Intel Macのトリプルブート環境(その2)

Intel Macマシンのハイスペック化に伴いトリプルブート環境も利用しやすくなりました。
最近のIntel Macマシン環境の傾向は以下の通りです。
(1)内蔵HDの大容量化(500GB等)に伴い多くのOSをインストールすることができます。
(2)また各OS用パーティション容量も大きく割り当て可能となり容量不足をあまり気にする必要がなくなりました。
(3)搭載CPUの高性能化、メモリの大容量化によりOSの切り替えも格段に高速となりました。
(4)搭載GPUの高性能化によりマルチメディア系アプリもストレスなく利用可能となりました。
(5)更にはMac OS X対応仮想化ソフトの性能も向上しMac OS X上でのWindows実行もストレスなく利用可能となりました。

ここではMac OS X, Windows 7, Linux(Ubuntu 9.04, CentOS 5.4, Fedora10/12)をマルチブートする環境構築例を紹介します。
今回使用したマシンは17インチMacBook Pro(機種ID：MacBookPro5,2)でCPUはCore 2 Duo 2.8GHzでメモリは4GBです。


１．パーティション構成例

マルチブート環境のパーティション構成例を以下に示します。

パーティション(容量)	ファイルシステム	用途	備考
/dev/sda1(0.2GB)	FAT32	EFI
/dev/sda2(160GB) ボリューム名：Macintosh HD	Mac OS 拡張(ジャーナリング)	Mac OS X本体, アプリ	rEFItの導入領域
/dev/sda3(60GB) ボリューム名：Macintosh HD2	Mac OS 拡張 ※ジャーナリングなし	OS間共有パーティション	各OSから書き込み可能 欄外の[補足]参照
/dev/sda4(20GB) ボリューム名：BOOTCAMP	NTFS	Windows 7 (MacDrive導入)	Boot Campパーティション
/dev/sda5(15GB)	ext3	CentOS 5.4	Xenブート含む
/dev/sda6(10GB)	ext3	Ubuntu 9.04	このGRUBをOS切り替えに使用
/dev/sda7(17GB)	ext3 (ext4は未使用)	Fedora 12
/dev/sda8(28GB)	ext3	Fedora 10

[補足]
Snow Leopardの場合は次の手順でNTFSのBoot Campへの書き込みも可能となります。
(1)インストールしたWindowsにBoot Camp用ドライバをインストールします(これでボリュームラベルがBOOTCAMPになります)。
(2)Mac OS X側の/etc/fstabに「LABEL=BOOTCAMP none ntfs rw」という行を追加します(通常、/etc/fstabは新規追加)。
(3)最近のLinuxではNTFSへの読み書きが標準サポートされていますのでNTFSの共用パーティション化が実現できます。

WindowsをインストールできるBoot Campパーティションはパーティション#4(sda4)までの範囲です。
尚、今回のBoot Campパーティションは最後のパーティションでないこともありdiskutil resizeVolumeでパーティション分割します。
※Boot Campアシスタントは使用しません。
下記はdiskutil resizeVolumeのコマンド例です。

sudo diskutil resizeVolume disk0s2 160G \※便宜上改行 "HFS+" "Macintosh HD2" 60G \※便宜上改行 "MS-DOS FAT32" "BOOTCAMP" 20G \※便宜上改行 "MS-DOS FAT32" "CENTOS" 15G \※便宜上改行 "MS-DOS FAT32" "UBUNTU" 10G \※便宜上改行 "MS-DOS FAT32" "FEDORA12" 17G \※便宜上改行 "MS-DOS FAT32" "FEDORA10" 28G

上記で"HFS+"部分は"Journaled HFS+"にはしないようにします。


２．各OSのインストール

• Mac OS X
  Mac OS Xは既にインストールされているものとします。
  rEFIt-0.13.dmgをダウンロードして開きその中のefiフォルダを丸ごとMacintosh HDにコピーします。
  その後、次のコマンドを実行します。
  cd /efi/refit
  ./enable.sh
  ※sudoとして実行されるのでパスワードを入力します。
  
