GNOMEの[アプリケーション]−[システムツール]−[仮想マシンマネージャ]で仮想マシンマネージャを起動します。
「接続を開く」画面の接続先としてlocalhostを選択して＜接続＞ボタンを押します。
RHEL 5.2のインストールDVDをホストマシンに接続して以下のコマンドを実行します。
# /etc/rc.d/init.d/httpd start
# mkdir /var/www/html/iso
# mount /dev/cdrom /var/www/html/iso
ホストOSのIPアドレスを192.168.0.52とした場合、http://192.168.0.52/iso/でインストールメディアにアクセスできます。
仮想マシンマネージャのlocalhost xen行を選択し＜新規＞ボタンを押します。
これで「新規の仮想システムを作成」ウィザードが起動します。
今回は以下の仮想システム定義としました。
(1)仮想システム名：pvrhel52
(2)仮想化の方法：準仮想化
(3)インストールメディアのURL：http://192.168.0.52/iso/
(4)ストレージ領域のタイプ：シンプルファイル
(5)ストレージファイル：/root/pvrhel52.img
(6)ストレージファイルサイズ：4000MB
[今、仮想ディスク全体を割り当てますか？]オプション：on
(7)ネットワーク接続：共有物理装置を選択(xenbr0を使用したブリッジ型です)
(8)メモリとCPUの割り当て
メモリ：384 MB
CPU：1
(9)インストール準備完了画面にサマリが表示されます。
このインストール準備完了画面で＜完了＞ボタンを押すと「仮想マシンを作成中」と表示されます。
仮想マシンコンソールは実際のRHEL 5.2をインストールするツールとして利用します。
仮想マシンコンソールでの操作の流れは以下のようになります。
- Choose a Language
デフォルトはEnglishです。
Japanesesを選択するとテキストモードでは日本語表示はされない旨の警告が表示されます。
- Keyboard Type
デフォルトのusをjp106に変更します。
- Configure TCP/IP
DHCP使用有無、IPv4使用有無、IPv6使用有無を選択します。
- Manual TCP/IP Configuration
IPアドレス、ゲートウェイアドレス、DNSサーバアドレスを指定します。
- anacondaの起動
GUIインストーラのanacondaが自動起動されます。
この時、画面に「Probing for video card: Xen Virtual Framebuffer」と表示されます。
- 日本語GUIインストール画面
(1)仮想マシンコンソールにはxen-vncfboによってGUI画面が表示されます(RHEL 5.2の見慣れたGUIインストール画面です)。
(2)ここから先は通常のRHEL 5.2インストールと同じです(サブスクリプションのインストール番号入力も要求されます)。
(3)パーティション設定はデフォルトのレイアウトとします(/boot以外は論理ボリュームグループとなります)。
(4)尚、パーティション設定画面でのデバイス名は/dev/xvdaで、パーティション名は/dev/xvda1と表示されます。
(5)ネットワーク関連のアドレスは先に指定した値がプリセットされて表示されます。
(6)インストールされるカーネルパッケージはkernel-xenです。
- インストール後の再起動
「おめでとう」表示の画面で＜再起動＞ボタンを押すと仮想マシンコンソールに「guest not running」と表示されます。
そこで、その仮想マシンコンソールの[実行]をクリックして仮想マシンを再起動します。
「ようこそ」画面が表示されます。
尚、ソフトウェア更新の設定でRHN(Red Hat Network)への接続を指定することでソフトウェアアップデートが可能となります。
- インストールDVDのマウント解除
# umount /var/www/html/iso
- 仮想マシンマネージャからのDomainU(RHEL 5.2)の起動
仮想マシンマネージャに自動登録された「pvrhel52」は仮想マシンマネージャから起動できます。
起動後はGDM画面でログインしてGUI操作が可能となります。
- xmコマンドとvirt-viewerコマンド
(1)仮想マシンマネージャで作成した仮想マシン(pvrhel52)の設定ファイルは/etc/xen/pvrhel52として生成されます。
(2)仮想マシンは以下のxmコマンドでも起動できます。
# xm create -c pvrhel52
本コマンドを実行すると端末内にCUIモードでpyGRUB画面が表示されます。
GRUBのエントリは「Red Hat Enterprise Linux Server (2.6.18-92.el5xen) 」だけです。
(3)仮想マシンのブートが開始されてもそのブート画面は表示されません。
(4)仮想マシンを表示するには以下のvirt-viewerコマンドを実行します。
# virt-viewer pvrhel52
やがてVirt ViewerにGDM画面が表示されますのでログインします。
(5)ログイン後のデスクトップ操作例；
(6)仮想マシン実行時は以下のxmコマンドで仮想マシン(pvrhel52)の実行時情報を確認できます。
# xm list pvrhel52 --long
・実行時情報の表示例
- ホストOSからの仮想ディスク内論理ボリュームへのアクセス
ホストOSから仮想ディスク内論理ボリュームへアクセスするにはボリュームグループのデバイスマップの作成が必要となります。
