Aurora Desktop Environment(ADE)はユーザインタフェースの単純性を追求しているデスクトップ環境です。
ADEの中心となるのはaurora-panelで、GNOMEパネルやKDEパネルに相当します。
GNOME,KDE,ADEの実装面での大きな違いはそれぞれが利用しているGUIツールキットが異なるという点です。
GNOME:GTK+ライブラリを使用。
KDE:Qtライブラリを使用。
ADE:auroraライブラリを使用。
auroraライブラリはC++インタフェースで利用できるGUIライブラリですが現状はGTK+のC++インタフェースを提供するgtkmmライブラリを直接利用しています。
ADEアプリケーションはこのauroraライブラリ自体を移植するだけでいろいろなGUIツールキット上でも動作可能となります。
2005年9月にリリースされたADE 0.3ではメニュー項目の編集機能がサポートされました。
ADE 0.3でのaurora-panelはWindows XPライクな外観ですが、この外観は今後少しずつ変わっていくみたいです。
またauroraライブラリを使用した初のADEアプリケーションであるimageviewer 1.0も既にリリースされています。
imageviewerはWindowsでの「Windows画像とFAXビューア」に相当する画像表示プログラムですが機能も少なくauroraライブラリを使用したデモプログラムという位置付けのようです。
ここではVine Linux 3.1でのADE環境を簡単に紹介します。
1.auroraライブラリの導入
ADEを使用するにはまずauroraライブラリを導入しなければなりません。
auroraライブラリの導入には最低限gtkmm 2.6(以上)、gdkmm 2.6(以上)、glibmm 2.6(以上)が必要となります(libwnck-develパッケージも必要)。
auroraライブラリのソースからのインストールは以下のように行います。
# tar zxvf aurora-library-0.3.tar.gz # cd aurora-library-0.3 # ./configure # make # make install |
# tar zxvf aurora-panel-0.3.tar.gz # cd aurora-panel-0.3 # ./configure # make # make install |
# tar zxvf imageviewer-1.0.tar.gz # cd imageviewer # ./autogen.sh # make # make install |