  
• Windows 7(/dev/sda4)
  (1)Windows 7のインストールDVDからBOOTCAMPパーティションにWindows 7をインストールします。
  (2)次にSnow LeopardインストールDVDをセットしてBoot Camp用ドライバをインストールします。
  ・Boot Camp用ドライバをインストールするとボリュームラベルは自動的に「BOOTCAMP」になります。
  ・Snow LeopardインストールDVDを取り出します。
  ・再起動します。
  Boot Camp用ドライバインストール後、更にMacDrive 7.0JをVista互換モードでインストールします。
  
  尚、UbuntuのWubiを利用してWindows 7パーティションにUbuntuをインストールするならこの時点がお奨めです。
  (今回はUbuntu 9.10のWubiでのインストールを試してみました)
  WubiでUbuntuをインストールするとWindows 7とそのUbuntu自体が起動できなくなります。
  しかしWindowsの修復及びUbuntuの修復はIntel Macでのブート環境回復で簡単に修復できます。
  このUbuntu 9.10ではサウンド再生/Mighty Mouse利用はできませんがCompiz Fusion, 無線LAN(AirMac)が利用可能です。
  ・WubiでインストールしたUbuntu 9.10のデスクトップ例
  
  
• CentOS 5.4(/dev/sda5)
  CentOS 5.4のインストールDVDからKVM,仮想化(Xen)含めてインストールします。
  GRUBは/dev/sda5にインストールします。
  rEFItのHDDアイコン一覧にCentOS用ペンギンは出てきません。
  
  このCentOS 5.4のインストールによってWindowsはブート不可となります。
  もしすぐにWindowsを使用したいのであればWindowsの修復を行います(Intel Macでのブート環境回復参照)。
  そうでなければWindowsの修復は後回しにして先に進みます。
  
  
• Ubuntu Desktop 9.04(/dev/sda6)
  (1)インストールCDからUbuntu Desktop 9.04をインストールします。
  (2)GRUBはデフォルトのMBRとします。
  (3)実際の環境によってはUbuntu Desktop 9.04インストール後のWindows起動ができなくなることも考えられます。
  その場合もWindowsの修復を行います(Intel Macでのブート環境回復参照)。
  (4)Ubuntu 9.04のGRUBには下記CentOS用エントリが自動追加されます。
  (Xenエントリは自動追加されませんがこの時点ではまだ追加しないでおきます)
  

  # This entry automatically added by the Debian installer for an existing # linux installation on /dev/sda5. title CentOS-base (2.6.18-164.el5) (on /dev/sda5) root (hd0,4) kernel /boot/vmlinuz-2.6.18-164.el5 ro root=LABEL=/ rhgb quiet initrd /boot/initrd-2.6.18-164.el5.img savedefault boot

  
  (5)用途に応じてNVIDIAドライバとCompiz Fusion関連パッケージもインストールします(任意)。
  (6)Ubuntu 9.04ではサウンド再生ができませんが対策可能です。
  Ubuntu 9.04でサウンド再生させたい場合はParallels 5のゲストとして実行させるのも一つの手です。
  (7)Ubuntu 9.04にMacBookPro5,2対応パッチを含めたalsaモジュールを導入すればUbuntu 9.04ネーティブでサウンド再生可能となります。
  ※出典サイト：https://help.ubuntu.com/community/MacBookPro5-1_5-2/Jaunty#Sound
  今回はまず2.6.28-17-genericのカーネルを追加導入し、
  その2.6.28-17-genericカーネル環境でMacBookPro5,2対応alsaモジュールをインストールしました。
  その詳細手順(出典サイトからの引用)は以下の通りです(本手順はUbuntu 9.10には適用できません)。
  

