Xgl(Ubuntu 6.06 LTS 日本語ローカライズ版Live CD編)

2006年6月にUbuntu 6.06 LTSがリリースされました。
今回はその日本語ローカライズ版Live CDのデスクトップにXgl(Xサーバ)とBeryl(ウィンドウマネジャ)を導入してみました。

XglとBerylの利用手順はUbuntuのサイトにも紹介されていますが実はUbuntu 6.06をHDDにインストールしなくてもXglとBerylを試行できます。

今回使用したPCのハードウェア構成は以下の通りです。
・CPU：Pentium 4 3.6GHz
・メモリ：2GB
・VGAカード：nVIDIA GeForce 6600 (VRAM 128MB)

ここではUbuntu 6.06 Live CDから直接起動したデスクトップでXglとBerylを試行する方法を紹介します。

• CDからのブート
  
  
  
  
  
  
  
• デスクトップ
  ubuntuというユーザで自動ログインされます。
  まずGNOMEスプラッシュ画面が表示され、その後デスクトップが表示されます。
  
  
  
  
  
  
• /etc/X11/xorg.confの内容確認
  Deviceセクションは以下のようになっています。
  
  

  Section "Device" Identifier "NVIDIA Corporation NV43 [GeForce 6600]" Driver "nv" BusID "PCI:1:0:0" EndSection

  
  
• 書き込み可能ファイルシステムの確認
  apt-getでnVIDIAドライバを導入するためにはLiveCDで起動したシステムが書き込み可能になっている必要があります。
  unionfs.koというカーネルモジュールが存在すればapt-getが使用できます。
  下記のような結果となるので問題なくapt-getが使えるようです。
  
  

  ubuntu@ubuntu:~$ sudo updatedb ubuntu@ubuntu:~$ locate unionfs.ko /rofs/lib/modules/2.6.15-26-386/kernel/fs/unionfs/unionfs.ko ubuntu@ubuntu:~$ locate squashfs.ko /rofs/lib/modules/2.6.15-26-386/kernel/fs/squashfs/squashfs.ko

  
  
• nVIDIAドライバの導入
  $ sudo apt-get update
  $ sudo apt-get upgrade
  $ sudo apt-get install nvidia-glx
  
  
• /etc/X11/xorg.confの変更
  $ sudo gedit /etc/X11/xorg.conf &
  「Driver "nv"」を「Driver "nvidia"」に変更します。
  
  
• XglとBerylのインストール準備
  $ sudo gedit /etc/apt/sources.list&
  「deb http://ubuntu.beryl-project.org/ dapper main」という行を追加します。
  
  
• XglとBerylのインストール
  $ sudo apt-get update
  $ sudo apt-get install xserver-xgl beryl beryl-core beryl-dev beryl-manager beryl-settings beryl-plugins beryl-plugins-data emerald emerald-themes
  ※認証されていない旨の警告メッセージが表示されますが構わずインストールします。
  
  Berylのインストールによって[システム]−[設定]メニューに以下の二つの項目が追加されます。
  (1)Beryl Settings Manager
  (2)Emerald Theme Manager
  
  
• /usr/bin/startxgl.shの作成
  $ sudo gedit /usr/bin/startxgl.sh &
  下記内容の/usr/bin/startxgl.shを作成します。
  
  

  #!/bin/sh Xgl :1 -fullscreen -ac -accel xv:fbo -accel glx:pbuffer & DISPLAY=:1 exec gnome-session

  
  更に、/usr/bin/startxgl.shに実行権限を付与します。
  $ sudo chmod +x /usr/bin/startxgl.sh
  
  
• /usr/share/xsessions/xgl.desktopの作成
  $ sudo gedit /usr/share/xsessions/xgl.desktop &
  下記内容の/usr/share/xsessions/xgl.desktopを作成します。
  
  

  [Desktop Entry] Encoding=UTF-8 Name=Xgl Comment=Start an Xgl Session Exec=/usr/bin/startxgl.sh Icon= Type=Application

  
  
• ubuntuアカウントによるXglセッションへの明示的ログイン
  一旦ログアウトします。
  次にGDM画面(GUIログイン画面)のオプションでXglセッションを選択し、ubuntuユーザを明示的に指定してログインします(パスワード指定なし)。
  この時点ではディスプレイ番号0のXとディスプレイ番号1のXgl及びmetacityウィンドウマネジャが動作しています。
  
  

  ubuntu@ubuntu:~$ ps -ef |grep X root 6052 6029 2 21:42 tty7 00:00:51 /usr/bin/X :0 -br -audit 0 -auth /var/lib/gdm/:0.Xauth -nolisten tcp vt7 ubuntu 15585 15539 0 22:19 ? 00:00:00 [Xsession] ubuntu 15595 15539 0 22:19 ? 00:00:00 Xgl :1 -fullscreen -ac -accel xv:fbo -accel glx:pbuffer ubuntu@ubuntu:~$ ps -ef|grep meta ubuntu 15619 1 0 22:19 ? 00:00:00 /usr/bin/metacity --sm-client-id=default0 ubuntu@ubuntu:~$ set | grep DISP DISPLAY=:1.0

  
  
• beryl-xglの手動起動
  $ beryl-xgl &
  beryl-xglを起動すると画面中央にぐにゃっと変形動作を伴うBerylのロゴが表示されます。
  
  
  
  この時点ではディスプレイ番号0のXとディスプレイ番号1のXglが動作したままですがmetacityウィンドウマネジャは消えています。
  
  

  ubuntu@ubuntu:~$ ps -ef | grep X root 6058 6029 24 18:01 tty7 00:32:09 /usr/bin/X :0 -br -audit 0 -auth /var/lib/gdm/:0.Xauth -nolisten tcp vt7 ubuntu 19447 19391 0 20:07 ? 00:00:01 Xgl :1 -fullscreen -ac -br -accel xv:fbo -accel glx:pbuffer ubuntu@ubuntu:~$ ps -ef | grep meta ubuntu@ubuntu:~$

  
  尚、beryl-xglを起動した時点からデスクトップ効果自体は使用できますがGNOMEパネルは影のない平坦なままです。
  またウィンドウのタイトルバーは表示されません。
  
  
  
  
  
  
• beryl-managerの手動起動
  $ beryl-manager &
  これでGNOMEパネルに影も付くようになり、ウィンドウのタイトルバーも表示されるようになります。
  Emeraldのテーマはデフォルトの少しけばけばしいSlateHorn_Redになります。
  
  
  
  
  
  
• 画面の立体回転(3D表示)例
  Ctrl + Altを押しながらマウスの左ボタンで画面をキューブ状態にして回転させてみました。
  ※Beryl Settings ManagerでDesktop CubeのSkydomeオプションを有効にしてキューブの背景が黒色でなく空色になるようにしています。
  
  
  
  実寸画像はこちらです。