Inferno環境
InfernoというOSの動作形態には次の2種類あります。
- ネーティブOSとしての動作
- ホストOS上の仮想OSとしての動作
今回は「Inferno 3rd Edition」をWindows 2000 Professional(ホストOS)上の仮想OSとして動作させてみました。
ホストOSとしてはWindows 2000の他にもWindows 95/98/NT, Plan 9, FreeBSD, Linux, Solarisがサポートされています。
(1)仮想OSとしての動作性能について(印象)
仮想OSというとJava VM(Virtual Machine)をすぐに思い出し、Javaアプレットの動作が遅いというイメージがあります。
しかしInferno仮想OS(Inferno Dis VM)はエミュレーション動作がかなり高速でホストOS上で動作しているという印象は受けません。
(2)まずはエミュレータとウィンドウマネジャの起動
仮想OSとしてのInfernoをまず動作させるにはemu.exeというエミュレータを起動します。
このemu.exeに-gパラメータを与えてInfernoのデスクトップサイズを変更することができます。
(例:emu.exe -g800x600)
エミュレータを起動すると次のコンソール画面が表示されます。
この画面で「; 」の後にwm/wmとキーインしてEnterキーを押すとwmというウィンドウマネジャが起動されデスクトップ画面が表示されます。
(3)デスクトップ
- デスクトップ画面
実寸大の画面はこちらです(800x600)。
- デスクトップの構成
- メインウィンドウ
青い背景色の部分です。
- ロゴボタン
デスクトップの一番下の左端にある「VITA NUOVA」ロゴの付いたボタンでWindowsのスタートボタンに相当します。
- アプリケーションバー
デスクトップの下にあるバーで「最小化されたアプリケーション」を表示する部分です(Windowsのタスクバーに相当します)。
- Infernoメニュー
「VITA NUOVA」ロゴの付いたボタンをクリックするとInfernoアプリケーションのメニューが表示されます。
- Shell:コマンド操作を行うシェル画面を起動します。
- Acme:開発環境を起動します。
- Edit:エディタを起動します。
- Charon:Webブラウザを起動します。
- Manual:マニュアルブラウザを起動します。
- Files:簡易ファイルマネジャを起動します。
- System:次のサブメニューを持ちます。
- Misc:次のサブメニューを持ちます。
- アプリケーションウィンドウの標準ボタン
- 左:「ウィンドウリサイズ」ボタン
- 中央:「最小化」ボタン
- 右:「閉じる」ボタン
(4)ウィンドウサイズの変更
ウィンドウサイズを変更するにはまずウィンドウリサイズボタンを押します。
するとウィンドウの四隅に赤いマークが表示されます。
この赤いマークをドラッグすることでウィンドウサイズを変更できます。
(5)シェル
シェルで使える基本的なコマンドは/appl/cmdの中に入っています。
Infernoの場合はSolarisやLinux等に比べるとコマンドの種類は少ないようです。
(6)エディタ
EditというエディタはUTF-8コード対応です。
UTF-8コードで表現された日本語も一応表示可能です(日本語の入力は今のところできないようです)。
(ただ日本語の上の一部が欠けて表示されます)
(7)Charon(Webブラウザ)によるインターネット利用
Infernoの標準WebブラウザであるCharonを使ってVITA NUOVA社のWebサイトをアクセスしてみました。
Charonでは日本語のWebページをアクセスしても日本語表示はできません。
(8)マニュアルブラウザ
マニュアルブラウザを起動して知りたいコマンドを指定すると該当コマンドの詳細が表示されます。
表示されたページの中にあるリンク部分(緑色の部分)をクリックするとそのリンク先マニュアルページにジャンプします。
(9)簡易ファイルマネジャ
簡易ファイルマネジャはファイルシステムを単にブラウズするだけのシンプルなものです。
ただしテキストファイルをダブルクリックするとEditで内容が表示されます。
(10)ネットワークの利用(LAN環境)
- Apacheアクセス
CharonでTurboLinux(別マシン)上のApacheをアクセスしてみました。
- telnetによるOracleアクセス
Infernoからtelnetを使ってLinux上のOracleをアクセスしてみました。
(11)InfernoのWebサーバ利用
InfernoにはHTTP 1.0対応のWebサーバが付いています。
(このWebサーバについてはマニュアルブラウザで確認できます)
InfernoのWebサーバを試してみる手順は次の通りです。
- ドキュメントルートの作成
「mkdir /services/httpd/root」でWebサーバのドキュメントルートを作成します。
- ドキュメントルートへのHTMLファイルの格納
例えばInfernoメディアディレクトリ(Infernoのインストール用ファイルを格納したディレクトリ)にあるREADME.html(Infernoのインストール説明書)をindex.htmlという名称でドキュメントルートにコピーしておきます。
- httpデーモン(httpd)の起動
「svc/httpd/httpd」でhttpデーモンを起動します。
- Charonでhttp://localhostをアクセスして上記のindex.htmlの内容が表示されればOKです。
InfernoのWebサーバを起動した状態で別のマシンからアクセスしてみました。