VMware Fusion 2.0環境[Mac OS X Serverゲスト編]

2008年9月16日にVMware Fusion 2.0 日本語版がリリースされました(ダウンロード版の先行リリース)。
VMware Fusion 2.0ではゲストOSとしてMac OS X Server 1.5(Leopard Server)を試験的サポートしています。
試験的サポートですので多少仕様制限があるようです。

ここではVMware Fusion 2.0でMac OS X Server 1.5(Leopard Server)をゲストOSとして実行する方法を紹介します。
またParallels Desktop 4.0 for MacからVMware Fusion 2.0へのMac OS X Server 1.5ゲストの手動移行についても触れます。
尚、今回使用したVMware Fusion 2.0はダウンロード版(VMware-Fusion-2.0.0-116369.dmg)です。


１．マシン環境

• CPU：Intel Core 2 Duo ※VT対応の64ビットCPU
  
• LAN：AirMac Extreme
  
• グラフィックス：Intel GMA 950
  
• キーボード：Appleアルミニウムキーボード
  
• マウス：Apple Mighty Mouse(Bluetoothマウス)
  
• Mac OS Xバージョン：10.5.5
  

• 新規仮想マシンの作成開始
  VMware Fusion 2.0を起動して表示される「仮想マシンのライブラリ」画面左下にある[新規]をクリックして新規仮想マシンの作成を開始します。
  「新規仮想マシン アシスタント」が表示されます。
  
  
• 「はじめに」画面
  「はじめに」画面で＜ディスクを使用せずに続行＞ボタンをクリックします。
  
  
• 「インストールメディア」画面
  「インストールメディア」画面では、＜オペレーティングシステムのインストールディスクを使用＞をon(デフォルト)にします。
  ＜続ける＞ボタンで先に進みます。
  
  
• 「オペレーティングシステムの選択」画面
  「オペレーティングシステムの選択」画面で以下を選択します。
  ・オペレーティングシステム：Apple Mac OS X
  ・バージョン：Mac OS X Server 10.5(試験的)
  
  
• 「終了」画面
  (1)「終了」画面には仮想マシンの概要が表示されます。
  (2)ここで＜設定のカスタマイズ＞ボタンを押します。
  (3)続いて仮想マシン名、仮想マシンの格納場所、CPU/メモリ、ネットワーク設定、仮想ディスクサイズ等の設定変更を行います。
  ・仮想マシン名：今回は「MacOSXServer」としました。
  ・プロセッサ数：1
  ・仮想メモリ(RAM)：2048MB (VMware Fusionでは実メモリサイズを超えた仮想メモリ割り当ては不可)
  ※インストール時は1024MB以上の定義が必要ですが、インストール後は1024MB未満でもOKです。
  ・仮想ディスク容量：40GB
  ※40GB以上の仮想ディスクが無いとMac OS X Server 10.5用仮想マシン定義ができません。
  ・ネットワーク設定：ブリッジ型を選択。
  (4)設定変更の＜適用＞で新規仮想マシンの作成は完了です。
  ※設定内容は新規仮想マシンの作成後にも変更可能です。
  下記はゲストOSインストール用にメモリ割り当てを2048MBとした仮想マシン構成定義表示例です。
  
  
  
  
  
• ゲストOSのインストールの開始
  Mac OS X Server 10.5のインストールDVDをセットして[ゲストのスタートアップ]を押すとインストールDVDからのブートが開始されます。
  
  
• インストールの流れ
  インストールの流れはネーティブインストールの場合と同様です。
  インストール開始画面である最初の画面(言語の選択)では「主に日本語を使用する」を選択します。
  
  
  
  インストール詳細はここでは省略します。
  
  
• ゲストOSの起動
  インストール後は1024MB未満のメモリでもOKですので用途に応じてメモリ等の仮想マシン構成を変更します。
  ゲストOSをあらためて起動します。
  
  
• VMware Toolsのインストール
  VMware Toolsを導入しなくてもホスト−ゲスト間のシームレスなマウスポインタ移動はできます。
  しかしゲストOS(Mac OS X Server 1.5)の画面解像度は1024x768固定になっていて狭いデスクトップとなります。
  そこでVMware Toolsをインストールして自由に画面解像度を変更できるようにします。
  尚、VMware ToolsをインストールしてもゲストOS(Mac OS X Server 1.5)ではユニティモードは利用できません。
  VMware Toolsのインストールは以下の手順で行います。
  まず[仮想マシン]メニューの[VMware Toolsのインストール]を実行します。
  VMware Toolsの説明用ポップアップ画面で＜インストール＞をクリックします。
  VMware Toolsの仮想CDイメージが自動マウントされてその仮想CDの内容が表示されます。
  その中の＜VMware Toolsのインストール＞を起動してすべてデフォルトのままインストールを行います。
  インストール完了後、＜再起動＞ボタンで再起動します。
  
  
• 画面解像度の変更
  仮想マシン表示ウィンドウの右下をマウスでドラッグすることで自由に画面解像度を変更することができます。
  ・マウス操作で画面解像度が1183x910になった例
  ・またその時点の仮想マシン設定画面のサムネール付き表示例；
  
