Intel MacのMBR活用
Intel Macのスタイリッシュなデザインが気に入ってIntel MacでWindows, Linuxだけ使いたいと思っている人もいるかも知れません。
Mac OS Xプリインストール済みIntel MacにWindowsやLinuxも追加インストールしてマルチブート環境にしてWindows, Linuxだけ使うという手もあります。
しかしMac OS Xがインストールされていることさえ嫌う人も中にはいるかも知れません。
ここではIntel MacにWindows, Linuxだけインストールして利用する手順を紹介します。
1.前提条件
(1)Intel Mac:内蔵HDDが交換できるタイプとします(今回はMacBook Pro使用)。
(2)新しい2.5インチHDD(今回は500GB, 7200rpmタイプのものを使用)
(3)Windows:Windows 7(32ビット)
(4)Linux:Ubuntu Desktop 9.04(32ビット)
(5)レスキュー用USBメモリ:今回は16GBのUSBメモリにSnow Leopardをインストールしておきました。
(6)rEFItは使用しません。
2.Windowsのインストール
- 内蔵HDDの換装
内蔵HDDを新しい2.5インチHDD(例えば500GB, 7200rpmタイプ)のものに変更します。
パーティション設定はされていなくて構いません(未フォーマットのままでOKです)。
- Windowsインストールの開始
Windows 7のインストールDVDからマシンブートします。
- インストール先の指定
ディスク0 未割り当て領域の[ドライブオプション]で[新規]をクリックして160000MBを指定して<適用>ボタンを押します。
これによって以下のようなパーティション構成になります。
(1)ディスク0 パーティション1:システムで予約済み(100MBのNTFSパーティション)
(2)ディスク0 パーティション2:Windows本体がインストールされるNTFSパーティション(156.2GB)
(3)ディスク0 パーティション3:未割り当て領域(309.5GB)
パーティションマップ方式は自動でマスタブートレコード(MBR)方式となり、後からMac OS Xをインストールすることは不可となります。
- インストール処理と自動リブート
インストール処理自体は通常のIntelマシンの場合と同じです。
インストール中に2回自動再起動となりますが放置しておくだけで再起動は問題なく行われます。
インストール完了後、WindowsにてインストールDVDを取り出します。
- Intel Mac用ドライバのインストール
Snow LeopradのインストールDVDをセットして自動再生ダイアログで[setup.exeの実行]を選択します。
オーディオドライバ等の各種ドライバがインストールされます。
またこの時点でWindowsパーティションのボリューム名が「BOOTCAMP」に自動設定されます。
Intel Mac用ドライバのインストール完了時、Snow LeopradのインストールDVDを取り出してから再起動します。
- 再起動後のWindows
Intel Mac内蔵の各種デバイスが問題なく動作します。
サウンド再生も可能となり、Aero表示も可能となります。
・パフォーマンス評価結果
3.Ubuntu 9.04のインストール
Ubuntu 9.04インストールの開始
Ubuntu 9.04のインストールCDからマシンブートします。
インストーラの起動
デスクトップ上の[インストール]アイコンでインストーラを起動します。
パーティションの追加
新規のパーティションとして/dev/sda3パーティションを作成します。
(1)新しいパーティションのタイプ:基本パーティション
(2)パーティションサイズ:40000(MB)
(3)利用方法:ext3ジャーナリングファイルシステム
(4)マウントポイント:/
ブートローダのインストール先
ブートローダのインストール先はデフォルトの(hd0)のままとします。
インストール後の再起動
Ubuntuの場合、インストール後の再起動は途中で停止します。
このため手動で電源を切って再度電源を入れます。
電源をいれて暫くするとGRUBメニューが表示されます。
この中には「Windows Vista (loader)」というエントリも自動で追加されて表示されます。
ここでは先頭のエントリのUbuntu 9.04をブートします。
尚、「Windows Vista (loader)」というエントリを選択するとWindows 7が起動します。
電源を入れる際にoptionキーを押しているとWindowsアイコンが表示されますがそれを起動してもGRUBが表示されます。
Ubuntu 9.04利用
(1)無線LAN(AirMac)は最初から利用可能です。
(2)[システム]−[システム管理]−[ハードウェア]でNVIDIAの高性能グラフィックドライバ(version 180)を有効にして再起動します。
(3)Compiz Fusion関連パッケージをフルインストールします。
(4)下記はGpartedを追加インストールして利用している様子です。
4.Mac OS Xによるパーティション確認
Snow LeopardをインストールしておいたUSBメモリをセットしてoptionキーを押したまま電源を入れます。
WindowsアイコンとUSBアイコンが表示されますのでUSBアイコンを選択してブートします。
これでMac OS Xが起動します。
下記はターミナルを開いてdiskutil listを実行した様子です。
※Windows 7の「BOOTCAMP」パーティションのタイプがディスクユティリティとdiskutilコマンドで違って表示されます。
(1)ディスクユティリティ:Mac OS 拡張 (ジャーナリング)
(2)diskutilコマンド:Windows_NTFS
5.補足
(1)MBR方式の場合は後からMac OS XをインストールすることはできませんのでUSBメモリやUSBディスクのMac OS Xを利用します。
(2)GUID方式の場合は最初にWindowsをインストールしてからUbuntu 9.04をインストールするとWindowsを起動できなくなる場合があります。
※Ubuntu 9.04のGRUBエントリにWindowsの自動追加がされない等の現象も発生します(ファイルシステムタイプの不整合が原因です)。
(3)GUID方式の場合はWindowsをインストールしてからMac OS Xをインストールすることが可能です。
(4)GUID方式でWindows, Ubuntu, Mac OS Xの順でインストールした際のMac OS Xデスクトップ例