Red Hat Linux 5.0

1997年12月1日にRed Hat Linux 5.0(カーネル:2.0.32)がリリースされました。
日本語版ではありませんが日本でも「Linux 6-CD Set」(RedHat5.0, S.u.S.E. 5.1他の組み合わせCDパック)や「Official Red Hat Linux 5.0」として入手可能です。

今回のメジャーバージョンアップの最大の特徴は本格的RDBMSであるPostgreSQL(Postgres95の後継)の標準搭載です。
PostgreSQL付属のAPIを利用することでApache環境で動作するDBアクセスCGIをC言語で開発することができるようになります(サンプルは後述)。

Red Hat Linux 5.0での主な変更点は以下の通りです。


尚、大きな実メモリを正しく認識しないという問題は解決されていないため従来通りlilo.confにカーネルパラメータとして設定する必要があります。


ここではRed Hat Linux 5.0での新たな搭載機能(PostgreSQL)含めて利用環境を紹介します。



(1)インストール手順

インストールの流れは従来とほとんど同じですが若干の変更点があるため一応簡単に紹介をします。


(2)インストール後の基本設定



(3)ウィンドウマネジャ

Red Hat Linux 5.0では以下のウィンドウマネジャが使用できます。



(4)主なアプリケーション


(5)Samba (パッケージ:samba-1.9.17)



(6)Apache (パッケージ:apache-1.2.4)

まず/etc/httpd/conf/httpd.confに「ServerName ホスト名」を追加します。
次にApacheを再起動します。
# /etc/rc.d/init.d/httpd restart
これでlynxやarenaで自ホストのWebサーバアクセステストが行えます。
もちろん他のマシンからもアクセスできます。



(7)PostgreSQL (ver. 6.2.1)

インストール直後の状態で既にPostgreSQLのサーバプログラム(postmaster)はデフォルトで自動起動されています。
そのためすぐにPostgreSQLインストール時に自動作成されるpostgresユーザでデータベースを作成できます。



(8)PJEの導入(PJE-0.1.1cm)

Red Hat Linux 5.0に日本語環境構築キットであるPJEの0.1.1cm版(1998年1月12日リリース版)を導入してみました。
ほぼフルインストールでかな漢字サーバはwnnではなくcannaを選択しました。
フルインストールでは既存のパッケージとconflictを起こしてエラーとなる場合もあります。
インストール対象の選択にもよりますが事前にいくつかのパッケージをアンインストールしておくのがいいようです。



(9)Netscape Communicator 4.04の導入

arena, lynxではやはり機能不足なのでNetscape Communicator 4.04(英語版)を導入しました。
英語版でも日本語表示は可能です。




(10)FDからのRed Hat Linux 5.0ブート

Red Hat Linux 5.0をインストールした時に使用したインストーラ起動FD(MS-DOS形式)からRed Hat Linux 5.0をブートすることもできます。
インストーラ起動FDをセットしてPCの電源を入れた時のbootプロンプトで「vmlinuz root=/dev/hda1」というようにルートパーティションを指定します。
これでインストール済みRed Hat Linux 5.0がブートします。



ここでインストーラ起動FDの中を見てみましょう。
# mount -t msdos /dev/fd0 /mnt/floppy
# xfm &
xfmで/mnt/floppyを開いて確認します。