  # wget ftp://ftp.alsa-project.org/pub/driver/alsa-driver-1.0.19.tar.bz2 # wget http://qwe.pl/~kacper/alsa-driver-1.0.19-mb51.patch # tar jxf ./alsa-driver-1.0.19.tar.bz2 # mv ./alsa-driver-1.0.19-mb51.patch ./alsa-driver-1.0.19 # cd ./alsa-driver-1.0.19 # patch -p2 < ./alsa-driver-1.0.19-mb51.patch # ./configure # make # make install

  ここでシャットダウンして2.6.28-17-genericカーネルで再起動すればまずログイン画面(GDM)表示時点でサウンドが鳴ります。
  (このalsaモジュールを再作成したカーネル環境とは別カーネルで起動した場合にはサウンド再生はできません)
  ・Ubuntu 9.04での音楽再生の様子
  (8)Ubuntu 9.10をメインで使用しないのはUbuntu 9.10には以下の制約があるためです。
  ・Ubuntu 9.10ではGRUB2が実装されていますがXenブートができません。
  ・Ubuntu 9.10のGRUB2からFedora 12(NVIDIAグラフィックカード使用時)のブートでエラーとなるケースがあります。
  ・Ubuntu 9.10ではMighty Mouseが使用できません。
  
  
• Fedora 12(/dev/sda7)
  (1)インストールDVDからFedora 12をインストールします。
  (2)最初のインストールメニューでは「Install system with basic video driver」を選択してvesaドライバを利用します。
  (3)ファイルシステムはext4ではなくext3にしました。
  (4)GRUBのインストールはスキップさせました。
  (5)実際の環境によってはFedora 12インストール後のWindows起動ができなくなることも考えられます。
  GRUBインストールなしでWindows起動不可となる場合の多くはrEFItのPartitioning ToolでMBRパーティション同期化で回復します。
  それでも駄目な場合はWindowsの修復を行います(Intel Macでのブート環境回復参照)。
  尚、Windowsの修復でMBRのGRUBブートローダが消えた場合は以下のようにして「GRUB復活」させます。
  
  • Ubuntu 9.04のCDでブート。
    
  • メインメニューでF6キー(その他のオプション)押下。
    
  • Escキーでサブメニュー(acpi=off等)の表示を抑止。
    
  • 起動オプションコマンド中の「boot=casper」を「root=/dev/sda6」に変更してEnterキー押下。
    ※これでインストール済みのUbuntu 9.04が起動されます。
    
  • 起動後、次のコマンドを実行します。
    # grub-install /dev/sda
    
  • マシン再起動でGRUB復活を確認できます。
    
  
  (6)Ubuntu 9.04のGRUBへのFedora 12エントリの追加はこの時点ではまだしないでおきます。
  
  
• Fedora 10(/dev/sda8)
  Fedora 10ではインストール時のパーティション設定で以下の制約があります(CentOS 5.4と同じ制約)。
  

  [制約] ブートパーティションは最初の4つのパーティションのいずれかになっていること。

  (Fedora 12には上記制約はありません)
  そこでUSBメモリを/bootに割り当てて、/dev/sda8を/に割り当ててインストールします。
  尚、/dev/sda8側には空の/bootが生成されます。
  Fedora 10のインストール後、/dev/sda8の中に/boot実体ファイルをコピーします。
  その具体的コピー手順は以下の通りです。
  (1)Ubuntu 9.04をブートします。
  (2)Ubuntu 9.04側で以下のコマンドを実行します。
  

  # mount /dev/sdb1 /mnt ※USBメモリのマウント # mkdir /mnt2 # mount /dev/sda8 /mnt2 # cp -Ra /mnt/* /mnt2/boot # vi /mnt2/etc/fstab 「UUID=xxx /boot ...」という行を削除します。 # umount /mnt2 # umount /mnt

  
  Ubuntu 9.04のGRUBへのFedora 10エントリの追加はこの時点ではまだしないでおきます。
  尚、Fedora 10インストール後はWindows起動ができなくなります。
  そこでWindowsの修復を行います(Intel Macでのブート環境回復参照)。
  Windowsの修復後の「GRUB復活」は上述したFedora 12の場合と同様です。
  