  
  
  
• 各種サーバ設定
  利用したいサーバ設定(Webサーバ設定等)を行います。
  一番簡単なのはWebサービス(Apache 2系)の設定です。
  サーバ管理のサービス一覧からWebを選択し、ドメイン名を指定して設定を保存し＜Webを開始＞ボタンを押すだけです。
  これでデフォルトのWebサイトの基本構築は完了です。
  ホスト側からもWebアクセスできます。
  
  
• ホスト側へのサーバ管理ソフトの導入(任意)
  ホスト側にMac OS X 10.5用サーバ管理ソフトを導入するとゲストOSはログイン画面のままでホスト側からGUI操作でサーバ設定できます。
  まずホスト側でMac OS X 10.5のインストールDVDをセットします。
  その中の「その他のインストール」の「サーバ管理ソフトウェアのインストール」を開いてインストーラを起動します。
  アプリケーションフォルダの[サーバ]に下記が登録されます。
  ・Xgrid Admin
  ・サーバアシスタント
  ・サーバモニタ
  ・サーバ環境設定
  ・サーバ管理
  ・システムイメージユティリティ
  ・ワークグループマネジャ
  
  下記はゲストOSはログイン待ち状態のままでホスト側からGUI操作でサーバ管理を行っている様子です。
  (画面中央下のターミナルではゲストOSにssh接続してコマンド操作しています)
  
  
  
  
• Xgridコントローラ利用例
  ゲストOSであるMac OS X 10.5サーバのXgridサービスを利用してXgridのジョブ実行結果をホストOS側で取得してみました。
  ※Mac OS X 10.5デスクトップ版にもXgridコントローラ機能を組み込み可能のようですがここではサーバ版付属の標準機能を利用。
  
  
  
  

• Parallels Desktop 4.0 for Mac側前提条件
  (1)ゲストOS(Mac OS X Server 10.5)の仮想ディスクサイズは例えば32GBとします(但し容量固定タイプとします)。
  (2)Parallels Toolsはインストールしません。
  ※Parallels Toolsインストール済みならParallels ToolsインストールCDイメージからアンインストーラを実行しておきます。
  
  
• VMware Fusion 2.0側前提条件
  ゲストOS(Mac OS X Server 10.5)の仮想マシン定義の仮想ディスクについて以下の定義操作を行います。
  (1)1番目の仮想ディスクとして40GBのファイルを定義します(これはダミーなので容量可変タイプでOKです)。
  ※40GBというのはVMware Fusion 2.0で規定しているゲストOS(Mac OS X Server 10.5)インストール用の最低容量です。
  (2)2番目の仮想ディスクとしてParallels Desktop 4.0 for Mac側の仮想ディスクサイズと同じ仮想ディスクを定義します。
  ※ここでは32GBの容量固定タイプとします。
  
  
• VMware Fusion 2.0側での起動ディスク切り替え
  ※下記(1)から(4)は省略できると思われますがここでは念のため実行しています。
  (1)VMware Fusion 2.0側でMac OS X 10.5のインストールDVDをセットしてDVDからブートします。
  (2)言語選択して「インストールの準備中」表示の後、[ユティリティ]−[起動ディスク]を実行します。
  (3)起動ディスクでは、32GBの方のMacintosh HDを選択します。
  (4)ゲストOS(Mac OS X Server 10.5)のインストール作業をここでキャンセルします。
  (5)VMware Fusion 2.0側でのゲストOS(Mac OS X Server 10.5)構成において1番目(40GBのダミー)の仮想ディスク定義を削除します。
  (6)VMware Fusion 2.0側のゲストOS(Mac OS X Server 10.5)の仮想ディスクファイル(32GB)をParallels Desktop 4.0 for Mac側のファイルで置き換えます。
  ※この時ファイル名はVMware Fusion 2.0側の元のxxx-flat.vmdkにします。
  下記の画像は仮想ディスク置き換えのためにParallels Desktop 4.0 for Mac側とVMware Fusion 2.0側ファイルを表示している様子です。
  
  
  
  これでParallels Desktop 4.0 for MacからVMware Fusion 2.0へのMac OS X Server 1.5ゲストの手動移行は完了です。
  
  
• Parallels Desktop 4.0 for Mac側からのゲストOS(Mac OS X Server 10.5)の仮想マシン削除
  仮想マシンのVMware Fusion 2.0側への移行が完了したのでParallels Desktop 4.0 for Mac側からのゲストOS(Mac OS X Server 10.5)の仮想マシンを削除します。
  
  
• VMware Fusion 2.0側でのゲストOS(Mac OS X Server 10.5)起動確認
  VMware Fusion 2.0側でのゲストOS(Mac OS X Server 10.5)の仮想マシンを普通に起動するだけでゲストOSが使用可能です。
  ディスクユティリティにおいてParallels Desktop 4.0 for Macから移行した仮想ディスクの名称は「VMware Virtual S Media」と表示されます。
  
  
  
  
• VMware Toolsのインストール
  VMware Toolsをインストールして画面解像度を自由に変更できるようにします。