Xen 3.4.2(MacBook ProのCentOS上でのWindows 7実行編)


2009年10月22日にCentOS 5.4がリリースされましたがCentOS 5.4付属のXenバージョンは古い3.0.3です。
また2009年11月11日にはXen 3.4.2がリリースされました(Xen 3.4.1は2009年8月7日リリース)。

一口にIntel VT(AMD-V)対応CPUと言っても細かい部分ではそれらの各CPUへのXenの対応レベルはXenバージョンによって異なります。
同じXenバージョンでもWindows XPは動作するがWindows Vistaは動作しないということもあり得ます。

今回はMacBook Pro(機種ID:MacBookPro5,2)のCPU(Core 2 Duo T9600)についてXenバージョンによって
何が動いて、何が動かないかの簡単な実験をしてみました。
(1)まずMacBook ProでのUbuntu 8.04.1のXen 3.2ですがWindows XPのインストール実行は問題なく動作します。
※ちなみにUbuntu 8.04.1のXen 3.2では無線LAN(AirMac)が使用可能になっています。
(2)しかしそのMacBook ProでのUbuntu 8.04.1のXen 3.2ではWindows 7(Ultimate)をカーネルモードで実行できません。
具体的にはWindows 7インストールの第一段階(主にファイルのコピー・展開)は問題なく完了しますが、
その再起動後「Windowsを起動しています」と出てから「STOP: 0x0000007F」エラーでブルー画面になりセットアップ画面に至りません。
一般に0x0000007FエラーはCPUがそのWindowsカーネルモードに対応していない場合に発生します。
(3)この現象はMacBook ProでのCentOS 5.4(Xen 3.0.3:32ビット & 64ビット)でも発生します(32ビットCentOS 5.4でのSTOP例)。
またMacBook ProでのFedora 8(Xen 3.1)でも発生します(再起動直前の画面)。
尚、Core 2 Duo E6600上のFedora 8のXen 3.1ではWindows 7 RCのインストールや実行は問題なく動作します
(4)そこでCentOS 5.4のXen 3.0.3をXen 3.4.2にアップグレードして試したところWindows 7が問題なく実行できました。
尚、ここでXen 3.4.2にアップグレードしたCentOS 5.4は64ビット版です。
(これは64ビット版CentOS 5.4用Xenアップグレードパッケージが揃っているためです:詳細は後述)




ここではMacBook Proに64ビット版CentOS 5.4を導入してXen 3.4.2へのアップグレード及びXenでのWindows 7実行手順を紹介します。


1.MacBook Proへの64ビット版CentOS 5.4の導入

今回は複数LinuxディストリビューションのXenテストということもあり既存内蔵HDDを新規のものにまず交換しました。
Mac OS XやWindows(Boot Camp)は導入しないので通常のIntelマシンと同様の操作で64ビット版CentOS 5.4(DVD版)をインストールしました。
まず/dev/sda1には32ビット版CentOS 5.4を導入したので以下のように64ビット版CentOS 5.4をインストールしました。
(1)インストール先:/dev/sda2 (80GB)
(2)ブートローダのインストール先:/dev/sda(MBR)
(3)ソフトウェアのセットでは仮想化グループ中の「KVM」と「仮想化」の両方を選択します。
「KVM」は通常カーネルを含み、「仮想化」はXenカーネルを含みます。

尚、既存内蔵HDDの交換が困難な場合は以下のページを参照して内蔵HDDにCentOS 5.4をインストールして下さい。
※32ビット版と64ビット版でのインストール手順は同じですが64ビット版の方が軽快に動作します。
Intel Macのトリプルブート環境(その2)
Intel MacでのWindows→Linux→Mac OS X...インストール手順



2.Xen 3.0.3でのWindows 7インストールテスト

念のためXenアップグレード前のXen 3.0.3でWindows 7のインストールテストをしてみます。



3.Xen 3.0.3からXen 3.4.2へのアップグレード



4.Xen 3.4.2でのWindows 7セットアップ&実行