なりGNOMEパネルのメニューバー自体も日本語化されていますが、
Ubuntu 8.10 日本語 Remix CD実行環境へのCompiz Fusion導入手順自体はUbuntu 8.10 Desktop CDの場合と同じです。
下記はエフェクトカテゴリの「キューブの反射と変形」で変形の種類として「球体」を選択した場合の例です。