仮想ディスクをloopデバイスに接続し、そのloopデバイスからkpartxコマンドでボリュームグループのデバイスマップを作成して、
あとは論理ボリュームのデバイスをマウント操作すればホストOSから仮想ディスク内論理ボリュームへのアクセスが可能となります。
仮想ディスクはサイズ固定(事前割り当て)タイプでなくてもその中の論理ボリュームをマウントできます。
更に、仮想ディスク内論理ボリュームへの書き込みもOKです。
下記はホストOSから仮想ディスク(pvrhel52.img)内論理ボリュームへの一連のアクセス操作例です(loopデバイスの切り離しまで)。
※仮想ディスク(pvrhel52.img)の論理ボリューム(LogVol00)にある/etc/fstabの内容確認例です。
[root@redhat52 ~]# vgdisplay No volume groups found [root@redhat52 ~]# lvscan -v Finding all logical volumes No volume groups found [root@redhat52 ~]# losetup -a [root@redhat52 ~]# losetup /dev/loop0 pvrhel52.img [root@redhat52 ~]# losetup -a /dev/loop0: [0801]:5767411 (pvrhel52.img) [root@redhat52 ~]# kpartx -av /dev/loop0 add map loop0p1 : 0 208782 linear /dev/loop0 63 add map loop0p2 : 0 7968240 linear /dev/loop0 208845 [root@redhat52 ~]# vgdisplay|grep "VG Name" VG Name VolGroup00 ※このvgdisplayで「No volume groups found」となった場合はvgscanを実行してみます。 [root@redhat52 ~]# lvscan -v Finding all logical volumes inactive '/dev/VolGroup00/LogVol00' [3.00 GB] inherit inactive '/dev/VolGroup00/LogVol01' [800.00 MB] inherit [root@redhat52 ~]# vgchange -a y /dev/VolGroup00 2 logical volume(s) in volume group "VolGroup00" now active [root@redhat52 ~]# lvscan -v Finding all logical volumes ACTIVE '/dev/VolGroup00/LogVol00' [3.00 GB] inherit ACTIVE '/dev/VolGroup00/LogVol01' [800.00 MB] inherit [root@redhat52 ~]# mount /dev/VolGroup00/LogVol00 /mnt [root@redhat52 ~]# ls /mnt bin etc lost+found mnt poweroff sbin sys usr boot home media net proc selinux tftpboot var dev lib misc opt root srv tmp [root@redhat52 ~]# cat /mnt/etc/fstab /dev/VolGroup00/LogVol00 / ext3 defaults 1 1 LABEL=/boot /boot ext3 defaults 1 2 tmpfs /dev/shm tmpfs defaults 0 0 devpts /dev/pts devpts gid=5,mode=620 0 0 sysfs /sys sysfs defaults 0 0 proc /proc proc defaults 0 0 /dev/VolGroup00/LogVol01 swap swap defaults 0 0 [root@redhat52 ~]# umount /mnt [root@redhat52 ~]# vgchange -a n /dev/VolGroup00 0 logical volume(s) in volume group "VolGroup00" now active [root@redhat52 ~]# lvscan -v Finding all logical volumes inactive '/dev/VolGroup00/LogVol00' [3.00 GB] inherit inactive '/dev/VolGroup00/LogVol01' [800.00 MB] inherit [root@redhat52 ~]# kpartx -dv /dev/loop0 del devmap : loop0p1 del devmap : loop0p2 [root@redhat52 ~]# lvscan -v Finding all logical volumes No volume groups found [root@redhat52 ~]# vgdisplay No volume groups found [root@redhat52 ~]# losetup -d /dev/loop0 [root@redhat52 ~]# losetup -a [root@redhat52 ~]#