  
• Ubuntu 9.04のGRUBへの各OS用エントリの追加
  (1)Ubuntu 9.04を起動します。
  (2)blkidコマンドを実行して各パーティションのUUIDを確認します。
  (3)各パーティションをマウントしてそのvmlinuz, initrd(Fedora 12の場合はinitramfs)のファイル名を確認します。
  (4)vi /boot/grub/menu.lst
  /boot/grub/menu.lstに以下のエントリを追加します(UUIDはblkidで確認した値)。
  

  title CentOS-Xen (2.6.18-164.el5) (on /dev/sda5) root (hd0,4) kernel /boot/xen.gz-2.6.18-164.el5 dom0_mem=1024m module /boot/vmlinuz-2.6.18-164.el5xen ro root=LABEL=/ rhgb quiet module /boot/initrd-2.6.18-164.el5xen.img savedefault boot title Fedora 12 PAE (2.6.31.5-127.fc12.i686.PAE) (on /dev/sda7) root (hd0,6) kernel /boot/vmlinuz-2.6.31.5-127.fc12.i686.PAE ro root=UUID=f5d2e0ff-dd72-4512-be9b-ce5669249920 rhgb quiet nomodeset driver=vesa initrd /boot/initramfs-2.6.31.5-127.fc12.i686.PAE.img savedefault boot title Fedora 10 PAE(2.6.27.5-117.fc10.i686.PAE) (on /dev/sda8) root (hd0,7) kernel /boot/vmlinuz-2.6.27.5-117.fc10.i686.PAE ro root=UUID=44834b5f-fefc-485b-9578-c8343d056a84 rhgb quiet initrd /boot/initrd-2.6.27.5-117.fc10.i686.PAE.img savedefault boot

  [補足]
  Fedora 12用の「nomodeset driver=vesa」部分はPAE有無に関係なく省略可能です。
  
  
  ３．各OSのブート
  
  ここではMac OS X, Windows 7, Ubuntu 9.04以外のOSのブート方法を示します。
  
  • CentOS 5.4の通常カーネルでのブート
    Ubuntu 9.04のGRUBでCentOS-baseエントリを選択してブートします。
    はじめてのCentOS-baseエントリのブートでは「ようこそ」画面が表示されますので画面に沿って設定処理を行います。
    CentOS 5.4ではサウンド再生ができません。
    ・CentOS 5.4の通常カーネルのデスクトップ例
    
    
  • CentOS 5.4のXenカーネルでのブート
    Ubuntu 9.04のGRUBでCentOS-Xenエントリを選択してブートします。
    ・CentOS 5.4のXenカーネルのデスクトップ例
    
    
  • Fedora 12のPAEモードでのブート
    Ubuntu 9.04のGRUBでFedora 12 PAEエントリを選択してブートします。
    はじめてのFedora 12ブートでは「ようこそ」画面が表示されますので画面に沿って設定処理を行います。
    Fedora 12でrootログインを許可するには次の二つのgdm設定ファイル中の
    「auth required pam_succeed_if.so user != root quiet」を「auth required pam_succeed_if.so」に変更します。
    ・/etc/pam.d/gdm
    ・/etc/pam.d/gdm-password
    Fedora 12ではサウンド再生ができません。
    Fedora 12のPAEモードでは自動生成される/etc/X11/xorg.confでのドライバはvesaになります。
    ・Fedora 12のPAEモードでのデスクトップ例
    
    
  • Fedora 12でのCompiz Fusion
    MacBook Pro付属のGPU(NVIDIA GeForce 9600M GT)用のnvidiaドライバはFedora Nvidia Driver Install Guideに従い、
    RPMFusionを利用してインストールします。
    その場合、kmod-nvidiaのインストール時に非PAEカーネルがインストールされます。
    具体的にはFedora 12でのnvidiaドライバとCompiz Fusionは以下のコマンドでインストールします。
    

