Fedora Core 4 での日本語GNOME環境追加例

インストールタイプとしてサーバを選択してインストールしたFC4(Fedora Core 4)環境に後から日本語GNOME環境を追加する場合の手順例を以下に紹介します。


  1. 前提条件
    インストールタイプとしてサーバを選択してインストールしたFC4の具体的インストールオプションは下記を前提としています。
    (1)Language Selection:English
    (2)Keyboard Configuration:U.S. English
    ※便宜上、サーバ用途では日本語キーボードを使用していないことを仮定しました。
    (3)Installation Type:Server
    (4)Hostname:fc4(任意)
    (5)Firewall Configuration:No firewall, SELinux:Disabled
    (6)Time Zone Selection:America/New_York
    (7)Package Group Selection;
    下記デフォルトのままでありLanguage Supportは含まない。
    Text-based Internet:[5/7]
    Server Configuration Tools:[8/12]
    Web Server:[12/22]
    Windows File Server:[3/3]
    Administration Tools:[10/11]
    System Tools:[9/29]
    Printing Support:[9/10]
    ※Total install size: 921Mと表示されます。
    (Serverタイプでインストールされるパッケージ一覧とインストール直後のcheckconfig --list結果)。

    デスクトップ関連パッケージを選択しなくてもインストール完了後、/etc/X11/xorg.confは残ります。
    その/etc/X11/xorg.confからの抜粋を以下に示します。
    Section "Files"
            RgbPath      "/usr/X11R6/lib/X11/rgb"
            FontPath     "unix/:7100"
    EndSection
    Section "InputDevice"
            Identifier  "Keyboard0"
            Driver      "kbd"
            Option      "XkbModel" "pc105"
            Option      "XkbLayout" "us"
    EndSection
    Section "InputDevice"
            Identifier  "Mouse0"
            Driver      "mouse"
            Option      "Protocol" "IMPS/2"
            Option      "Device" "/dev/input/mice"
            Option      "ZAxisMapping" "4 5"
            Option      "Emulate3Buttons" "yes"
    EndSection
    
    この時点でのdf結果は以下の通りです。
    Filesystem           1K-blocks      Used Available Use% Mounted on
    /dev/hda1             14877060    980512  13128644   7% /
    /dev/shm                387684         0    387684   0% /dev/shm
    

  2. 日本語GNOME環境追加の作業環境
    PuTTY等でFC4にssh接続して操作することを前提としています。

  3. キーボード配列の設定変更(vi /etc/sysconfig/keyboard)
    ※日本語キーボードへの対応
    【変更前】
    KEYBOARDTYPE="pc"
    KEYTABLE="us"
    【変更後】
    KEYBOARDTYPE="pc"
    KEYTABLE="jp106"

    リブート後、コンソールでのキーマップがjp106に適用されます。

  4. yum自体のアップデート
    # yum update yum

  5. X Window Systemのインストール
    # yum groupinstall "X Window System"
    このX Window Systemにはgdmやvnc-serverも含まれます。
    尚、このgroupinstallでGPGキー関連のエラー発生時は/etc/yum.repos.d/fedora.repo中の
    「gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-fedora」を
    「gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY」に変更してリトライしてみて下さい。

  6. X設定ファイルの変更(vi /etc/X11/xorg.conf)
    【変更前】
            Option      "XkbModel" "pc105"
            Option      "XkbLayout" "us"
    【変更後】
            Option      "XkbModel" "jp106" 
            Option      "XkbLayout" "jp"  
    
  7. GNOME Desktop Environmentのインストール
    # yum groupinstall "GNOME Desktop Environment"

  8. 日本語環境パッケージのインストール
    # yum install fonts-japanese
    # yum install fonts-xorg-truetype
    # yum install man-pages-ja(任意)
    # yum install Canna
    # yum install iiimf-*

    この時点での/etc/X11/fs/configのcatalogue内容は以下のように自動更新されています。
    catalogue = /usr/X11R6/lib/X11/fonts/misc:unscaled,
            /usr/X11R6/lib/X11/fonts/75dpi:unscaled,
            /usr/X11R6/lib/X11/fonts/100dpi:unscaled,
            /usr/X11R6/lib/X11/fonts/Type1,
            /usr/X11R6/lib/X11/fonts/TTF,
            /usr/share/fonts/default/Type1,
            ,
            /usr/share/fonts/japanese/misc:unscaled,
            /usr/share/fonts/japanese/misc,
            /usr/share/fonts/japanese/TrueType
    

    またこの時点でのdf結果は以下の通りです。
    Filesystem           1K-ブロック    使用   使用可 使用% マウント位置
    /dev/hda1             14877060   1892452  12216704  14% /
    /dev/shm                387684         0    387684   0% /dev/shm
    
    X Window Systemと日本語NOME環境構築に約1.1GB追加消費したことになります。
    尚、/var/cache/yumに残ったrpmファイルはyum cleanで別途削除して下さい。

  9. 言語の設定変更(vi /etc/sysconfig/i18n)
    ロケールを英語から日本語に変更します。
    尚、UTF-8の代りにEUCを使用するのはPuTTY等での日本語表示対応化のためです。
    【変更前】
    LANG="en_US.UTF-8"
    SYSFONT="latarcyrheb-sun16"
    SUPPORTED="en_US.UTF-8:en_US:en"
    【変更後】
    LANG="ja_JP.eucJP"
    SYSFONT="latarcyrheb-sun16"
    SUPPORTED="ja_JP.eucJP:ja_JP:ja"

  10. 中間検証
    この段階で一旦シャットダウンします。
    リブートの際に表示されるGRUBでのkernel行に一時的にlinux 5を追加してランレベル5で起動します。



    ※/etc/inittabを編集してデフォルトランレベルを変更するのは次のステップで実施します。

    上記操作が正しく行われていればFedoraロゴ付きの日本語gdmが表示されます。
    また日本語入力もできます。
    尚、GNOMEのアプリケーションメニューは以下の5個だけです。
    ・アクセサリ
    ・グラフィックス
    ・サウンドとビデオ
    ・システムツール
    ・アプリケーションの実行

    mozilla &でWebブラウザ起動もできます。
    (このMozillaのメニューはFC4の日本語タイプでのフルインストールでも英語メニューです)

    デスクトップ画面


  11. 仮想フレームバッファの導入とVNCでのXDMCP接続設定
    コンソールからのX起動は抑止し、その代わりVNCでXDMCP接続できる環境を構築します。
    X Window System導入時に既にvnc-serverパッケージはインストールされています。
    vncserverの手動起動テストは不要です。


  12. reboot
    コンソールはloginプロンプトで停止します。



  13. VNC接続テスト
    VNCクライアントから「FC4サーバ:1」指定でXDMCP接続します。



    ログイン後下記のキーボード設定選択ダイアログが表示されますので<GNOMEの設定を使う>を選択します。



    その後は日本語GNOME環境で日本語入力等が自由に行えます。



    実寸画像はこちらです。


  14. Cygwin/XからのXDMCP接続
    Cygwin/XからのXDMCP接続ではキー配列はjp106となりませんがそれ以外はあまり問題なく使用できます。



  15. アプリケーションの追加(任意)
    # yum install gimp
    # yum install gimp-*
    # yum install firefox

    この時点でのdf結果は以下の通りです。
    Filesystem           1K-ブロック    使用   使用可 使用% マウント位置
    /dev/hda1             14877060   2254060  11855096  16% /
    /dev/shm                387684         0    387684   0% /dev/shm
    

    VNCデスクトップでのgimpとfirefox(gimpとfirefox共にメニューは自動的に日本語表示されます)

  16. その他