AirPlayとDLNAについて

iPhoneの中にある画像、動画、音楽等のコンテンツをネットワーク経由でTV/プロジェクタで再生表示させる方法として一番身近な方法はAirPlayかと思います。
ミラーリングも一つの方法なのですが、実はDLNAというものへの関心が強まっているようです。
DLNAとは、Digital Living Network Allianceの略でホームネットワークの規格の一つです。
そのDLNAの大きな使用目的は簡単に言えば家庭の中にある一つのデバイスから同じネットワーク上の他のデバイスにコンテンツを配信して再生させることです。
DLNA対応機能は次のように分類できます。
機能分類機能
DLNAメディアサーバDLNAコンテンツを配信します。Windows Media Player 12
Nero MediaHome
T96 miniのMediaCenter-xxxx
DLNAメディアレシーバDLNAコンテンツのプッシュ配信を受けます。Windows Media Player 12
AirReceiver
ApowerMirror, LetsView
Nero Receiver
T96 miniのMediaCenter-xxxx
DLNAメディアプレーヤDLNAメディアサーバのメディアやローカルメディアを
選択してローカル再生またはDLNAメディアレシーバに
プッシュ配信します。
Windows Media Player 12
ファイルエクスプローラ
AirReceiver
TV Cast(D)
Nero Streaming Player
例えば、Fire TV Stick(TV)にAirReceiverを導入するとそのTVはDLNAメディアレシーバとなります。
AirReceiverは「AirPlay再生デバイス」として理解されるケースが多いようですが、DLNAメディアレシーバとしての機能も見逃せません。
Fire TV StickにAirReceiverをインストールして開くと以下の設定画面が表示されます。
DLNA DMR(DLNA Media Receiver)」がデフォルトでは有効になっているためDLNAメディアレシーバとして機能する訳です。

※ Fire TV StickのAirReceiverを表すデバイス名は「AFTMM-xx」となります(xxはIPv4アドレスの最後の値です:例えば192.168.1.15ならxx=15)。

iPhoneに「TV Cast(D)」(DはDLNAの略)アプリや「Nero Streaming Player」アプリを導入するとiPhone内のメディアコンテンツをFire TV Stickに配信できます。

一方、下記はT96 mini(TV)でのAirReceiver設定画面の例です。
(T96 miniは画面分割モードが使えるため画面解像度は1920x1080となっており、縮小すると字が見ずらくなって申し訳ありません)

※ T96 miniのAirReceiverを表すデバイス名は「T96MINI-xx」となります(xxはIPv4アドレスの最後の値です:例えば192.168.1.16ならxx=16)。
このT96 mini(TV)でのAirReceiver設定画面では「DLNA DMR(DLNA Media Receiver)」がオフとなっています。
実は、このT96 miniにはGoogle Playにある無料版の「Castify」アプリ(正式名:Cast TV for Chromecast/Roku/Apple TV/Xbox/Fire TV)をインストールしてあります。
実はこの「Castify」アプリはDLNAメディアサーバ兼DLNAメディアレシーバとして機能するもので、AirReceiverの「DLNA DMR(DLNA Media Receiver)」を自動的にオフにしてしまうようです。
その代わりに「Castify」アプリ付属のMediaCenter-xxxxという常駐デバイスがDLNAメディアレシーバの役割を果たし、かつDLNAメディアサーバも兼ねることになります。
尚、T96 miniにApowerMirrorをインストールして起動するとApowersoft[T96 MINI]という非常駐デバイスがDLNAメディアレシーバとなります。
T96 miniにおけるCastifyの使い方はこちらで紹介していますが、ここではCastifyの使い方は読み飛ばして結構です。

ここではAirPlay再生とDLNA再生の違い等を中心にご紹介致します。

  1. AirPlay再生
    AirReceiverを使ったAirPlay再生ではAirReceiver自体が画像ビューア/ビデオプレーヤ/ミュージックプレーヤとして機能します。
    後で紹介するMediaCenter-xxxxではMediaCenter-xxxxが画像ビューア/ビデオプレーヤ/ミュージックプレーヤを起動させる方式となっています。


  2. iPhone用の代表的なDLNA対応アプリ
    iPhone用のDLNA対応アプリとして代表的なアプリは次の二つかと思います。
    (1)「TV Cast(D)」アプリ
    「TV Cast(D)」アプリはDLNAメディアサーバを検出せずに、iPhone側のメディアコンテンツをDLNAメディアレシーバに配信します。
    ※ 動画についてはDLNAメディアレシーバ用に最適化(変換)します。
    (2)「Nero Streaming Player」アプリ
    「Nero Streaming Player」アプリはDLNAメディアサーバを検出すると共に、iPhone側のメディアコンテンツはもとよりDLNAメディアサーバのコンテンツをDLNAメディアレシーバに配信します。
    ※ 動画についてはDLNAメディアレシーバ用に変換します。またMOVファイルはサポート対象外扱いとなっているようです(元動画と再生動画の表示が異なる)。


  3. デバイス4台の共演
    下記はT96 mini, iPhone 8, iPhone 12, PC(Windows 11)を共演させたT96 mini側の画面例です。


    拡大画面

    【実行手順】