    # rpm -ivh http://download1.rpmfusion.org/free/fedora/rpmfusion-free-release-stable.noarch.rpm # rpm -ivh http://download1.rpmfusion.org/nonfree/fedora/rpmfusion-nonfree-release-stable.noarch.rpm # yum install kmod-nvidia ※補足1参照 # yum install compiz-fusion compiz-fusion-gnome # yum install compiz-fusion-extras # yum install compiz-manager # yum install ccsm fusion-icon emerald emerald-themes # yum install compiz-devel # yum install compiz-bcop # yum install git

    
    上記「yum install kmod-nvidia」による依存性解決のためkernel-2.6.31.6-145.fc12.i686(非PAE)パッケージも自動導入されました。
    そこでFedora 12側からUbuntu 9.04のGRUBにFedora 12 non-PAEエントリを追加します。
    # mount /dev/sda6 /mnt ※Ubuntu 9.04パーティションのマウント
    # vi /mnt/boot/grub/menu.lst
    

    title Fedora 12 non-PAE (2.6.31.6-145.fc12) (on /dev/sda7) root (hd0,6) kernel /boot/vmlinuz-2.6.31.6-145.fc12.i686 ro root=UUID=f5d2e0ff-dd72-4512-be9b-ce5669249920 rhgb quiet nomodeset driver=vesa initrd /boot/initramfs-2.6.31.6-145.fc12.i686.img savedefault boot

    # umount /mnt
    ここで再起動してUbuntu 9.04のGRUBでFedora 12 non-PAEエントリを選択してブートします。
    この場合kernelパラメータにdriver=vesa指定があってもnvidia使用の/etc/X11/xorg.confが自動生成されます。
    Compiz Fusion Iconを起動するとCompizのモードになります。
    ・Fedora 12の非PAEモードでのCompiz Fusion例
    
    [補足1]
    nvidiaドライバを含む同一ビルド番号のnon-PAE版及びPAE版のカーネルと共にカーネルモジュール開発環境も同時にインストールする場合は
    以下のコマンドを実行します。
    

    # yum install kmod-nvidia kmod-nvidia-PAE このコマンドでkernel-2.6.31.6-145.fc12.i686とkernel-PAE-2.6.31.6-145.fc12.i686が インストールされたとすると以下のようなコマンドも実行しておきます。 # yum install kernel-headers-2.6.31.6-145.fc12.i686 # yum install kernel-devel-2.6.31.6-145.fc12.i686 # yum install kernel-PAE-devel-2.6.31.6-145.fc12.i686

    
    
  • Fedora 12でのサウンド再生について
    Fedora 12にはalsaドライバ 1.0.21がインストールされています。
    この環境でalsaドライバソース 1.0.19＋パッチでalsaドライバを作成(実質ダウングレード)してBookPro5,2でサウンド再生可能にするのは困難なようです。
    
    尚、Fedora 11ではalsaドライバ 1.0.20がインストールされますのでやはりFedora 12同様の結論になるかと思われます。
    
    
  • Fedora 12での無線LAN(AirMac)利用手順
    (1)まず最新の非PAEカーネルを導入します。
    # yum install kernel-2.6.31.6-166.fc12 ※最新カーネルバージョンは時間経過とともに変化します。
    # yum install kernel-devel-2.6.31.6-166.fc12
    (2)次にFedora 12側からUbuntu 9.04のGRUBに最新の非PAEカーネルエントリ(「Fedora 12 non-PAE (2.6.31.6-166.fc12)」を追加します。
    # mount /dev/sda6 /mnt ※Ubuntu 9.04パーティションのマウント
    # vi /mnt/boot/grub/menu.lst
    

    title Fedora 12 non-PAE (2.6.31.6-166.fc12) (on /dev/sda7) root (hd0,6) kernel /boot/vmlinuz-2.6.31.6-166.fc12.i686 ro root=UUID=f5d2e0ff-dd72-4512-be9b-ce5669249920 rhgb quiet nomodeset driver=vesa initrd /boot/initramfs-2.6.31.6-166.fc12.i686.img savedefault boot

    # umount /mnt
    (3)ここでシャットダウンします。
    (4)「Fedora 12 non-PAE (2.6.31.6-166.fc12)」をブートします。
    (5)ワークディレクトリ(ここではmyAirMac)を作成します。
    # cd
    # mkdir myAirMac
    # cd myAirMac
    (6)http://www.broadcom.com/support/802.11/linux_sta.phpからhybrid-portsrc-x86_32-v5.10.91.9.3.tar.gzをダウンロードします。
    (7)以下のコマンドでSTAドライバを作成して組み込みます。
    ※ディストリビューションを特に意識しない一般的な手順はhttp://www.broadcom.com/docs/linux_sta/README.txtに記載されています。
    # tar zxvf hybrid-portsrc-x86_32-v5.10.91.9.3.tar.gz
    # make
    ※本ディレクトリにwl.koが生成されます。
    # lsmod | grep "b43\|ssb\|wl"
    以下のように表示されます。
    

    b43 111120 0 mac80211 149768 1 b43 cfg80211 73044 2 b43,mac80211 ssb 37072 1 b43

    # rmmod b43
    # rmmod mac80211
    # rmmod cfg80211
    # rmmod ssb
    # echo "blacklist ssb" >> /etc/modprobe.d/blacklist.conf ※既存の/etc/modprobe.d/blacklist.confへの指定追加。
    # echo "blacklist b43" >> /etc/modprobe.d/blacklist.conf
    # modprobe lib80211
    以下の警告が表示されますが無視します。
    

    WARNING: Deprecated config file /etc/modprobe.conf, all config files belong into /etc/modprobe.d/.

    # insmod wl.ko
    ※insmod実行後の再起動は不要です。
    # cd
    (8)しばらくしてGNOMEパネルのネットワークアイコンを左クリックするとアクセスポイント(SSID)一覧が表示されます。
    (9)接続したいアクセスポイントを選択すると「Wireless Network Authentication Required」画面が表示されます。
    (10)「Wireless Network Authentication Required」画面でWireless security情報を入力して<接続>ボタンを押します。
    (11)ifconfigで無線LANが使用可能になったことが確認できます。
    (12)有線LANケーブルを抜いてpingでの無線LAN接続テストを行ってみます。
    
    
  • Fedora 12でのMighty Mouse利用について
    Fedora 12のカーネルはkernel-2.6.31系でありBluetoothのMighty Mouseを認識します。
    でもこのBluetoothのMighty Mouse接続は不安定でした。
    
    
  • Fedora 10のPAEモードでのブート
    はじめてのFedora 10ブートでは「ようこそ」画面が表示されますので画面に沿って設定処理を行います。
    Fedora 10ではサウンド再生ができません。
    ・Fedora 10のPAEモードでのデスクトップ例
    
    
  • Fedora 10でのCompiz Fusion
    Fedora 10の場合もFedora 12と同様の操作でnvidiaドライバとCompiz Fusionをインストールします。
    この場合の「yum install kmod-nvidia」では依存性解決のため2.6.27.38-170.2.113.fc10(非PAE)パッケージも自動導入されました。
    そこでUbuntu 9.04のGRUBには以下の内容のFedora 10 non-PAEエントリを追加します。
    

    title Fedora 10 non-PAE(2.6.27.38-170.2.113.fc10.i686) (on /dev/sda8) root (hd0,7) kernel /boot/vmlinuz-2.6.27.38-170.2.113.fc10.i686 ro root=UUID=44834b5f-fefc-485b-9578-c8343d056a84 rhgb quiet initrd /boot/initrd-2.6.27.38-170.2.113.fc10.i686.img savedefault boot

    
    Ubuntu 9.04のGRUBでFedora 10 PAEエントリを選択してブートしてCompiz Fusion Iconを起動するとCompizのモードになります。
    ・Fedora 10の非PAEモードでのCompiz Fusion例
    
    
  • Fedora 10へのMacBookPro5,2対応パッチを含めたalsaモジュールの導入
    Fedora 10にはalsaドライバ 1.0.18がインストールされています。
    alsaドライバソース 1.0.19＋パッチでalsaドライバを作成(実質アップグレード)することでBookPro5,2でサウンド再生可能となります。
    (1)Fedora 10 non-PAEでブートします(Fedora 10 PAEブートでも構いません)。
    (2)Fedora 10 non-PAE環境へのMacBookPro5,2対応パッチを含めたalsaモジュールの導入操作は以下の通りです(Ubuntu 9.04の場合と類似)。
    

    # cd # mkdir alsa-nonPAE # cd alsa-nonPAE # yum install kernel-devel-2.6.27.38-170.2.113.fc10.i686 # wget ftp://ftp.alsa-project.org/pub/driver/alsa-driver-1.0.19.tar.bz2 # wget http://qwe.pl/~kacper/alsa-driver-1.0.19-mb51.patch # tar jxf ./alsa-driver-1.0.19.tar.bz2 # mv ./alsa-driver-1.0.19-mb51.patch ./alsa-driver-1.0.19 # cd ./alsa-driver-1.0.19 # patch -p2 < ./alsa-driver-1.0.19-mb51.patch # ./configure --with-kernel=/usr/src/kernels/2.6.27.38-170.2.113.fc10.i686 # make # make install # cd

    (3)Fedora 10 PAE環境へのMacBookPro5,2対応パッチを含めたalsaモジュールの導入操作は以下の通りです(Ubuntu 9.04の場合と類似)。
    

    # cd # mkdir alsa-PAE # cd alsa-PAE # yum install kernel-PAE-devel-2.6.27.5-117.fc10.i686 # wget ftp://ftp.alsa-project.org/pub/driver/alsa-driver-1.0.19.tar.bz2 # wget http://qwe.pl/~kacper/alsa-driver-1.0.19-mb51.patch # tar jxf ./alsa-driver-1.0.19.tar.bz2 # mv ./alsa-driver-1.0.19-mb51.patch ./alsa-driver-1.0.19 # cd ./alsa-driver-1.0.19 # patch -p2 < ./alsa-driver-1.0.19-mb51.patch # ./configure --with-kernel=/usr/src/kernels/2.6.27.5-117.fc10.i686.PAE # make # make install # cd

    (4)ここでシャットダウンします。
    (5)サウンド再生確認
    まずFedora 10 non-PAEでブートします。
    [システム]−[設定]−[ハードウェア]−[サウンド]でイベントの音の再生テストで音が鳴るのが確認できます(音楽CD再生も可能)。
    ・Fedora 10 non-PAEでのサウンド再生確認の様子
    次にFedora 10 PAEでブートして同じくイベントの音の再生テストで音が鳴るのが確認できます(音楽CD再生も可能)。
    ・Fedora 10 PAEでのサウンド再生確認の様子
    
    
  • Fedora 10での無線LAN(AirMac)利用手順
    Fedora 12と類似した方法でFedora 10でも無線LAN(AirMac)が利用可能となります。
    ここではFedora 10の初期インストールで導入される2.6.27.5-117.fc10.i686.PAEカーネルでのAirMac利用手順を示します。
    (1)まず2.6.27.5-117.fc10.i686.PAEカーネルでブートします。
    (2)次に以下のコマンドを実行します。
    # yum install kernel-PAE-devel-2.6.27.5-117.fc10.i686
    (3)ワークディレクトリ(ここではsta-orgPAE)を作成します。
    # cd
    # mkdir sta-orgPAE
    # cd sta-orgPAE
    (4)http://www.broadcom.com/support/802.11/linux_sta.phpからhybrid-portsrc-x86_32-v5.10.91.9.3.tar.gzをダウンロードします。
    (5)以下のコマンドでSTAドライバを作成して組み込みます。
    ※ディストリビューションを特に意識しない一般的な手順はhttp://www.broadcom.com/docs/linux_sta/README.txtに記載されています。
    # tar zxvf hybrid-portsrc-x86_32-v5.10.91.9.3.tar.gz
    # make
    ※本ディレクトリにwl.koが生成されます。
    # cp wl.ko /lib/modules/2.6.27.5-117.fc10.i686.PAE/kernel/net/wireless/
    # echo "blacklist ssb" >> /etc/modprobe.d/blacklist.conf
    # echo "blacklist b43" >> /etc/modprobe.d/blacklist.conf
    # depmod
    # modprobe wl
    ※ここでのの再起動は不要です。
    # cd
    (6)しばらくしてGNOMEパネルのネットワークアイコンを左クリックするとアクセスポイント(SSID)一覧が表示されます。
    (7)接続したいアクセスポイントを選択すると「Wireless Network Authentication Required」画面が表示されます。
    (8)「Wireless Network Authentication Required」画面でWireless security情報を入力して<接続>ボタンを押します。
    (9)ifconfigで無線LANが使用可能になったことがネットワークアイコン変化で確認できます。
    (10)有線LANケーブルを抜いてping等での無線LAN接続テストを行ってみます。
    (11)有線LANケーブルを抜いてブートして無線LAN(AirMac)だけ利用してpingテストを行ってみました。
    ・Fedora 10での無線LAN(AirMac)利用例
    
    
  • Fedora 10とFedora 12の選択について
    (1)Fedora 10ではサウンド再生もできて無線LAN(AirMac)も利用できます。
    (2)Fedora 12ではサウンド再生は困難ですが無線LAN(AirMac)は利用可能です。
    (3)利用目的に応じてFedora 10とFedora 12の選択が決まると思いますが今回はとりあえず両方導入しています。
    (4)強いてどちらかを選択しなければならないのであればやはりサウンド再生可能なFedora 10でしょうか...。
    
    
  
  ４．USBディスクへのFedora 11導入
  
  ポータブルUSBディスクにFedora 11を導入してみました(USBメモリへの導入ではありません)。
  ポイントは以下の通りです。
  (1)インストールDVDからFedora 11のインストーラを起動します。
  (2)最初のインストールメニューでは「Install system with basic video driver」を選択してvesaドライバを利用します。
  (3)パーティションの設定では/dev/sdb1(20GB)をファイルシステムext3として/にマウントするようにしました。
  (4)GRUBのインストール先は/dev/sdb1としました。
  (5)USBディスクへの本Fedora 11のインストールでは既存の内蔵HDDにインストール済みOSブートを妨げることはありませんでした。
  (6)Ubuntu 9.04の/boot/grub/menu.lstにFedora 11起動用エントリを以下のように登録します。
  

  title Fedora 11 (2.6.29.4-167.fc11.i686.PAE) root (hd1,0) kernel /boot/vmlinuz-2.6.29.4-167.fc11.i686.PAE ro root=UUID=b2c9afbf-15e2-4db6-bccc-1dbcb138c334 nomodeset rhgb quiet initrd /boot/initrd-2.6.29.4-167.fc11.i686.PAE.img

  (7)Fedora 11の初回起動で「ようこそ」画面が表示されますので画面指示に沿って操作します。
  (8)non-PAE用nvidiaドライバを導入した場合のnon-PAEカーネルでブートするとブートの途中でフリーズしました。
  このためPAE用nvidiaドライバを導入しました(yum install kmod-nvidia-PAE)。
  (9)Compiz FusionパッケージもフルインストールしてPAEカーネル環境で無事動作することを確認しました。
  (10)Fedora 12同様サウンド再生させることはできませんでした。
  (11)カーネル2.6.30系にアップグレードした環境での無線LAN(AirMac)利用確認は未実施です。
  (12)Fedora 10, 11, 12からデスクトップ用途として一つ選択するとすればやはりサウンド再生可能なFedora 10でしょうか...。